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公女クラリーチェの片想い遍歴

短いです。

いつも短いですけどね。


海の国(マゼッティ公国)の公女クラリーチェは双子のお姉さんでしっかり者(本人談)。

弟である末公子エルネストはクラリーチェの後を着いてくる甘えん坊さん(クラリーチェ談)。


彼女の初恋は兄である第一公子コラード。

実の兄とはいえ十近く離れている上に将来の大公として勉学に忙しい彼に、初めて会ったのはクラリーチェが五歳の頃(と本人は思っている)。優しくて笑顔がキラキラしていて、まるでお伽噺に出てくる王子さまのようだと思ったのだ。その通り王子なのだが。

しかし、程なくして第一公子コラードには仲の良い婚約者がいることが分かると、彼女は泣く泣く諦めたのだった。


実際は次の相手を見つけただけだったが。

相手は第二公子ベルナルド。コラードに失恋して泣き喚いて癇癪を起こしている彼女を慰めてくれたのだ。

明るくて一緒に遊んでくれる彼をクラリーチェは一編で好きになった。

だけど、勿論彼にも失恋してしまう。

兄たからだ。

(じゃあ、コラード(お兄ちゃま)の時に言ってよ!!)とクラリーチェは癇癪を爆発させた。


次の相手はベルナルドの友達(取り巻きの)一人、アルフォンソ。

兄達とは違う冷たい美しさに、ぽーっとなった。

何より彼はクラリーチェをレディとして扱ってくれた。どちらも子供ですが。

しかし、それが宰相の息子としての義務からきているのだと知り、悲しみに暮れる。


そんな時、黙ってクラリーチェの横に居てくれたのはベルナルドの友達のフィリッポ。

何だか最近癇癪が激しいクラリーチェを心配したベルナルドが見守ってくれるよう、彼に頼んでいたのだ。

失恋続きのクラリーチェには彼との間に横たわる沈黙が温かく感じられ、穏やかな時間を過ごせた。

しかし。

失恋の傷が癒えるとその穏やかな沈黙は苦痛に変わる。

クラリーチェはまだまだ遊びたいのだ。お転婆なお子ちゃまなので。



幾つか年が上がって家庭教師が付けば彼に。

街にお忍びで繰り出す時に護衛の騎士が付けば彼に。

美味しい料理を出すコックに、美しい花を咲かせる庭師に。

クラリーチェとエルネストの誕生会に出席した貴族の少年に。

仲良くなった友達のお兄さまに。

ベルナルドの友達で、買い物に行けば喜び微笑み面白い話を聞かせてくれるティノに。

隣の国から来た留学生(最近、皇太子だと判明!)に。



クラリーチェは恋をして、失恋をして、恋をした。






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