ステータス確認とハーフエルフ
・・・・・・
あれ?ここは?
暗いな・・・
目を開けても真っ暗だ。
体も何かで縛られてるのか?
「ようやく起きたかね、世界でただ一人の異能者君」
誰だ?
どうやら俺は喋れないように何かの器具が付けられているようだ。
すると目隠しを取られたのか視覚が戻る。
「おぉっと、口の拘束具は外せないよ、異能を使われるからね」
目の前には白衣を着た男が数人、俺に話しかけた白衣の老人は一人。
そして周りを見ると分かる。
理科室にあるような実験器具が何個かある。
他には俺には使用目的が分からないが大きな機械から小さな機械がたくさん置いてある。
どうやら何処かの実験施設ようだな。
確か俺は・・・そうだ!!
異能軍を全滅させたんだ!!
その後に魔族を殺して・・・
体力が無くなった俺はその場で寝たんだよな。
でも、なんで俺はここにいるんだ?
「君は僕達の実験体だからね、日本政府から依頼されたんだよ、異能者を量産する方法を見つけて欲しいってね、異能があれば銃弾も効かないし人を簡単に殺すことも出来る、そうすれば最強の軍団が・・・」
あー、はい。
あれですね、異能者を作って他国に戦争仕掛けようとしてる訳ですね。
まぁ、防壁があれば銃弾も効かないしやろうと思えばミサイルだって壊せる。
だから実験体として俺を捕まえた訳か。
とりあえずこの拘束具が邪魔だな。
「ふふふっ、その拘束具が何百キロの衝撃に耐えたか知ってますか?それは「よし、取れた」」
結構力入れないと壊れないとはこの拘束具硬いな・・・
でも、取れたから結果オーライだな。
「は、博士!!アイツどうなってるんですか!!」
「あれにはどれだけ金を掛けたと思ってるんだ!!化け物か!!」
「異能者を解き放ってしまった・・・逃げないと!!」
何か俺が化け物扱いになってるな・・・
「あったあった、俺のスマホ、それと石ころもあるし愚者の書もあるな」
実験材料としてテーブルに置かれている所持品を持って適当に裁縫で服を作り、準備を整える。
「しかし、この調子だと日本政府は腐ってるっぽいな」
まさか人体実験までに手を出すとはな・・・
となればさっさと異世界行くか。
『ティア、ミーシャ、聞こえるか?』
『アシュレイ様!!今どこですか!?』
『あぁ、どっかの研究所にいる。お前らは何処にいる?』
『今は、お義父さまとお義母さまの好意でアシュレイ様の家にいます』
『わかった、じゃあ今から行く』
俺の家・・・確か異世界に行ってから戻ってないな。
研究所から資料や手紙など色んなものを持って転移を使う。
「転移」
◆◇◆自宅・リビング◆◇◆
「よっと、ただいまーってあれ?」
自宅のリビングに飛ぶと母さんと親父の他に何人かの見慣れない人がいた。
テレビで使うようなデカいカメラを持った人がいればマイクみたいなのを持ってる人もいる。
俺の転移を見て警戒しているようだ。
「親父、この人達は?」
「ってか零、お前この三日間どこ行ってたんだよ!!」
「何かさー、異能軍全滅させるのに二日ぐらい掛かって気が付いたら誘拐されてて大変だったよ。それで今帰ってきたところ、それでこの人達は?」
俺が聞くと親父は「誘拐って大事件だろ・・・」と言ってため息を吐いた。
「この人達はテレビ局のスタッフだよ、お前の好きな動物番組のところだ」
「え!?マジで!?いつも見てます!!応援してます!!」
俺がスタッフにそう言うと「なんだ、普通の子供じゃないか」と、言って警戒を解いてくれた。
「あ、あの芦屋さん、この人が・・・」
「さっき話した俺の息子だ」
「やっぱり!!インタビュー良いですか!!」
「え?インタビュー?なんで?」
「異能軍から日本、いえ世界を救ったんですから当然ですよ!!」
「悪いんですが、ちょっと誘拐されててこの三日間なにも飲まず食わずなんで、食べ物食ってからでいいですか?」
俺はそう言うとテレビ局の人は「どうぞ!!待ってますので!!」と言っれくれた。
