表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生って楽勝だと思ってました。  作者: 藤次郎
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/309

第七十二話「楽勝を奪われたとしたなら……中編」

《――主人公に対し攻撃の意思を見せたマリーン


だが、突如として彼女は苦しみ始め――》


………


……



「うぐっ!! ……があああああぁっ!!! ……」


「……マリーンッ!!!

くそッ!! ……マリーンに何をしたッ?! 」


「ん? ……このむすめは半魔族だったのでな

少々、魔族の“色”を強める薬を打っただけだ。


急ごしらえだが……満身創痍まんしんそういの貴様らでは倒せまい。


特に、貴様の様に“魔導にかたよった”ガキではなッ!


さて……“そろそろ”か」


《――そう言うと

なおも苦しみもだえるマリーンへと視線を移した所長

直後、マリーンを黒いまゆが包んだ――


漆黒の肌……むらさきの瞳

みずからの体をおおい隠せる程の巨大な翼


――彼女は

“魔族”と見紛みまがう程の変貌へんぼうげた――》


………


……



「……ほう、なかなか美しい姿に変化する物だ。


急ごしらえとは言え中々使えるやも知れんな?

よし、実験体Mよ……ずは小手調べだ。


……D.E.E.Nシリーズを全員捕縛しろ」


「了解……優先対象変更

D.E.E.Nシリーズ、捕縛します――」


《――直後

瞬時にディーン・タニアの両名を捕縛したマリーン。


そして――》


………


……



「対象:ギュンター……捕縛します……」


《――“超速移動”を得意とするギュンターですら例外無く

瞬間的とは言え、異次元の加速を見せたマリーンは

ギュンター容易たやすく捕縛した……だが。


一方で、彼女マリーンには

時折ときおり妙な“停止時間”が存在していて――


“チッ! ……調整が足りんか!!

とは言え、このまま待っていれば多少は……”


――そう苛立いらだちをあらわにした所長

そして……完全に魔導を封じられ

立ち上がる事すら危うい状態の中、主人公は――》


「マリーンっ!! ……俺だ!! ……俺達は仲間だろ?!

思い出せっ!!! ……意識を取り戻すんだ!!


……マリーンっ!!!!! 」


《――そう必死に呼び掛けて居た。


だが、そんな彼を鬱陶うっとうしく思ったのか――》


「チッ、うるさいガキだ。


実験体M……そのガキを黙らせろ」


《――そうめいじた


直後……一切の躊躇ためらい無く

主人公に向け致死性の高い攻撃を繰り出したマリーン

これをすんでの所で防ぎ切ったマリア……だが、その衝撃は凄まじく

彼女マリアは弾き飛ばされ――》


………


……



「……ッ!! ……マリーン……さん……ッ!!

流石の私も……怒り……ますよ……ッ!! 」


《――防具を抜け肉体にまで浸透しんとうする程の激しい衝撃


だが……立っているのがやっとの彼女マリア視認しにんしてなお

マリーンは彼女マリアの事を仲間とは認識しておらず――


“マリーン……頼むっ! 俺達の事を思い出してくれ!! ”


――そう必死に呼び掛け続ける主人公の声すらも

届いている様子は無く――》


………


……



「……いくら騒いだ所で無駄だクソガキ。


さて……まとめて始末しても構わんぞ実験体Mよ。


……例の“試験体ネイト”の事もある

無駄に強い“意識”は反逆の芽と成るやもしれんからな?

最悪“血”か“肉”が取れれば十分だ……構わん、やれ」


「了解、目標は主人公……ぐっ?!! 」


「ん? ……どうした? 」


《――直後

再び苦しみ始めたマリーンは

苦痛に顔をゆがめ主人公をにらみつけ――》


「主人……公……」


「そうだマリーン! 俺だ! ……思い出してくれッ!

俺達は仲間だ! 皆で帰ろうッ! ……」


「仲……間……ウグッ!! ……ギャァァァァァァッッ!!


……了解


目標“主人公”――」


「マ、マリーン? ……」


《――直後

強く羽撃はばたいたマリーンは――》


………


……



「――目標達成。


新たな命令まで待機します……」


《――その鋭い爪で

主人公かれの腹部を貫いて居た――》


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!! ……」


《――マリーンの一撃にり、程無くして意識を失った主人公

そんな彼にすがり泣き叫ぶメルの声だけが

この場にむなしく響き渡った……


……この後、幾度と無く治癒魔導をこころ

必死に彼を救おうとし続けたメル……だが

エデンの発動させた装置の効果に打ち消され、それは叶わず

この危機的状況の中、精霊族のベンはメルの元を離れた――》


………


……



「何て……事……を……ッ!!


