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最強勇者パーティを追放された俺、実は“世界の仕様書”を書いた本人でした  作者: ちいもふ
第4章:絶対神の新婚生活。説教する精霊女王と究極の箱庭づくり
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【ご褒美】おやすみのキス? 湯上がりのアリスが仕掛ける、極秘の「魔力同期」大作戦

 エルナが庭の隅で「こんなの規約違反よぉ……」と独り言を呟きながら、俺が与えた黄金のしずくをちびちびと味わっている頃。その様子を冷ややかに見つめていたアリスの瞳には、かつてないほどの「危機感」が宿っていた。


(……旧世界のOSごときが、レイン様の隣に居座るなど言語道断。ここらで、どちらが真の管理OSパートナーか、分からせて差し上げなければ……)



 その夜。俺が寝室で、今日一日書き換えた世界のログを整理していた時のことだ。


 トントン、と控えめな、しかしどこか切実なノックの音が響いた。


「レイン様……。お休み中、失礼いたします。少々、緊急のトラブルが発生いたしました」


「アリスか? 入っていいぞ。トラブルって、エルナが何か壊したのか?」


 ドアが開く。そこに立っていたのは、いつもの完璧なメイド服ではなく、薄手の、それもサイズが合っていないのか、肩のラインが際どく露出したシルクのネグリジェをまとったアリスだった。


「……え、アリス? その格好は……」


「……。管理者権限が100%開放された副作用です。私のOS(精神体)と、レイン様の魔力波形に微細なズレが生じました。このままでは……私、明日には機能不全で動けなくなるかもしれません」


 アリスは耳まで真っ赤にしながら、たどたどしい口調で「捏造ねつぞうされたバグ」を報告する。視線を泳がせ、ネグリジェのすぞをぎゅっと握りしめる彼女の姿は、冷徹な管理者というよりは、初めての夜に怯える少女のようだった。


「機能不全って……。そんなに深刻なのか? どうすれば直るんだ?」


「……。直接的な魔力接触による『手動同期シンクロ』が必要です。つまり……その、今夜はレイン様の傍で、肌を合わせて……同期を、しなければ……」


 消え入るような声で、とんでもないことを提案するアリス。俺は一瞬固まったが、彼女が必死に何かをこらえている様子を見て、今日一日エルナの相手をさせて寂しい思いをさせたのかもしれない、と思い至った。


「……そうか。分かったよ。アリスが壊れたら、俺も困るからな」


 俺がベッドの端を叩いて促すと、アリスは「ひゃいっ」と情けない声を上げ、吸い寄せられるように俺の隣へと潜り込んできた。


 ふわりと、湯上がりの石鹸せっけんの香りと、彼女自身の甘い体温が伝わってくる。


「……レイン様。……あ、温かいです。波形が……急速に安定していきます……」


「アリス。エルナが来てから、騒がしくなったけど……やっぱり俺は、こうしてアリスと一緒にいるのが一番落ち着くよ。いつも支えてくれて、ありがとうな」


 俺が本心を込めて彼女の頭を優しくでると、アリスの体がビクッと震えた。彼女は俺の腕の中に顔を埋め、独占欲に濡れた瞳で、うっとりと呟いた。


「……! ああ……。ダメです、レイン様。そんなことをおっしゃられたら……。私、本当に、あなたをこの愛の檻(聖域)に一生、閉じ込めておきたくなってしまいますわ……」


 アリスの重すぎる愛が、寝室の魔力濃度を急速に上昇させた、その時だった。


「主様ー! リヴィアも『同期』っていうやつ、やりたいですぞーーーっ!」


 ドォォォォン! という衝撃音と共に、窓(物理)を粉砕してリヴィアがダイブしてきた。


「リヴィア……!? お前、寝てたんじゃ……」


「良い匂いがしたですな! むふー、主様の隣はリヴィアの定位置ですぞ!」


「……。……リヴィアさん。その首、今すぐ胴体からデリートして差し上げましょうか?」


 暗闇の中で、アリスが殺気全開で召喚した「黄金のくわ」が鈍く光った。絶対神の夜は、まだまだ静かには終わらせてもらえそうになかった。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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