てっきりそんな暇ないと言われるもんだと思っていたが、どうやら俺が怒って異能を使う事を恐れているようだ。
食事を終えてインタビューに答えていると二階からミーシャとティアが降りてくる。
「ちょ、ミーシャさん、ダメですよ、今はお客さんがいるんですから!!」
「ぱぱがいる」
「え!?本当ですか!?」
俺は椅子を立ち、ミーシャとティアの方へ行く。
「ただいま、遅くなって悪かったな」
「ぱぱー」
「ちょ、ミーシャさん抜け駆けはズルい!!」
飛び込んでくるのをキャッチして優しく抱き締める。
「あ、あの芦屋さん、子供は一人だって・・・」
「あの子達は零の嫁候補らしい、可愛かったからうちで引き取った」
「流石に異能軍を全滅させるとあんな可愛い子が着いてくるんですね・・・」
スタッフが羨ましそうな顔で見てくるが、インタビューに戻る。
「それで零君、さっき誘拐と言っていましたがどういう事ですか?」
「あぁ、日本政府からの依頼で俺を人体実験に使おうとしてたんですよ、これが研究所にあった資料です」
俺は研究所から奪いまくった資料や手紙をテーブルに置く。
重要なのがどれなのか知らないが、その辺は調べてくれるだろう。
「こ、これは!!」
「じゃあ親父、俺はまた行方不明になるから後はよろしく」
「え?」
これで親父と母さんには被害が行かないだろう。
あとは俺が異世界に行くだけでいいからな。
「ミーシャ、ティア、帰るぞー」
「はい!!」
「うん!!」
俺は二階の自分の部屋に戻ってスキルを確認する。
【人探しできちゃう石ころ】
【スキル一覧】
【ウォーター】
【ウォーターII】
【ウォーターIII】
【ウォーターIV】
【ウォーターV】
【ウォーターVI】
【ウォーターVII】
【ウォーターVIII】
【ウォーターIX】
【ウォーターX】
【水圧】
【調合】
【毒属性】
【猛毒属性】
【骨合成】
【素材鑑定】
【ファイヤ】
【ファイヤII】
【ファイヤIII】
【ファイアIV】
【ファイアV】
【ファイアVI】
【ファイアVII】
【ファイアVIII】
【ファイアIX】
【ファイアX】
【ロック】
【ロックII】
【ロックIII】
【ロックIV】
【ロックV】
【ロックVI】
【ロックVII】
【ロックVIII】
【ロックIX】
【ロックX】
【念動力】
【鍛冶】
【鍛冶II】
【鍛冶III】
【鍛冶IV】
【裁縫】
【裁縫II】
【召喚】
【ボイスレコーダー】
【LEDライト】
【ホカホカ】
【ヒエヒエ】
【映像化】
【GPSマップ】
【生命探知】
【転移】
【拘束】
【材質変化】
【防壁】
【完全防壁】
【守護防壁】
【エア】
【エアII】
【エアIII】
【エアIV】
【エアV】
【エアVI】
【エアVII】
【エアVIII】
【エアIX】
【エアX】
【サンダーランス】
【サンダーランスII】
【サンダーランスIII】
【サンダーランスIV】
【サンダーランスV】
【サンダーランスVI】
【サンダーランスVII】
【サンダーランスVIII】
【サンダーランスIX】
【サンダーランスX】
【サンダー】
【サンダーII】
【サンダーIII】
【サンダーIV】
【サンダーV】
【サンダーVI】
【サンダーVII】
【サンダーVIII】
【サンダーIX】
【サンダーX】
【フリーズ】
【フリーズII】
【フリーズIII】
【フリーズIV】
【フリーズV】
【フリーズVI】
【フリーズVII】
【フリーズIX】
【フリーズX】
【マナドレイン】
【マナドレインII】
【マナドレインIII】
【マナドレインIV】
【マナドレインV】
【マナドレインVI】
【マナドレインVII】
【マナドレインVIII】
【マナドレインIX】
【マナドレインX】
【空間支配】
【フリーズランス】
【フリーズランスII】
【フリーズランスIII】
【フリーズランスIV】
【フリーズランスV】
【フリーズランスVI】
【フリーズランスVIII】
【フリーズランスIX】
【フリーズランスX】
統合しますか?