何て事をするんですかァァァッッ!!! ――」


《――直後

最後の力を振り絞り斧を投げたマリア……だが、斧がマリーンに届く事は無く

全身を襲う痛みに耐えきれずそのまま彼女マリアは意識を失った――》


………


……



「ふっ……恐ろしい程にもろい物だな? お前達の関係性は。

まぁ、そうで無くては此方こちらが困るのだがな……さて、実験体Mよ。


そのみにくい“ハーフ族女”も殺してしまえ……」


「命令を承認しました――」


《――所長の命令に対し

静かにそうこたえると――》


………


……



「――目標:メル

殺害命令を実行します――」


《――メルの眼前に立ちそう発したマリーン


この、冷酷なまでのマリーンの姿に怯えながらも

それでも決して主人公の元から離れようとはしなかったメル……


……直後、彼女メルは激しく地面に叩き付けられた。


彼女メルの身体を激痛と言う言葉では足りぬ程の痛みが襲う


……全ての魔導を封じられて居るこの状況では

永久防護エターナルプロテクト”は最早もはや何の意味も成していなかった。


……だが、そんな常人には耐えられぬ程の痛みを耐え

地をいながら、なおも主人公のそばにあろうとした彼女は

この時、わらにもすがる思いで神に祈りを捧げていた――》


………


……



「お願いっ……しますっ!!


神……様っ!! ……私はどうなっても……構いません……だから

主人公さんを助けて……下さ……いっ……っ!!


マリーンさんを……マリーンさんを止めて下さいっ!!


お願いっ……私に……主人公さんを……救う……力を……っ……」


《――今にも失われそうな意識を必死にたも

少しずつ彼の元へと近づいて居たメル。


その、一方で――》


………


……



「くっ、何を!? ……離れなさいっ!! ……きゃあっ!!? 」


《――少し前

メルの元から飛び去って居た精霊族のベン

彼が危機的状況の中に彼女メルそばを離れた理由わけ……


……無論、逃げ出した訳では無い。


この瞬間、彼は――


そのふところに“装置”を持つ“エデン”へと“特攻”を仕掛けたのだ。


――直後

ベンの活躍により魔導阻害の効果は消滅した……だが。


“装置”を消し飛ばす為……この絶体絶命の状況を打破する為

決して阻害される事の無い“体内での魔導爆発”をもち

刺し違える覚悟で“装置”を破壊した彼は、みずからの命を掛けた

“魔導爆発”にって瀕死の状態におちいって居た。


……だが、そんな状況下にってなお

彼は……メルに対し、この状況を打破する為に必要な

唯一絶対の答えを伝えようとして居た――》


………


……


……


「メルちゃ……ん……君の……中には……オークの……血が


……ぐっ!!! ……流れてるんだ……ッ……!


君の……特別な生まれの……力

固有魔導……を……発現はつげんさせる……んだ……ッ……」


「ベン!? ……分からない……分らないよ!

私に固有魔導なんて……どうやって……」


「……足りないんだっ!!

もっと全てを投げ捨てる覚悟で……ッ!!


祈……るんだっ!!! ……後少しで……君は……うぐぅっ!! ……」


………


……



「ん? ……何をごちゃごちゃと喋っている?

面倒だ……実験体Mよ、ずはその精霊を処理しろ……」


「了解、目標:精霊……」


「駄目えぇぇっっ!!! ……」


《――誰一人として立ち向かえる者の無い中

それでも、命をし……息も絶え絶えに成りながら

必死に彼女メルへ伝えようとした事――


“オークの血”


“特別な生まれの力”


“固有魔導”


――断片的過ぎるこの情報を元に“新たな力”を得る事など

不可能とすら思える程の要求だった。


だが、それでも……メルは決して諦めなかった。


……命令を受け、今にも消えそうなベンの命を

マリーンが刈り取ろうとするその一瞬


彼女メルは……


“全て”を理解した――》


………


……



「マリーンさん……相手は私ですッ!!! 」


《――瞬間

そう呼び掛けた声と共に発せられた凄まじい闘気とうき

ベンを狙うマリーンの手はすんでの所で止まり――》


「対象をメルに変更――」


《――直後

凄まじい勢いでメルに向け突進を繰り出したマリーン


だが――》


………


……



「マリーンさん……私、思い出したんです。


少し前に、主人公さんがお話に成られた事を……主人公さんが


“固有魔導を習得”された時のお話を――」


―――


――



「あのっ! ……主人公さんの固有魔導って凄い能力ですけど

一体どうやって習得したんですか?


その……私ももっと皆さんのお役に立ちたいので

是非とも“固有魔導習得のコツ”みたいな物を私にも……」


「……えっ?

