表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生って楽勝だと思ってました。【感謝15万PV突破! 】【六周年&七年目突入! 】  作者: 黒崎 凱
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/332

第四話「新たに得た装備、楽しい生活が始まるの……か? 」

マリアが検定官らしき人と何処(どこ)かへ立ち去って(しばら)()ったが、何か問題でもあったのだろうか? ……いや、問題だよな。

遠目で見てても“騒ぎに成ってた”のは分かってたし……

……なんて事を考えながらラウドさんと話して居たら、“とんでも無い格好”をしたマリアが帰って来た。


「で! ……“ぱふぱふ”出来ると言う訳なんじゃよ~! 」


「な、成程……それは今度、是非一緒に行きましょうッ! 」


「ほほう、主人公殿は趣味が良いのぉ……わしも嬉しいぞぃ! 」


「主人公さぁ~~んっ! ……装備手に入りましたよ~っ♪ 」


「っと、マリアが帰って来たみたい……でッ?!

な……何だその格好ッ?! 」


何処(どこ)の店に行けば手に入るのだろうか?

マリアの装備している防具はサイズが全く合っておらず、防具なのに“へそ出し状態”だった。

いや、成程……これがかの有名な“ビキニアーマー”か。

……と思う程に。

だが……唖然(あぜん)として居る俺の事などつゆ知らず、手に入れた装備を自慢するマリアの様子に俺は若干引いて居た。


「ねぇねぇ主人公さん! ……この装備、凄く格好良くないですか?

兎に角凄い装備なんですよ~っ?

って、主人公さん? ……何で固まってるんですか~?

似合ってます~?

似合うって言ってくれないと泣きますよ~? 」


この問いに対し、俺は……つい“思っていた事”をそのまま口にしてしまった。


「その……エロい」


「……なんて事言うんですか!!!

ここの隙間(すきま)恥ずかしいのに!! 」


「ああ、一応“()じらっては”居たのね」


「えっ? ……(ひど)いっ!! 」


などと話していたら、急にラウドさんが取り乱し始め……


「そ、その装備はバーバリアンの……

……あの店主がお主に(たく)したのかね?! 」


(たず)ねたのだが。

バーバリアン? ……聞いた事が有る様な無い様な。

でも、俺そんな設定したっけか?

……なんて事を考えて居たら、二人は真剣な雰囲気で話し始め……


「はい“装備も(むく)われるだろう”って(おっしゃ)ってました」


「そうかね……あの店主も救われたじゃろうて」


正直、横で聞いて居ても気になる内容だったので詳しい内容を(たず)ねた俺。

だが……


「……主人公さんには秘密ですっ!

“エロい”なんて語彙力(ごいりょく)もデリカシーの欠片も無い反応したから、絶ぇぇぇっ対に……秘密ですっ! 」


「い、いやその……ごめん」


どうやら俺はマリアを怒らせてしまった様だ。

“流石に悪い事をしたなぁ”……と思い始めて居たこの直後、十二時を告げる鐘の音が鳴り響き……


「……おぉ、丁度良い時間じゃ!

今度は主人公殿の装備も作らねばのぅ! 」


「ええ! ってあれ? 連絡は……」


「ん? ……先程“魔導通信”でしておいたぞぃ? 」


「そ、そんな事が出来るんですか?! 」

(電話みたいな物だろうか? )


「うむ、主人公殿も使える様に成るぞぃ? 」


「ほぇ~ッ楽しみだ! っとマリアも一緒に……って。

や、やっぱり宿に戻っててくれるかな?……」

(やっぱりその“格好”は破廉恥(ハレンチ)が過ぎると思うし)


「えぇっ?! 何でですか! 私も行きますよ?! 」

(……何か失礼な目線を感じます! )


「い、良いからお願い……戻ってて!

そ、そうだッ! ……物理職と魔導職は“犬猿(けんえん)(なか)”らしいんだ!

マリアは物理職でしょ? ……だからほら!

おッ、俺は凄く凄ぉ~く来て欲しかったけどさ!

その、後々面倒事に成ったりとか……ねッ!?

マリアが大切だからさ! ……お願いッ! 」

(神様仏様……お願いだからこの子を止めてッ! )


「もぉ~……優しいですねぇ主人公さんったら。

分かりました、私は一度ヴェルツに戻ってますね~」


「有難う……何かごめんね! 」(……助かったァァァァ! )


「ふむ……では行くとしようかのぅ」


この瞬間、マリアが心変わりしてついて来ない様、ありとあらゆる神に祈りつつ、少し足早に立ち去った俺。

そして……決して豪華な(たたず)まいでは無いものの、素人目に見ても分かる程、高品質な物しか扱わない事が見て取れるそんな店に案内された俺は……その“金額”に覚悟しつつ、店主と会話するラウドさんを少し後ろで眺めて居た。


「ラウドさんいらっしゃい……そちらの御仁(ごじん)が例の? 」


「そうじゃよ? ……主人公殿、自己紹介を」


「あっ……はいっ!!