「うわー、多過ぎて確認しにくすぎだろ、とりあえず【統合】してみるか」
【人探しできちゃう石ころ】
【スキル一覧】
【火魔法の極み】
【水魔法の極み】
【風魔法の極み】
【土魔法の極み】
【雷魔法の極み】
【氷魔法の極み】
【マナドレインの極み】
【水圧】
【調合】
【毒属性】
【猛毒属性】
【骨合成】
【素材鑑定】
【念動力】
【鍛冶】
【鍛冶II】
【鍛冶III】
【鍛冶IV】
【裁縫】
【裁縫II】
【召喚】
【ボイスレコーダー】
【LEDライト】
【ホカホカ】
【ヒエヒエ】
【映像化】
【GPSマップ】
【生命探知】
【転移】
【拘束】
【材質変化】
【防壁】
【完全防壁】
【守護防壁】
【空間支配】
「まだ多いがこれ以上はしょうが無い・・・」
次に俺のステータスを確認するか。
【アシュレイ】
【人族(笑)】
【Lv.72(ロック)】
【ジョブ・石ころ投げる人】
【jobLv.83】
【スキルポイント2490】
【生命力・B】
【攻撃力・B】
【防御力・B】
【魔法力・B】
【精神力・A】
【俊敏力・A】
【魔力14561084/14561084】
【スキル一覧】
【ロックショット(笑)】
【植物喰らい】
【スキル共有(石ころ固定使用)】
【痛覚耐性V】
【疲労耐性V】
【愚者の書】
【タイムリープ】
【深まり合う絆】
【大いなる支配】
【ギフト】
【パートナー】
【オッサンの加護】
【アシュレイ】
【ミーシャ】
【ティア】
「おいおい、愚者の書がまた増えてるじゃねぇか」
愚者の書を開き、どこのページが増えたか確認する。
増えたのは下に4と書いてあるページだ。
上には【エンペラー】と書いてある。
「えっと【大いなる支配】?」
【大いなる支配】
【自分より弱い者を支配することが出来る、支配された者には魔法を授けられる、しかしそのほとんどが基礎魔法である、珍しい魔法が授けられる者もいる。支配下における人数は限りがある】
「なるほど、あの魔族から手に入れたんだな」
異能軍を全滅させた後に出てきた魔族を思い出す。
おそらく倒した後で光る玉が出てきて愚者の書に入ったのだろう。
しかし、ミーシャとティアがいるからあまり使うことがないと思う。
よし、次だ、次。
【ミーシャ】
【獣人】
【Lv.22(ロック)】
【生命力・B】
【攻撃力・B】
【防御力・B】
【魔法力・B】
【精神力・A】
【俊敏力・A】
【魔力600/600】
【スキル一覧】
【リセット】
【人間語】
【魔物語】
【剣術】
【剣術II】
【剣術III】
【剣術IV】
【野生】
【生肉耐性】
【体術】
【弓術】
【槍術】
【ギフト】
【女神の加護】
【戦乙女】
ギフトが増えてるし・・・
まぁ、ミーシャ達からしたらここは異世界だし、そう考えるとあってもおかしくないな。
じゃあティアも見とくか。
【ティア】
【ハーフエルフ】
【Lv.20(ロック)】
【治癒魔法士】
【jobLv.30】
【スキルポイント600】
【生命力・B】
【攻撃力・B】
【防御力・B】
【魔法力・B】
【精神力・A】
【俊敏力・A】
【魔力1250/1250】
【スキル一覧】
【精霊魔法】
【治癒】
【治癒II】
【治癒III】
【リフレッシュ】
【浄化】
【クリーン】
【クリーンII】
【癒しの結界】
【ギフト】
【女神の加護】
【賢者】
賢者って・・・
にしても回復系のスキル多いなー。
優しいティアらしいけどな。
・・・ってあれ?