メルはそのままでも別に……ってこれじゃ答えに成ってないか。


でも実際、本当の事を話しても多分

メルの役には立てないと思うんだ……」


「ひ、酷いですっ! 私だって頑張って強く……」


「えっ? ……ち、違う違うッ! そう言う意味じゃなくてッ!!!

何て言うかその……特別な事をしたとかって訳じゃ無くてさ

ただ……必死で“願い続けた”だけなんだ。


“皆を助けられるならば、俺の命すら投げ出しても良い”って。


自分でもびっくりする位本当に“全部”

見事な位……全てを投げ捨てる覚悟で祈り続けたんだ。


……そうやって必死で祈った結果

ギリギリの所で固有魔導を“授けられた”だけだから……」


《――そう真剣にかたった主人公


だが、そんな彼に対しマリアは少し意地悪いじわるげで――》


「え~? ……その説明は“臭過クサすぎ”ません?


そもそも、主人公さんって魔導師としての能力値が“規格外”ですし

既に習得してたのを“気が付かなかっただけ”とかじゃないんですか~? 」


「マリアお前……それ、褒めてる様で物凄くけなしてるよな?

って言うか……そもそも“俺の能力”じゃ無いんだってば!


どう説明して良いのか分かんないけどさ……


……天国っぽい所から俺に声を掛けて来た“おっさん”が居て

その“おっさん”が俺に固有魔導として……」


「……ナニソレキモチワルイ」


「っておいッ!!! ……」



――


―――


「……勿論もちろん、私は主人公さんの様に強くないですし

そもそも私は回復術師ヒーラーですから

攻撃系の技が使えない事も良く理解してますし

何よりも……主人公さんや皆さんの優しさで

一緒に旅をさせて貰ってるだけなんだって自分で良く分かってるんです。


きっと、本当はお荷物なんです私……だけど。


……だけどっ!!!


それでも……そんな私でもっ!


皆さんの事が大好きですし……大切なんですっ!

皆さんの事を……何としてもまもりたいんですっ!!!


だから……今だけは私が皆さんをまもるんです。


まもられるだけのメルじゃない……全力の私を見せるんですっ!!!

たとえそれが、主人公さんに嫌われる行為だとしても……


マリーンさんの事を……倒さなきゃいけないとしてもっ!!! 」


《――涙ながらにそうかたったメル。


彼女は……ベンの助言を信じ、理解し

全ての諦めを捨てた先に、特別な固有魔導を手に入れて居た――》


………


……



「ぐ……ガッ……


……サ……殺害……対象:メル

脅威度:最高


全ての命令を破棄し、優先撃破します……」


《――折れた翼から突き出た鈍色にびいろの骨


……瓦礫を押しけ、起き上がりながらそう言うと

固有魔導の効果にり――


“大きく姿の変化した”


――彼女メルにらみつけたマリーン。


マリーンの瞳に映るメルの姿……それは

まごことき“オークの血”を感じさせる物であった。


彼女メル発現はつげんした固有魔導は

彼女に二つ有るルーツの内の一つ――


“オーク族”


――その“始祖しそ”の姿に変化する事


彼女は……グランガルドすらかすむ程の

強靭きょうじんな肉体を手に入れて居た――》


………


……



「……面白いっ!!!


ただのハーフ族と考えていたが……貴様の様な小娘が居たとはな!!

これは研究材料として是非とも手に入れたい!!


何をしているっ?! 早くその娘を捕らえんか馬鹿どもがッ!! 」


《――E.D.E.Nシリーズに対しそう命じた所長。


だが……彼女達は身構えたまま動かなかった。


そして……その“理由わけ”は


直ぐに明らかと成った――》


………


……



「ベン君……君のお陰で私達も全力で戦える様に成った

君のその精神に敬服けいふくすると共に

それを決して無駄にはしないと誓おう……さて、エデン。


もとい……“E.D.E.Nシリーズ”よ

私の妹の姿をした君に一つだけ伝えて置こう。


“すまない”と――」


《――静かにそう言ったディーン

直後――》


………


……



「――固有魔導:地獄之番犬ケルベロス

裁きを与えよッ!! ――」


《――その手から溶け落ちたディーンの愛銃:オルトロスは

三ツ頭をゆうする“漆黒の番犬”へと姿を変えた。


そして――》


「お久しぶりですわね“ワンちゃん達”……っと失礼。


ディーン様……私も補佐を。


――固有魔導:斑黒猫チェシャ

みだして――」


《――瞬間

猫系獣人族と見紛みまがう姿へと変貌をげたタニア


一方、ギュンターは“固有魔導オベリスク”では無く――》


………


……



「流石はお二人で御座います……さて。


私めも久しぶりに“これ”を使用する時が来た様ですな……ただ

あまりにひさしく扱っておりませんので

なまくら”に成っていなければ良いのですがね――」


《――直後

燕尾服えんびふくの下に巻き付けられた“何か”を取り出すと

それを勢い良く振り回したギュンター……


……その手に有ったのは

身のたけ三倍を超える“長剣”で――》


………


……



「――ふむ、切れ味は落ちていない様です。


さて……全力で掛かって頂けますかな?

