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最強勇者パーティを追放された俺、実は“世界の仕様書”を書いた本人でした  作者: ちいもふ
第7章:『監獄都市』解放編 ――オーバーライド・エンパイア、全サーバー統一への進撃――
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少女のパンは「最高級」へ。運営の資産は「無限の負債」へ上書きする

「――本日をもって、このサーバーの『運営』は終了だ」


 レインの言葉が、アリスのシステム介入を通じて第一サーバー全域に同時放送された。

 その瞬間、監視塔パノプティコンの管理AIが狂ったようにアラートを鳴らす。


『警告:外部サーバーからの不正なリソース流入を確認!

 停止してください!

 この行為は利用規約に――』


「うるさいわね。規約、規約って……そんなの、運営が勝手に決めた奴隷どれい選びじゃない」


 レインの影から、シュガーが突然姿を現す。

 彼女が指をパチンと鳴らすと、スラムの汚れた空気が一変した。


 空から降り注ぐのは、もはやただの光ではない。

 それは、実体を持った「黄金の貨幣かへい」と、焼きたての香りを漂わせる「極上の食料」だった。


「な、なんだこれ……!?

 インベントリに勝手に金が入り込んでくる!」


「パンだ!

 湯気が立ってる本物のパンだぞ!

 ライフも、スタミナも……全快だ!」


 地下スラムの道端で消えかけていた男のカウントダウンが止まった。

 少女の目の前には、黄金の小麦で焼かれた最高級のパンが山積みになる。


「さあ、みんな、先輩レインからのプレゼントだよ。遠慮しなくていいんだから。

 ……あ、お代はあっちの塔の人たちが払ってくれるから安心してね?」


 シュガーの言葉通り、第一サーバーの「運営資産」は猛烈な勢いでマイナスへと転落し始めた。

 レインが「帝国」から送り込む膨大なリソースを、アリスが強制的に「監獄都市エデンの運営側の負債」として処理しているのだ。


 運営が築き上げた「飢えによる支配」というゲームバランスが、レインの圧倒的なチートによって、物理的に、そして根底から破壊されていく。


「おにーさん……ううん、神様……!」


 少女がパンにかぶりつき、涙を流して笑う。

 その瞬間、スラムにいた数万人のプレイヤーたちのステータス画面に、見たこともない通知が表示された。



【所属サーバー変更の提案:第一サーバー ➡『オーバーライド・エンパイア・第一領』】

【承認しますか? YES / YES】



「選択肢が一個しかないなんて、性格悪いわよね、アリス」


「効率を重視した結果です。

 ……レイン、現在、第一サーバーのプレイヤーの80%が『YES』を選択。

 民衆の合意により、このエリアのシステム権限の過半数を奪取しました」


 アリスが無機質に告げる。

 レインの足元から黄金の光が広がり、ついに監視塔の足元までを帝国領へと塗り替えた。


 塔の上層では、慌てふためく看守たちが武器を手に取ろうとしていた。

 だが、その前に、一人の女性が冷徹な殺気をまとって立ちはだかる。


「……さて。

 お前たちの『管理』がどれほど杜撰ずさんなものか、じっくりと教えてやろう」


 エルナの瞳の奥で、漆黒の殺意が鈍く光った。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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