【悲報】王国、デリート完了。元仲間が消滅する音を聞きながら、俺は神話級の美女に囲まれて「不老不死の噴水」で水遊びを楽しむ
王都グランゼールの中心に位置する王宮が、内側からボロボロと崩れ始めていた。結界を失い、武器が錆び、魔力が枯渇したこの国に、もはや「明日」を維持するシステムは残っていない。
「陛下! 民衆が暴徒化し、もはや騎士団では抑えきれません!」
「アルディスはどうした! レインを連れ戻せと言っただろう!」
国王が血を吐くような思いで空を仰いだその時、世界から「音」が消えた。正確には、王都から見える「空」が、バグった映像のように激しく乱れ、真っ暗な虚無(エラー画面)へと書き換えられていったのだ。
『対象領域:王国グランゼール――管理者権限により、物理演算及び存在維持を「停止」します。以降、当領域はサーバーログから破棄されます』
システムが下したその「宣告」は、レイン以外のすべてをノイズとして切り捨てる、文字通りの世界消滅だった。王都の人々が最後に見たのは、自分たちが「無能」と笑って追い出した青年が、空の向こう側で美少女たちに囲まれ、二度と届かない高みへと昇っていく姿だった。
一方その頃、座標NULL(レインの庭)。
「……よし、これで噴水の修理も終わりだな」
レインがハンマーを置くと、彫刻の隙間から虹色の水が勢いよく噴き出した。ただの修理ではない。レインが触れたことで、その水には「不老長寿」と「全状態異常無効」という、神の奇跡すら生ぬるいほどの超バフが付与されている。
「さすがはレイン様。これでこの庭の生態系は完全に独立いたしました。外の世界がどうなろうと、ここだけは永遠に不滅です」
アリスが背後からレインの腰に腕を回し、幸せそうに背中に頬を寄せる。もう、管理ウィンドウに「王国の悲鳴」が流れることはない。アリスがその接続を物理的に断ち切ったからだ。
「主様! 噴水が直ったなら、約束通り水遊びですぞー! ほら、ここなら思いっきり飛び込める広さがありますぞ!」
リヴィアが服を脱ぎ捨て、ドラゴンの翼を少しだけ覗かせながら水飛沫を上げる。その輝くような笑顔を見て、レインもようやく心の底から笑った。
かつては、世界を守るために自分を削り、蔑まれ、孤独だった。だが今は、守るべき仲間が目の前にいる。そして彼女らもまた、自分を何よりも大切にしてくれている。
「……アリス、リヴィア。これから、何をしようか? 時間だけは、無限にあるんだ」
レインの問いに、アリスは愛おしそうに目を細め、彼の耳元で囁いた。
「そうですね……。まずは、この庭に私たちの『家族』を増やす計画でも立てましょうか?」
「家族……。あ、ああ、そうだな。……って、アリス、顔が近いぞ!?」
真っ赤になるレインを、リヴィアが横から抱きしめる。管理者の庭――そこは、世界の崩壊すら届かない、最も優しく、最も独占的な「愛の檻」だった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
「面白かった!」「続きが気になる!」と思っていただけた方は、ぜひブックマークや評価で応援していただけると、とても励みになります。
どうぞよろしくお願いします!