あまりに不甲斐無い相手では、剣が機嫌を損ねてしまいますので」


《――城壁を両断した後

ダンに向け、そう挑発したギュンター


一方、これに憤慨ふんがいした所長は――》


「チッ! ……E.D.E.Nシリーズよ、先にD.E.E.Nシリーズを倒せ!!


私に歯向かう様な失敗作など殺しても構わんっ!!

万が一にも失敗すれば貴様らも廃棄処分だッ! ……良いな!? 」


《――そう命じたのだった。


一方……“魔導阻害”の効果から逃れたマグノリアは

急ぎ主人公を始めとする重症者達マリア・グランガルド・ベンに対し

彼女マグノリアの固有魔導である“精霊女王之歌声”をもちいた治療を行おうとしていた。


……だが、その反面

彼女は“躊躇ちゅうちょ”をしていた――》


………


……



「くっ……この様に早期に“使い切る”事に成るなんて……」


《――そう言って拳を握りしめたマグノリア


彼女の固有魔導には“デメリット”が存在していた――


“三度を超え歌声をきし者、いわいを失いのろいを得る”


――此処で“使い切る”事に

わずかながら躊躇とまどいを感じていたマグノリア。


出来る事ならば温存しておきたかったのだろう。


だが――》


「皆の戦っている今しか機会チャンスは無い……それに

主人公アナタが死ぬのを見たく無いのですワ。


主人公アナタを失いたく無い……でもこれで

私はもう主人公アナタの助けには成れないのネ……でも。


それでも――


――固有魔導


“精霊女王之歌声ッ!!! ”――」


《――直後


彼女マグノリアは皆に対する最後の治癒を開始した――》


………


……



「うぐっ……ぐはっ!? ……ゲホッゲホッッ!!


リ……リーア? ……み、皆ッ?!


マリーンは!? ……」


《――主人公かれを皮切りに

仲間達が皆、続々と治癒され始めていたその一方……状況を不利と見るや

研究所内部へと退避たいひした所長――》


………


……



「有難うリーア……傷は完全になおった

後は、俺の力で全員助けて……全員倒すッ!! 」


《――そう意気込んだ主人公


だが、そんな彼を慌てた様子で制止したベンは――


“待ってッ! 君は戦っちゃ駄目だっ! ”


――と言った。


だが当然、これに疑問をていした主人公に対し

ベンは続けて――》


「……お願いだから我慢して僕の話を聞いてっ!

もし万が一……“あの姿に成った”マリーンさんを元に戻す方法が無かった時

君の固有魔導以外では彼女を直せないかもしれない。


君の固有魔導は魔導消費がキモでしょ!?

だからお願いッ! ……今は我慢してメルちゃんや皆に任せてっ! 」


《――そうげた後

主人公はベンの意見を受け入れた。


だが、この直後……激しく響いた轟音ごうおん

思わず視線を向けた主人公は――》


「あれは……オーク族? でも、服が……まさかメル?! 」


《――固有魔導を発動し“大きく見た目の変化した”メル

彼の知る、普段の優しくあいらしい姿とは大きく異なるその姿

だが――》


………


……



「主人公さんっ!! ……やっとお目覚めに成ったんですねっ!

あっ、でもえっと……い、今はちょっと……そのっ……


マリーンさんと“女の戦い”って奴を頑張ってるんですっ!!


お、お見苦しい姿をお見せしちゃって……ごめんなさいっ! 」


《――この瞬間

主人公かれに心配を掛けまいと気丈きじょうったメル。


そんな彼女の姿に――》


………


……



(……俺はずっと皆をまもってると思ってた。


けど……実際は

メルに苦労を掛けて気を遣わせて……何やってたんだろう俺。


まもまもるって軽々しく口にしてるクセ

一回もまともにまもれて無いや……不甲斐無いな、俺。


……いや、俺の“不甲斐無さ”は今に始まった事じゃ無いし

そんな事に頭を悩ませて悲劇のヒロイン気取る暇なんか無い。


今、何一つメルの助けに成れない俺が出来る唯一の事は

彼女への“応援”だけだ……


良しッ!! ……)


………


……



「……分かった、今日だけは“女の戦いって奴”に口出ししないよ。


だけどその代わり、解決した後で

“仲直りのジュース”……皆で一緒に飲もうな。


それと……勝った方には

何か欲しい物を一つプレゼント!! 」


《――押し寄せる不安の中

必死に……叫ぶ様にそう伝えた主人公。


メルは――》


「……ハイッ!! 」


《――そう

“満面の笑み”でこたえたのだった――》


………


……



《――その一方

大量の改造兵達を引き連れ、再び一行の元へと現れた所長は――》


「……なっ?!