ハーフエルフ?
人族じゃないの?
でもハーフって事はエルフと人族の間に生まれた子供って事か?
確かエルフってクラスメイトの知識が正しければ、森に住んでる狩人で、寿命が長くて金髪青目の美人って奴だろ?
そして耳が尖ってるって言う。
確かにティアは将来美人になりそうだけど、金髪じゃなく青髪だ。
目は透き通った空色だが、耳が尖っている訳でもない。
とりあえず聞いてみるの限るか。
「ティア、父親か母親のどっちかってエルフだったりする?」
そう聞くとティアは俺の顔を見て絶望したような顔で震え出した。
「どうした?ティア」
「アシュレイ様、どう・・・して」
「現状確認したらティアの種族がハーフエルフになってたからなんだが・・・」
「!!」
明らかに様子がおかしい。
目の前に死が迫っている時にする様な顔をしている。
手を差し伸べようとした瞬間、ティアはその場で力なく座り込んだ。
「戻りたくない・・・」
「ティア?」
「あそこに戻るくらいなら・・・」
ティアは護身用に持たせていたナイフを取り出し、自分の首に向かって刺そうとした!!
「ティア!!」
俺はナイフを素手て掴み、奪い取った。
その反動でティアの上に被さり、押し倒した形になった。
手からは血が出てくる。しかし、俺の事などはどうでもいい。
ティアを落ち着かせなければ!!
「売られるのは嫌ァ!!」
「ティア!!大丈夫だ!!何があった!!」
「怖いよ・・・お父さん、お母さん・・・」
ダメだ、聞こえてないみたいだ。
ティアは暴れるが、この状態のティアを離すわけにはいかない。
腕を手で抑えてティアに必死に呼び掛ける。
けれどティアは泣き止まず、ずっと「暗い」とか「冷たい」等の言葉を口のしている。
ミーシャには部屋の外で待機していてとだけ言っておく。
ティアはいきなりどうしたって言うんだ・・・
こんな時にティアを沈める方法は・・・
恐怖の感情に勝るような事をすればいいのだが、何をすればいいんだ!!
『それで・・・アシュレイ様、幸せにしたいって言っれくれましたよね?』
『私は今、とっても幸せなんですよ?』
『だって、大好きな人と一緒にいられるんですから』
ふと頭に浮かぶその言葉で俺は一つの勇気を出す事にした。
男としてヘタレな俺の最大の勇気。
「ティア、少し強引だが我慢してくれ!!」
そう言って俺はティアのピンク色の小さな唇に自分の唇を合わせた。
口付けの仕方など分からない。
けれどティアの事を守りたい、それは今確かに分かっている事だ。
口付けを終えて、ティアの顔を見ると俺の行動に驚いている様子だった。
「アシュレイ・・・様?」
「落ち着いたみたいだな」
突然のキスに驚いて落ち着いたようだ。
これもショック療法に入るのかな?
俺はティアが落ち着いたのを確認すると現代風に言う床ドンをしていることに気付き、すぐに退こうとする。
腕の拘束を解き、ティアから離れようとする。
するとティアは俺の背中に手を回して、俺の胸に顔を埋める。
「ティア?」
「少し、もう少しだけこのままにさせて下さい・・・」
「・・・」
ティアの声が震えている、おそらく泣いているのだろう。
何があったかは知らない。
ティアには何か秘密があるのだろうが、俺はティアから言うまで何も聞かない。
けれどティアがここまで怯えるまでに何かがあったのだ。
しかし今はティアが完全に落ち着くまで寄り添うとするか。
俺は無言でティアの頭を優しく撫でた。
泣き止むまで撫で続けた。
ティアがヒロインになってる気が・・・