【逆転】全サーバー指名手配? いいえ、これは「帝国の民」への招待状です
経済を破壊され、戦力を蹂躙された監視塔『パノプティコン』。極限まで追い詰められた第一サーバー管理主幹「ゼノン」は、ついに禁忌のボタンを叩いた。
「……ふざけるな! 私はこの世界のルールそのものだ! 害虫ごときが、神(運営)の領域を侵すな!」
ゼノンがコンソールを叩くと、空に血のような赤いウィンドウが展開された。
【緊急警告:全サーバー指名手配 (ワールド・ウォンテッド)】
【対象:レイン、およびその従者四名】
【罪状:世界秩序崩壊、およびシステム乗っ取り。発見次第、全プレイヤーによる『抹殺』を推奨】
【成功報酬:対象サーバーの全権譲渡】
それは、運営がなりふり構わず放った「毒」だった。第一サーバーのプレイヤーたちの欲望を煽り、レインたちを「世界の敵」に仕立て上げる最悪の扇動。
だが、レインはそれを見上げ、不敵に笑う。
「ゼノン。お前は大きな勘違いをしている。……俺を狙って全プレイヤーが集まるというのなら、俺の『国民』にとっても、ここへ駆けつけるための最高の招待状になるんだよ」
レインが右手を高く掲げる。指先から放たれた黄金の信号が、世界の境界線を物理的に引き裂いた。
「主様のピンチとあらば、地の果てからでも駆けつけるぞ。それが、我ら帝国の『当たり前』ですな!」
リヴィアの咆哮と共に、空の裂け目から漏れ出したのは、灰色の世界を塗り潰すほどに眩い純金の輝き。レインの「幸福」を糧に最強の装備を揃えた『オーバーライド・エンパイア』の正規軍――総数、一億のプレイヤーが雪崩れ込んできた。
『王のために!』
『地獄の門 (サーバー壁)をブチ破れ!』
飛空艇が空を埋め尽くし、帝国の騎士団が降臨する。その圧倒的な援軍を目の当たりにした第一サーバーの民衆が、ついに爆発した。
「……見てろよ運営! 俺たちはもう、ただの電池じゃねえ!」
ボロ布を纏った民衆が、レインの配った黄金のパンで得た気力を武器に変え、怒濤の勢いで監視塔へと押し寄せる。決起した無数の民が、巨大な津波となってパノプティコンの防衛線を飲み込んでいった。
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