先程よりも押されているでは無いか馬鹿共がッ!!!

全く……せめて一人位倒せんのかグズ共がッ!!! 」


《――現れるなりそう憤慨ふんがいしていた。


だが、そんな彼に対し――》


「ふむ……何処までも上に立つ者の器では無いな」


「……ええ、主人公さんみたいな“甘々で泣き虫でひ弱な人”でも

此処まで仲間のやる気を下げる事はしませんからね~」


《――と、少しばかり嫌味な口調でそう言った

グランガルドとマリア――》


「ぐっ……貴様らの様な“仲良しこよし”で

こまを失う度に一喜一憂いっきいちゆうする様な者共など

戦場では何の役にも立たんわッ!! 」


「あ~……やっぱりだこの人。


ガルドさん、この人やっぱりアホですね~

こう言う発言が原因で“あんな戦いに成ってる”のとか

まるで見えてないんでしょうね~」


《――そう言ってマリアが目を向けた先には

ディーン隊とE.D.E.Nシリーズの姿があり――》


………


……



「おい姉御ぉ……そろそろ防御も限界だぜ……キッツ……」


「チッ……分かっていますわ!!


ダンッ!! 今ですわッ!!! ……」


「承知ッ!! ――」


《――瞬間

戦艦バジリスクを出現させたダンは

出現と同時に“全弾発射フルバースト”を発動させ

空を埋め尽くす程の砲弾をディーンら目掛け一斉に降り注がせた。


だが――》


よみがえれッ! オベリスクよ!!! ――」


《――瞬間

オベリスクを緊急発動したギュンターだが

直後、黒煙の中に包まれてしまったディーン隊の三人


一方……降り注いだ砲弾にり周囲の地面がえぐられ

其処彼処そこかしこから黒煙の上がる中――》


………


……



「ま、まさか“愛機”を盾にするとは……」


《――薄っすらと見えた人影を確認した瞬間

酷く肩を落としながらそう言ったダン


そして――》


「……ええ、大切な“愛馬”で御座いますので

この様に痛めつけられるのはとても腹立たしい限りで御座います。


ですが……ディーン様やライラ様をおまもり出来るのならば

たとえ大破してしまおうとも……大した損害ではありません。


とは言え……“愛馬”を傷つけた事を許すつもりは御座いませんよ? 」


《――直後

オベリスクの影から現れたギュンターは

冷たい殺気をその身にまとわせながらそう言った。


この後……ディーン隊の三人は、その圧倒的な連携力で

E.D.E.Nシリーズに一切の隙を与える事無く、圧倒的優位に立ち続けていた――》


………


……



「ぐっ……貴様らァァァっ!!

何をチンタラとやっているッ!? ……私に恥をかかせるつもりかッ!! 」


《――そんな彼らの様子に再び激昂げきこうした所長

だが、そんな所長に対し――》


「恥など……吾輩の“生涯の友”は定期的に“かいている”が

少なくとも、それをさげすもうとは……見下そうとは思わぬ。


やはり貴様には人の上に立つ器など有りはしない様だ……」


「だっ……黙れぇぇぇっ!!!


……良いだろう、貴様らのその軽口

何処まで通用するか見せて貰おうではないかッ!!!

改造兵共ッ!! ……全員纏めて掛かれェェェェッッ!!! 」


《――直後

百体を優に超える改造兵達は群がる様に二人グランガルド・マリアへと襲いかかった。


だが……この途轍とてつも無い数の暴力に押されず

襲い来る敵を軽々とぎ倒し続けた二人は

援軍としてこの場に到着したロミエル正規軍をも容易よういに打ち倒し

所長の“手駒”を完全に殲滅せんめつしたのだった――》


………


……



「な……何なんだ貴様らはッ?!


……や、やられてたまるか!!

この程度の事で私の研究者としての人生をッ!!!


……お、おい貴様らッ! それ以上近付くんじゃ無いッ!!

こんな所で殺られる位ならば、貴様ら諸共もろとも巻き添えに

E.D.E.Nシリーズに仕掛けて置いた“呪い”を発動させるぞ!?


