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パラレヌ・ワールド  作者: 羽川明
四章 「五光年先の遊園地」
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「Ⅳ」

 父上の言った言葉を、昨日のことのように思い出す。

『探せ――――』

 私は、あの窮屈な宇宙艇(ロケット)の中にいた。ノイズの酷い無線機の向こうで、父上の声に耳を澄ませて。

『――――宇宙を()べる、緑の……を!!』

 この話を聞くのは、もう何度目か。戦況が悪化するにつれ、父上は、根も葉もない伝承に取り憑かれていった。だがそれも、今日で最後だ。

『……はや、一刻の――――もない。お前が、最後…望みだ』

「はい」

『〝緑の力〟で星を(あやつ)り、……を、すべてを、我々の色で――――るのだっ!!』

 〝緑の力〟――――自然を意のままに操れるという、(ことわり)を超えた最強の力。

 ――――父上の盲信する、神々の力。

「では、行って参りいます」

 父上は、いつからか母星を見捨て、神々を(あが)め始めた。挙句の果てに、この私に〝神の力〟を手にしろという。

『――――あぁ、だが、忘れるな。お前が、……を手にし、再び……に降り立った時、宇宙は――――のものだ』

 そんなものはいらない。そんなものになど、はなから興味はない。

 だが、この愛しき母星が、美しく有り続けられるというのなら、父の言葉を信じよう。

 銀河の果てにあろうと、世界の外にあろうと、私は探し出す。

「母星に、緑あれ」

 赤く(いろど)られた発射ボタンを押しこむと、激しい震動とともに、途方もない浮遊感に襲われる。じきに軌道に乗ると、モニターが、警報音とともにカウントダウンを始めた。

 そして、数字がゼロになった時、私は、銀河の外へとワープした。




 ――――王妃アヌイが殺されたのは、その、翌日のことだ。

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