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異能軍地獄

「くそっ!!総理!!お逃げ下さい!!」


部屋に響き渡る銃声。


「防壁を構えろ」

「「「防壁」」」

「砲撃隊、撃て」


ドガーーーン


その日、日本という国が異能軍によって攻め落とされた。


「次は日本中にいる無能者共を・・・」


◆◇◆体育館◆◇◆


昨日は隊長から「別にすぐじゃなくていいから、その子達のそばに居てやれ」と言われたので一日休息にした。

まぁ、物資の足りているから良いかと思い、ミーシャとティアと遊んでやる事にした。

そして現在、朝なのだが・・・


「・・・なんでまた、俺の布団に・・・」


ミーシャとティアが相変わらず、俺の布団に潜り込んでいる。

通りすがる人は「若いわねぇ」とか「俺は妻にもしてもらえないのに・・・」などと言ってくる。


正直どうしようか考えていると、学校の敷地外から生命探知に二十人が引っ掛かった。


「・・・二十人、多いな」


俺はティアとミーシャを起こさないように布団から抜けて、体育館を出た。


◆◇◆校門前◆◇◆


校門前に仁王立ちして、敵を待つ。

すると四方八方から突然異能が飛んできた。


「【完全防壁】」


俺は完全防壁を使う。

完全防壁とは、防壁を何個か奪ったら手に入れた上位互換みたいなやつだ。

効果は自分を囲うように、防壁を発動するというもの。


「な!!アイツ異能を使えるぞ!!」

「大丈夫だ!!アイツの異能は【防壁】だ!!」


そんな声が聞こえると、ぞろぞろと異能軍が姿を現す。

それと同時に先程の異能の音で体育館から野次馬が出てくる。


「うわ!!異能軍があんなに!!」

「なんでいきなり!!」

「女性を避難させろ!!」


騒いで女性達を避難させ、体育館から戦おうと鉄パイプや棒を持った男達が出てくる。

そんな様子をみた異能軍がニヤニヤしている。

絶対的に勝てる自信があるようだ。


「いいか無能者共!!日本はな、異能軍の手に落ちたんだよ!!」

「だから、お前達は奴隷として飼われることになる!!」

「どーせ、女も捕まるんだから逃がしても無駄だ」


え?日本制圧されたの?

戦争終了?