わ、分かっているのか!? ……は、発動すれば

この付近一帯は跡形も無く吹き飛ぶのだぞッ?!


い、良いんだなッ?! ……」


《――ひどく興奮した様子で

ふところから何らかの呪具を取り出しそう言った所長。


だが……この瞬間


突如としてその背後に現れた黒い影――》


………


……



「……おやおや、あまりに騒がしいので来てみましたが

とんでも無い騒ぎに成って居ますねぇ? ……」


「なっ?! き、教皇きょうこう様っ?!

ご、ご安心を! もう少しで奴らを! ……」


《――何処からとも無く所長の背後へと現れた


“教皇”……暫くの間

所長の弁明をにこやかな表情で聞き続け――》


「……そうですかそうですか、その様に考えていたとは。


愚かしい――」


《――突如として発せられた凄まじい殺気に

金縛りのごとくに固まった所長


そんな彼の首を静かにねると

E.D.E.Nシリーズに仕込まれていた呪具を完全に解除した。


……この異質な敵におののき慌てて距離を取ったマリアとグランガルド

だが……そんな二人には目もくれず


教皇は既に絶命した所長に向け――》


「――所長殿?


貴方“程度”に道連れにされてはこの国の格が落ちるのですよ

それに貴方は“命に変えて責任を取る”と言った訳ですから……ねぇ? 」


《――と、吐き捨てた直後

所長の全てを魔導で焼き払い――》


………


……



「……さて、貴方達は

人の女性とオーク族のオスですか……良い腕をお持ちです。


ですが、私に勝てますかな? ――」


《――言うや否や

二人の眼前から消えた教皇――》


………


……



「おや? ……遅いですねぇ? 」


《――マリアの背後を取りそう言った教皇


だが、グランガルドの合図に反応し咄嗟とっさに範囲攻撃を繰り出したマリアは

すんでの所で九死に一生を得て居た――》


「……崩壊之斧ッ!!! 」


「おっと、危ない危ない……素晴らしい反応です」


《――この後、熾烈しれつを極めた教皇との戦い。


一瞬たりとも気を抜けない状況の中

互いの背中を守りながら教皇の隙をうかがっていた二人に対し

教皇が笑みを浮かべつつ――


“おやおや、ひどく警戒されている様ですね……”


――そう言うと

グランガルドは――》


「当然だ……貴様の様な“妖術使い”に正面から挑むなど骨頂こっちょう


……マリアよ、気を抜くで無いぞ? 」


「勿論です! ……」


《――圧倒的な実力差に苦しめられて居た二人は

必死にお互いを鼓舞こぶしあい、この戦いに耐えていた。


一方で……なおも暴走を続けるマリーンを

必死に“引き戻そう”として居たメル――》


………


……



「……マリーンさん、思い出してください。


水の都の民達を……


貴女が苦しんだ魔族の血の事を……


私達が大好きな主人公さんの事を……


皆さんとの絆を……


何よりも貴女自身の優しさをっ! ……」


「ギギッ……ガァァァァァァッ!!!

モクヒョウ……ゴロ゛……ス!!! ――」


《――瞬間

メルに対し突進を繰り出したマリーン……だがこれを容易よういに弾き飛ばしたメル。


……固有魔導を発動した彼女メルに取って

暴走状態のマリーンは、すでにさしたる脅威では無くなって居た。


だが……幾度と無く彼女メルに突進を繰り返すマリーンの痛々しい姿は

彼女メルの心を傷付けていた――》


「……マリーンさんがどれだけ私を攻撃しても

もう、全然痛く無いんです……だから、その事を怒ったりもしません。


でも……でもっ!!

マリーンさんのつらそうな姿を見続けるのは……もう、耐えられませんっ!


お願いっ!! ……私達の元に戻って来て下さいっ!!! ……」


《――必死の説得もむなしく

なお彼女メルに向け突進を繰り出し続けたマリーン


それぞれの想いと共に繰り広げられていた戦いの中……


……そんな仲間の姿を

ただ見守る事しか出来ずに居た主人公は――》


………


……



「……マリーン……メル……マリア……ガルドッ!!!


くッ!! ……」


「……待つんだ!!!

気持ちは分かる……だけど動いちゃ駄目だっ!! 」


退いてくれベン!

これ以上このまま“座して待つ”なんて俺にはもう出来ないッ!! ……」


《――既に“限界”を迎えて居た主人公

そんな彼を必死に説得していたベンとマグノリア……だがそんな中


再びメルへと突進を繰り出したマリーンに

突如として、ある“異変”が起きた――》


………


……



「グゥゥッ!! ……ぐっ! ……あああっ!!! 」


《――これまで“薬”の効果に

“魔族”としての側面を強められて居たマリーン。


……だが、突如として

むらさきに染まって居た瞳が彼女マリーン本来の物へと戻り始め――》


「……その……声は……メ……ル……ちゃん……!?

