表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パラレヌ・ワールド  作者: 羽川明
四章 「五光年先の遊園地」
PR
32/58

その一

「――――カズマさんっ!!」

 翌日の昼休み。弁当を食べ終えたタイミングで、魚々(ぎょぎょ)乃女(のめ)さんが現れた。出入り口の戸を開け放って、古都さんの正面に座る目の前の僕に呼びかけてくる。教室中の男子の視線が背中に突き刺さっていたい。

「魚々乃女さん。……なんか、お久しぶりですね」

「お久しぶりですね、じゃありませんわ!」

 波打つ青い長髪を振り乱し、魚々乃女さんはものすごい剣幕で迫ってくる。走ってきたのか、息が乱れていた。

「どったの?」

 弁当をしまう手を止め、きょとんとした顔になるトモカさん。

「どうしたもこうしたもありません、(わたくし)のお友達の件はどうなったんですの!?」

「……あぁ、アレね」

「そんなことも、ありましたね」

 二人して目をそらし、机の下から上履きで僕の足をつんつんつついてくる。

 ……僕に相手をしろと?

「忘れたわけじゃ、ありませんわよね?」

 一番近くにいるということもあってか、前かがみになってのぞきこんでくる、というか睨みつけてくる魚々乃女さん。髪から漂う海の香りで、心臓の鼓動(こどう)が早まる。

「まっ、まさか。ほら、僕たちがいるじゃないですか……」

「ギョギョッ!?」

 苦しい言いわけかと思いきや、魚々乃女さんは意表を突かれたように目を見開き、顔を赤らめてそっぽを向いてしまった。

「……そ、それも、そうですわね。(わたくし)としたことが……」

 恥ずかしそうに膝をすり合わせ、もじもじする魚々乃女さん。

「いった!」

 首をかしげていると、二人からすねを蹴られた。

「なんですかっ」

「ナンでもない」

「なんでもありません」

 古都さんもトモカさんも、なぜか不機嫌そうだった。

「…………なんなんだよいったい」

「それはそうと、当たったんですの!」

「ナニが?」

「遊園地っ! ――――せっかくですので、今度の三連休、皆さんで行きましょう!!」

 そう言って、魚々乃女さんは二人組ペアチケット計三枚を、机に叩きつけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