まぁ、戦争終わってもスキル欲しいから俺は戦うけど。


「てめぇの力は防壁みたいだから教えてやる、防壁は耐久値ってのがあってな、ずっと攻撃しまくると壊れるんだよ」

「へー、防壁ってそうだったのか」

「新政府が生まれたんだよ!!お前らが篭城しても食料がいつか尽きる、その前に負けを認めるのをオススメするぜ」


確かに篭城しても食料が尽きて俺達に勝ち目ないな。

でも、食料・・・コイツら持ってそうだな。


「なぁ、お前達は食料持ってるのか?」

「何言ってんだ?篭城しても俺達の異能ですぐに片付くから持って来て無いぜ?」


ちっ、持ってないか。

さっさとスキル奪って県庁行くか。


「もう、無駄話は終わりだ!!しね!!【サンダー】」

「【サンダー】」

「【ウォーター】」


次々と異能を発動させるが、珍しいのは無いな。

とりあえず貰っていく。


「腹減ったな、ハンバーガーでも食うか【物資変換】」


珍しいの一つだけあったな・・・

魔法陣に石ころを即座に当て、奪う。

物資変換って確か、価値のある物を何でも好きな物資に変えられる能力だったな。

五百円玉を持っていた所から、日本円で変換しているそうだが価値のあるものならなんでも大丈夫だ。

王国には【物資変換】が使えるのは一人いるそうだが、戦争の時に凄く役立ってるらしい。


「皆さん、もう大丈夫です」


俺が後ろで待機している男達に声をかける。

そう、もう全員分の異能を奪ったのだ。


「よし!!行くぞ!!」

「「「おおおおぉぉぉ!!」」」


異能軍に向かっていく男達。

異能軍は相変わらず余裕そうにニヤニヤしている。


「ふっ、馬鹿か?エア・・・あれ?」


そして、異能が使えなくなっているのに気付き、顔から血の気がなくなる。

その後は簡単に捕まえられた。

しかし、日本は制圧されたのか。

どうしようか・・・


とりあえず物資の心配は俺がいる限り心配無いし、体育館に戻るか。


◆◇◆体育館◆◇◆


隊長に日本が異能軍に落とされた事を話すととても悩んでいる様子だった。

これからどうするか、などの不安の声が上がっている。

その頃、俺は物資を作ろう作業している最中だ。

別にお金を貰って物資に変換してもいいのだが、それより良い方法がある。

必要な日常用品と食料を聞いて俺は校庭に出る。


「【骨合成】を行使」


だいたい大きさはミカンのダンボールぐらい。

骨合成で骨を完成させたら次は・・・


「【材質変換】を行使」


材質変換で骨を変える。

何に?それは・・・


「零、ここにいたのか・・・って何だこれ!?」

「純金だ、親父、運ぶの手伝えよな」


そう、骨を大量の純金にする。

そして最後は簡単。


「【物資変換】を行使、よし、出来た。じゃあ運ぶの手伝ってくれ」


そう、【物資変換】は価値のあるものならなんでも出来る。

異世界では金は多く取れるが日本では希少なもの、【物資変換】を使ってもまだほとんど純金が残っている。

また必要な物があったら純金を変えるか。

これで物資の問題は俺がいればどうにかなるだろう。

けれど異能軍を止めなければこの状態は続く。


「物資はどうにかなるけど、異能軍がなぁ・・・」

「零、なんの話してんだ?」


俺が運びながら呟くと親父が話しかけてくる。


「異能軍って世界の人口の半分なんだよな?」

「あぁ、そうだ」

「俺一人で対処はキツいなーって思ってさ」

「零、何もお前一人に戦えとは誰も言っていないぞ?」

「だとしても、異能を消せるのは俺だけだと思うし・・・」


相手の魔法を消す魔法なんて異世界では聞いたこともない。

そんな馬鹿げたことが出来るのは詳細が不明の愚者の書ぐらいだ。


「そうだな・・・お前が何人もいれば話は別だが・・・」

「だよな、まぁちょっとずつ片付けるしかないな」


そう言いながら、俺は物資を運び終えて休憩に入る。


「うーん、やっぱり行くか」

「ぱぱー、どこいくのー?」


俺が休憩しているところにミーシャが来る。


「異能軍がいるところだったか?そこに乗り込むんだよ」

「ぱぱ、たいへん?」

「まぁ、疲れるだろうな」

「じゃあ、みーしゃもいく!!」

「ミーシャ、遊びじゃないんだが・・・」

「ぱぱといくの!!」

「・・・わかったよ、じゃあ行こうか、ティアは異能軍が来ても倒せるように留守番を頼むか」


そうして、県庁に乗り込むための準備が始まった。

と、言ってもすぐに帰れるから準備するものがあまり無いんだけどな。


◆◇◆県庁◆◇◆


「ついたー」

「着いたな、走って十分で着くとは思わなかったが・・・」


俊敏力Aを侮ってたな。

さっそく乗り込むか・・・


「お前、見ない顔だな」

「あぁ、お前ら異能軍の敵だからな」


入ろうとした時に門番に話し掛けられる。

俺はスキル目当てで来たんだ、それには異能を使ってもらわないと奪えない。

なので敵、と名乗ってしまった方がいいだろう。


「敵?」

「あぁ、こういう事だ」


俺は軽く異能軍を突き飛ばして入口に激突させる。

入口は破壊され、十メートルは吹っ飛ぶ。

生きている・・・はず。


「なんだ!!何が起こった!!」

「何者か知らんが、今コイツを攻撃したのはお前らしいな」

「皆!!殺っちまえ!!」

「俺は上に行って報告してきます!!」


はいはい、スキルありがとうございます。

にしても数多いなー。

しばらく掛かりそうだ。


◆◇◆三十分後◆◇◆


異能軍のスキルを奪ったあと、奪った奴を奪ってない奴の判別が面倒だったから殴って気絶させ判別した。

奪っても奪っても上の階からうじゃうじゃ出てくる。

それを続ける事三十分。


「お、お、お前!!僕の部下達をどうした!!」

「やかましい」