うぐぅぅっ!!! ……」


「?! ……はいっ! メルですっ!


あっちには主人公さんも居ますから!

だから……一緒に“仲直りのジュース”を飲みましょうっ!

それで今回の事は仲直りですっ! だから! ……」


「うぐっ!? ……主人公ッ!!!


あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っっ!! ――」


《――直後

割れんばかりに痛む頭をおさえながら――》


………


……



「こん……な目に……私を……苦しめた……のは……誰ッ!!? 」


《――むらさきに染まった瞳で

自身メルにらみ付けながらそうたずねたマリーンに――》


「そ、それは……マリアさん達と戦っている

“法衣姿”の方が倒した所長って方で……でも、その人は既に……」


「了……解ッッッ!! ――」


《――瞬間


彼女マリーンはメルの眼前から“消え” ――》


「マリーン……さん?


……ッ!? 」


《――直後


衝撃波をとどろかせ、転移と見紛みまがうばかりの速度で

空と地上の“へだく”連続移動を繰り返したマリーン


それは……誰を狙うでも無く

ただひたすらに……その勢いを更に向上させる為だった――》


………


……



「……おやおや?

“あちらさん”はついに狂ってしまった様ですねぇ……可哀想かわいそうに。


さて……此方こちらもそろそろ終わりにしましょうか

“お二人”さん……逃げ回るのも其処までですよ? 」


《――肩一つ揺らさず、息一つ弾ませる事無く

二人に対しそう言った教皇……そんな彼とは対照的に

息を弾ませ肩で息をする様な状況におちいっていた二人。


言うまでも無い“圧倒的不利”


だが――》


………


……



「苦しい……原因……命令……了解ッ!!


教皇……所長……許さない許さない許さない許さ……ない……!


ゆ゛っ゛!! ……


……キ゛ャ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!! 」


《――直後

ロミエル法王国全域に響き渡った超音波の様な――


“悲鳴”


――その“発生源”は

空中でただよう様に静止していたマリーンであった――》


「おや? これは流石に……」


《――その姿を見上げ、静かにそう言い掛けた教皇


だが――》


………


……



「がはッ?! な……に……が……起きたので……す……」


《――口元を血にまみれさせたマリーン


そんな彼女の姿を見上げながらそう言った教皇――》


………


……



「マ、マリーンさん? ……」


《――直後

ひどく怯え、警戒した様な声でそう呼んだマリア


対するマリーンは……教皇の喉笛のどぶえを噛み千切ちぎ

その頭部をかかえたまま虚空こくうを見つめていた――》


………


……



「成程……これだから魔族は……嫌いな……のですよ……」


《――ようやみずからの状況をさっした教皇は

薄れゆく意識の中でそうさげすみ――》


「……ですが、ただでは死にません……よ

固有……魔導……ッ


反逆リベリオン”――」


《――死の直前放った最後の魔導


この固有魔導は……


術者が受けた攻撃と


“同じ傷”を相手にも与えると言う物であった――》


………


……



「が……はッ……」


………


……



《――直後

赤黒くえぐられた彼女マリーン喉笛のどぶえ

鮮血吹き出す中、彼女は――》


「メルちゃん……仲直りのジュース……飲めそうも無いわ……ね

主人公……ずっと愛して……た……」


《――空を見上げながら


最期にそう言った――》


………


……



「おい、マリーン! ……マリーン?!


……駄目だ死なせないッ!!


絶対に助けるッ!!


“限定管理者権限”ッッ!! ――」


………


……



《《――命令を承認しました。


“対象”へ限定的に管理者権限を移譲します――》》


………


……




「……今ぐにマリーンを生き返らせろッ! 」


《《――“ERROR”

禁止事項に抵触します――》》


「禁止? ……ふざけるなッ!!

なら……この国の全ての人間を使っても良い

“生命力の移譲”とかって機能でマリーンを生き返らせてくれッ!!! 」


《《――“ERROR”

“対象”の権限が不足しています――》》


「権限が不足? ……どう言う意味だよ?!


くそッ! ……どんな方法でも良い!

マリーンを復活させる為なら何でも良いから!!

