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君の気持ちを僕は知らない 1  ※BL

香南と七海の新婚ホヤホヤ時の話です。

そしてガッツリBLです。

君と居る時に感じる暖かさ








君を離したくないと願う寂しさ










これを一言で説明するには









難しい感情








clarity love 君の気持ちを僕は知らない













あれだけ愛を知らなかった香南がとうとう愛を知った。

その時嬉しさとともにどこか寂しさをまとった。

一生懸命育てていた雛が飛び立ったような寂しさだ。

その寂しさすら徐々に誇らしく思えるようになった頃、二人の結婚パーティを開くこととなった。

もちろんメンバーと雅さん、瑠唯と美羽、そして主賓の二人のこじんまりしたパーティである。

「ななちゃん、香南おめでとー!!かんぱーい!」

「「「「「かんぱーい!」」」」」

「ありがとうございます!」

ななちゃんが嬉しそうに笑うのを見ながら香南も嬉しそうにビールを一気飲みする。

「しかし、こんなことになるとは…一年前には想像もつかなかったよ。」

雅さんが少し誇らしげに話し始めた。

「そうだねえ。謂わば七海ちゃんと香南君は運命の赤い糸でつながっていたのかもねえ…」

「「あかいいと?」」

「ははっ、それは良いかもしれないな。運命の赤い糸!香南、赤い糸で結ばれた感想をどうぞ!」

「…は?」

「い、いえ、その、あの…赤い糸と言いますか…偶然ですし!」

「それを言うなら必然の出会いだったんだよ。あそこで香南が倒れたのも、ななちゃんが香南を助けたのも。」

そう、正直この二人の恋は運命の赤い糸でつながっているいわば必然的出会いによってもたらされたものと思わずにいられないほどロマンチックなものであった。

ななちゃんの笑顔や雰囲気、それは香南の固く閉ざした心をゆっくりと溶かしていった。

そして溶かすだけでなく徐々に暖かいものにしていったのだった。

香南が作ったミニアルバム、初めて聞いたとき俺たちはかなり驚いた。

香南にこんな暖かい曲が作れるのかと。僕は感動して泣いてしまったぐらいだった。

それぐらいななちゃんは香南にとってなくてはならない存在になったし、愛しい存在になったのだ。

香南の暖かさに触れてうれしい気持ちを持ったのも束の間はふと思い返す。

僕と、周の関係だ。

別に大きな声で愛し合っているといいたいわけではない。

けれどずっと変わらないこの微妙な関係に不安を覚えたのも確かだった。

「ななちゃんはにーちゃんのことすき?」

「へ?!えっ…うん…好き、です…」

「にーちゃんは、ななちゃんのこと、すきっ?」

「…ああ。俺はお前らのことも好きだけれど、七海のことは、愛してる。」

双子が赤い糸の意味を教えてもらったのだろう。好きという感情を聞いていた。

「ひゅー!新婚さーん!言っちゃってくれるよなあ。」

「ふふっ、可愛いなあ。」

「お前ら、ぶん殴るぞ。」

「へっ?!香南さん、それは!!!」

必死に止めようとしているななちゃんを笑いながら僕はぼんやりと考える。

そう、ななちゃんに会って、美羽や瑠唯に会って久々に聞いた「好き」という言葉、感情。

彼女たちはとても純粋な心を持っている。その言葉には嘘偽りなどない。

あるのは暖かい言葉だけである。

それに対して僕たちはどうだろうか。

ずっと一緒にいるのは変わりはない。僕はそれだけでとても安心できたし、僕自身周にできることをしてきたつもりだ。

けれど彼のほうはどうなのだろうか。

僕のこと…好き、でいてくれるのだろうか。

不安な心は徐々にどツボにはまっていく。思い返してみれば僕から好きと言ったことはあるけれど周から「好き」や「愛している」の言葉を聞いたことがなかった。

周はもしかして同情で僕と一緒にいるのではないか。

頭の中がそんなことばかりぐるぐるとまわっている。

すると頬を冷たいものが触れてきた。

「ひやっ!?」

「どうしたんだい?調子悪い?」

周が隣でビールを引っ付けていた。そして反対の手で僕の額を覆う。

「熱はないようだね。」

「「だいじょーぶ?」」

「だ、大丈夫ですか?すみません、無理に来ていただいていたのなら。」

「違う、違うよ!ごめんね、僕ちょっと考え事していたんだ。」

とてとてとおぼつかない足取りで傍によって来た双子の頭をなでてあげると双子は嬉しそうにほほ笑んだ。














沈んだ心はなかなか浮上してくれなかった。

仕事も思うようにうまくいかず、失敗してばかりだった。

「おい、なつどうしたんだ?最近おかしいぞ?」

「うん、ごめん…」

香南の言葉に反省する。確かに、この気持ちを仕事にまで引っ張るのは社会人としてどうかと思う。

「香南、お前が言える立場じゃねえよ。」

「最近忙しかったし気が抜けたのか?まあけど仕事はひと段落してるし、今日はもう終わるか。」

雅さんの声で今日の仕事は終了を迎えた。

すると周が少し考えたしぐさをして手を上げた。

「雅さん、寄りたい場所があるから俺は送らなくていいよ。」

「そうか?近くまで送るぞ?」

「大丈夫。ありがとう。」

ふっと微笑むと周は鞄を持ち部屋から早々に出て行ってしまった。

僕は驚いた様子でただその光景を見ているしかなかった。

なぜならその用事とやらを僕は一切聞かされていなかったからだ。

「へーあいつも出かけることなんてあるんだな。」

燎が感心したように呟く。

香南は香南で雅さんから電話をもらい日向家に連絡を取っていた。

僕は徐々に何かわからない焦燥感に駆られた。

「ぼ、僕も寄りたいところがあるから先に行くね!」

「え?!夏流?!」

雅さんの声も無視し、筆記用具や資料をかばんに詰め込み急いで周の後をついていくことにした。










何とかばれずに外に出て周を尾行していた。

帽子もかぶり、眼鏡もかけて変装しているからか周りにanfangのナツルだとばれなかったのも功を奏した。

タクシーで数分移動したところで周は降り、誰かを探している様子だった。

僕もタクシーを拾い必死に追いついた頃には周に誰かが近づいていた。

そしてポンとたたかれる肩に気付き周は笑顔を作った。

「…え?」

僕は驚いた。その相手は僕たちのファッションアドバイザーの女性だった。

そして二人は一言二言話すとにこやかにジュエリーショップへ入っていった。

「え、…へ?…なん、で?」

へなへなとそこで座り込んでしまう。

どうしてこの二人が一緒にいるのだろうか、そしてどうしてジュエリーショップへ入ってしまったのだろうか。

しかもそのジュエリーショップはとても有名な高級ブランドのお店でちょっとしたものを買うために入るような場所ではない。

そう、例えば結婚指輪を買う時に入る。

ぎゅっと唇をかむ。しかしする間もなく地面に水滴が落ちていた。

ぽろぽろと零れ落ちる涙は止まらない。








僕はもう、捨てられてしまったのだろうか。

周は、僕を好きではないのだろうか。









ぽつりぽつりと降り出した雨に抵抗なく濡れる。

「ふえっ、ふっ…あま、ねっ…」

土砂降りの雨の中僕は必死に涙をぬぐうことしかできなかった。

書きたくなった二人の話。

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