「ゴフッ」


今のが一番強い奴か、一番強いだけあって【空間支配】なんてスキル持ってたな。

空間支配は一定範囲内の仲間のステータスをあげる魔法だったな。

それと同時に敵のステータスも下げられるから面倒臭いスキルだ。


「とりあえず、ここは全部終わりかな?一応スキル確認しとくか」


【人探しできちゃう石ころ】


【スキル一覧】

【ウォーター】

【ウォーターII】

【ウォーターIII】

【ウォーターIV】

【水圧】

【調合】

【毒属性】

【猛毒属性】

【骨合成】

【素材鑑定】

【ファイヤ】

【ファイヤII】

【ファイヤIII】

【ファイアIV】

【ファイアV】

【ロック】

【ロックII】

【ロックIII】

【ロックIV】

【念動力】

【鍛冶】

【鍛冶II】

【鍛冶III】

【鍛冶IV】

【裁縫】

【裁縫II】

【召喚】

【ボイスレコーダー】

【LEDライト】

【ホカホカ】

【ヒエヒエ】

【映像化】

【GPSマップ】

【生命探知】

【転移】

【拘束】

【材質変化】

【防壁】

【完全防壁】

【守護防壁】

【エア】

【エアII】

【エアIII】

【エアIV】

【サンダーランス】

【サンダー】

【サンダーII】

【サンダーIII】

【フリーズ】

【フリーズII】

【フリーズIII】

【マナドレイン】

【空間支配】


「増えたなースキル、じゃあミーシャ、帰るか」

「うん!!」

「結局ミーシャは暇になっちゃったな」


俺は県庁の外に出てミーシャと転移で帰ろうとする。

すると・・・


「逃がさないよ!!」


どこからとも無く声が聞こえる。

そして、転移の魔法陣らしきものが俺たちの周りに現れる。

一つじゃない、見渡す限り魔法陣が広がっておりその数は知れない。

魔法陣から現れたのは・・・外国人だ、しかしその人達の様子は何かがおかしい。

何故か興奮状態で、こちらを見ると魔法を放ってくる。

まるで自我が無い魔物のようだ。



「異能軍かよ!!」


次々と放ってくる異能を一つずつ奪う。

しかし、四方八方から流れ込む。

全てを対処しきれない。

けれどさっきの声の主がこの人達を召喚したのだろう。

だとしたらあの声の主を倒せば・・・


「完全防壁!!」


俺は完全防壁を使い、ミーシャを守りながら石ころでスキルを奪う。

俺の完全防壁はレベル一の人間が使った防壁とは耐久度が違う。

けれど、魔法の数が多すぎて捌ききれない。

このままだと、完全防壁は壊れるだろう。

完全防壁が壊れるまでにコイツらの異能を全て奪えれば俺の勝ちとなる訳だ。


「これは数が多過ぎるだろ!!」


けど耐え切ってやる、それでこの人達をここへ呼び出した野郎をぶっ飛ばしてやる!!

おそらく世界の人口の半分が召喚され続けているのだろう。

だとすると隣の県ぐらいまでギュウギュウ詰めになってるはずだ。

そうなると、体育館の方にもいるはず・・・


「ミーシャ、体育館で皆を守っれくれ!!転移!!」


ミーシャを送って安全を確保。


「さぁ、異能軍。こいよ!!」


それからが地獄だった。

異能を奪うと何故か意識を失うので、転移で飛ばす。

飛ばすことが出来る場所は一度行ったことのある場所だけなので、とりあえず県庁の中に飛ばした。

魔力が多いと言っても流石にこの量は無理があるので念話でティアとミーシャ魔力を貰いながら異能軍のスキルを奪う。

途中で県庁内部にいた誰かのスキル【マナドレイン】を使う。


マナドレインは相手の魔力を奪うスキルだ。

回復出来る魔力は相手から奪った魔力の十分の一だ。

敵はレベル一なので少ししか奪えないが、それでも続けていく。

途中で使いまくって【マナドレインII】を覚えてから九分の一の量回復出来るようになり、どんどん使っていく。


さらにマナドレインはレベルが上がっていき、最終的には【マナドレインX】になって奪った魔力の量がそのまま回復量になった。


途中で何度か完全防壁が破壊されたが、その時にレベルが上がりまくった【エアX】を使ったら周りに巨大な竜巻が出来て人が飛ばされまくりなんとか乗り切った。


そして完全防壁を使い、再び作業の繰り返し。

何時間たっても疲れを知らないのかドンドン向かってくる。

寝たら死ぬのは確実、それを分かっているので寝れない。

それから二日ぐらい朝昼問わず相手をしまくった。

途中で県庁の方に飛ばしてた異能軍が溢れたのでまとめて以前家族で行った海外旅行のところを思い出し、そこへ飛ばす。


そしてーー


「はぁはぁ、これで・・・終わりか!!」


二日目の夕方ぐらいに全員倒し終える。


「お、終わった・・・」


ようやく終わり、体を休めるためにその場で横になる。

すると浮いている人の姿が見えた。


「いやぁ、やるねぇ。僕が寝てる間にも戦っているなんて・・・」

「・・・」

「僕は魔王様の眷属の一人、つまり魔フゴォ!!」


何かムカついたので鼻に石ころを当てて骨をへし折る。


「な、何するんだ!!鼻血が・・・」

「お前か・・・」

「え?」

「お前がコイツら召喚したのか?」

「ふっ、そう!!僕の能力は支配下にいる存在にスキルを与えて場合によっては操る事もぐげぇ!!」

「ようするにお前がやったんだな?」


腹に石ころをぶち当てる。


「お前、魔族だよな?」

「そ、そうだ!!魔王様の眷属で「よかった」え?」

「魔族なら・・・殺しても構わないよな、俺さぁ、今ひじょ〜にストレスが溜まってるんだ」

「え、え、ちょっ、ま」

「死ね」


その日、異能軍は一人の少年によって壊滅された。

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