……何かそうする為の方法を教えてくれッ!!! 」


《《――“ERROR”

不正なコマンドを確認しました


限定管理者権限を強制終了します――》》


「なっ!? ……おい! 待てよ! ……マリーンを……おいッ!!! ……」


《――なおも必死に懇願こんがんし続けた主人公


だが……彼の腕の中で

彼女マリーンは既に息を引き取って居た――》


………


……



「……駄目だ。


駄目だ! 駄目だ! 駄目だ! 駄目だッ!!


……こんな別れなんて望んで無いッ!!!

何も叶えずに魔導力だけ消費してんじゃねえよ!!!


完全回復パーフェクトヒールッ!! ……くッ!!!


何か……何か方法が有る筈だろッ!?

俺のッ……俺の作った世界だろうがッ!!

俺が楽しめる世界じゃないのかよッ!!?


こんなの……俺の望んでる事じゃ無い事位分かるだろッ!!!


……そうだ。


そうだッ!!


……マリーナさんから貰った人形だ!!

こいつに頼めばきっとマリーンは!!


……頼むよ人形、何でもする……俺の命でもくれてやるからッ!!!

頼むから……マリーンを……助けて……くれ……っ……」


《――泣き叫び

ついにはすがる様に必死に願い続けた主人公


だが、そんな彼の姿をそばで見守って居たメルは――》


………


……



「主人公さん……もう、マリーンさんは……」


「……離してくれっ!!!

何でこんなクソみたいな理由でマリーンが死ななきゃならねんだよッ!!!


マリーナさんに対して……水の都の民達に対して……


お父さんである水の都の王に対して……どうやってッ!!!


何を持って……顔向け出来るってんだよ……ッ!


くそっ……頼むよ……マリーナさん!!!


……貴女の大切な娘の危機なんですッ!!!


この人形が本当に……冗談無しの無しに

願った事をちゃんと叶えてくれる物だってんなら……


……この一回だけで良い。


だから……頼むッ……マリーンが死んだら……俺は……俺は……ッ!! 」


………


……



「……主人公さん。


もう……マリーンさんの事を眠らせてあげて下さい……

主人公さんのそんな顔……マリーンさんは……見たく無……」


「……うるさいッ!!


うるさうるさうるさいッ!!!

そんなに簡単にマリーンの事を諦められるメルなんか……大嫌いだッ!!! 」


《――瞬間

メルを押し退け、なおもマリーンの亡骸なきがらすが

願いを叶えると言う人形を片手に、声をらし泣き叫び続けた主人公。


幾度と無く、彼女マリーン完全回復パーフェクトヒールほどこし続けながら……


……魔導量の心許無こころもとない中、彼は最後の頼みとばかりに

人形に対し残り少ない魔導力の供給をおこなった。


だが、何かが起こる事は無く――》


………


……



「……俺の……俺のクソみたいな命なんかより

マリーンの命は何千倍も何億倍も重要な命なんだよッ!!


グッ……た……のむ! ……頼……む……ッ!!! 」


《――無理な魔導供給に衰弱すいじゃくし始めて居た彼を

仲間達は羽交はがめにしていた……だが


それでも彼は諦めず――》


………


……



「命の移譲……いや、トライスター専用技にもそんなのは無い。


だが……何かが有った筈だ……命に関わる何かが……闇の魔導……


生贄の魔導……これだッ!!! 」


「主人公さんっ!! ……その技は駄目ですっ!! 」


うるさいッ!! ……離せッ!!! 」


《――メルの制止を振り切り彼が発動させようとしていた魔導


彼が見つけた“生贄の魔導”とは――


みずからの命を“生贄”に対象者を生き返らせる事の出来る


――唯一ゆいいつの魔導技であった。


だが同時に、生き返った対象者は人では無い“何か”としてよみがえる事

それはぞくに“魔物”や“鬼”と呼ばれる存在であり――》


………


……



「主人公さんがそんな事をして……主人公さんが死んで……


それで何でっ!! ……何でマリーンさんが何で喜ぶと思うんですかっ!!! 」


「ならどうやって……どうやってマリーンを助けたら良いんだよ?!

何をどうやったらこんなクソみたいな状況を変えられるんだよ?!!

何でこんな事に成るんだよッ!? ……」


《――激しく言い争い

興奮し、手にして居た人形を強く握った主人公……直後


強く発光した人形は――》


………


……



「全く……とんでも無い“駄々っ子”を転生させてしまった様だ」


===第七十二話・終===

精霊女王マグノリア“固有魔導:精霊女王之歌声”についての機密情報


効果:使用者の望む相手に対する精神と肉体の双方への治癒効果

および、幸運値の大幅上昇にる“奇跡”の発生確率上昇効果


備考:歌声が聞こえる筈の範囲に存在していても

使用者の望まない相手にその効果と歌声が届く事は無い。


情報源:秘密裏に彼らをのぞく者

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