主人公と言います、ラウドさんの紹介で本日は……」


「いえいえ……そう緊張されずとも(よろ)しいですよ。

しかし……流石はラウドさん直々だ。

凄まじい魔導適性を感じますな? ……さて。

早速ですが、材料をこの鍋へ入れてくれますかな? 」


「え、あっその……全部入れたら良いですか? 」


「いえいえ……貴方が思う量で構いませんよ? 」


「そ、そうですか……では……」


直後、言われるが(まま)に目の前の鍋へ黄金の塊を数個投入した俺。

すると……


「……では、溶かす間に目を(つぶ)り、貴方の想いを念じ、この鍋に“飛ばして”くれますかな? 」


「想いを飛ばす……難しそうですがやってみます」


勿論(もちろん)、完全に理解した訳では無いが、取り敢えず鍋に意識を集中してみる事にした。

すると……驚いた事に、俺の体から光の玉が発生するイメージが頭の中に浮かんだ。

正直かなりびっくりしたが、その光は鍋に向かって飛んで行き、溶けた黄金と混ざり合った……様な、“気がした”。


「まだ目を開けてはいけませんよ? ……ほう、成程。

……この“色”が出るとは」


そう言った店主の一言に、鍋の中がどうなっているのか確認したくて(たま)らなくなって居た俺。

そんな邪念の(わず)かに混ざった様な心境の中、“まだ飛ばし続けますか? ”と(たず)ねた俺に対し……


「あと少しです……よし完成だ。

もう、目を開けても良いですよ……」


そう言われ、期待を胸に目を開けた俺の前には……


「紫と、黒と……金? 」


「ええ……やはり、魔導適性が異様に高い様ですな。

さて……あとは少し冷えるまで待ち、形が出来始めましたら、貴方が手をかざせば完成です。

っと、ラウドさん……私は用があるので少し店をあけますが、(しばら)くの間、店番を引き受けていただけますかな? 」


そう言うと店主は店を出て行った。

一方のラウドさんは鍋を(のぞ)き込みながら、“やはりこの色に成ったんじゃのぅ”と言った。


「あの……この色には何か意味が有るんですか?

見た所、マリアの装備も同じ様な組み合わせでしたけど……」


そう言いつつ、マリアの“ビキニアーマー”……もとい、防具を思い出した俺。

と言うか、あれは……ずっとあのままなのだろうか?

俺に取っては“眼福(がんぷく)”だが、“あんな状態で”防具としての意味が有るのだろうか?

……などと考えていた邪念だらけの俺の精神を叩き直す程に、重苦しい話を始めたラウドさん。


「……昔、大きな戦いがあってのぉ。

初代トライスターが命を()して(から)くも勝利を収めたんじゃが、()の者が使用して居た装備と同じ色の組み合わせなんじゃよ」


「なッ……そ、そんな事がもう一度起きたとしても、俺は絶対に手伝いませんよ? ……」


色の禍禍(まがまが)しさも含め、段々と呪いの装備に思えて来た俺は思わずそう口走った。

だが……


「構わんよ……(むし)ろそんな戦いが起きたなら、主人公殿には全力で逃げて貰いたいと思っておる。

わしは、あの様な苦しい様をもう見たく無いからのぅ……」


「俺の事……責めないんですね」


「……彼も同じじゃった。

優しいオーラを(まと)った男でのぉ……嫌がっておった。

しかし奴にしか倒せなかった……

……周りの人間が次々と死んで行く中、一人の物理職の男が身を挺してトライスターを守った。

何を隠そう、それが先ほど話に出たバーバリアンじゃ。

(ようや)くと言うべきでは無いのじゃろうが、それで決心をつけた彼は……っと。

……マリア殿が近づいてくる様じゃぞ? 」


「えッ?! ……この話の詳しい部分は時間のある時にでも! 」


ラウドさんがそう言った直後、扉が開く音がした……本当にマリアだった。

何故(なぜ)ラウドさんが言い当てたのかは兎も角として……

……妙だ、マリアの装備が先程見た形状とはかなり変わって居る……何と言うか、ちゃんと“防具らしい”形に成って居る。

一体、何があった?


「主人公さん遅ぉいっ! ……何してるんですか! 」


「……年寄(としより)の長話に付き合って貰って居っただけじゃよ。

すまんかったのぅ、マリア殿……」


「それなら良いんですけど……それはそうと!

私、主人公さんにこの装備の自慢をしたくてずぅ~っと待ってたんですけど、あんまり遅いので……来ちゃいましたっ! 」


「お、遅くてごめん……って、そう言えばその装備の形。

何か……“大幅(おおはば)に”変わってない? 」


「そう! ……それが伝えたかったんです!!!

主人公さんが“エロい”なんて言うので、部屋でどうにか出来ないか試行錯誤(しこうさくご)してたら!

……この装備凄いんですよ?

体に合わせてサイズと形状が細かく変更出来る(つく)りになってて~……」


そう言いながら各部位を引っ張り、可動(かどう)変形(へんけい)する構造の説明を熱心に語り始めたマリア。

……確かに先程までとは打って変わって防具として活用出来そうだが、そんな中、用事を済ませた店主が帰還し……


「いやはや、遅くなってしま……って、その装備は?!

お嬢さん……一体何処(どこ)でその装備を手に入れられたので?! 」


「へっ? これは、物理装備専門店の……」


彼奴(アイツ)が手放した?! ……それは本当に?! 」


「え、ええ“この装備も(むく)われるだろう”って……」


「……お見かけしないお顔ですが、旅のお方ですかな?

(いず)れにしろ、さぞ名のある斧使い様なんでしょう。

あいつがそれを手放す程となれば、差し詰めバーバリア……」


「え? いや……今日から斧使いになった新人ですけど? 」


「……はい?

き、今日は規格外なお客様が多いですな!

ゲホッゲホッ! し、失礼……」


(いささ)かキャラ崩壊気味の店主さん。

直後、迷惑を掛けた様に感じ、マリアの代わりに頭を下げた俺だったのだが……


「そ、その……うちのマリアが何かすみません」


「はい? ……もしかしてお知り合いで? 」


「はい、仲間ですけど……」


「何なんだ、今日は何なんだ……」


これが完全に逆効果だったから驚きだ。

ともあれ……この後、見た目のダンディさとは裏腹に、相当“面白い”状態に(おちい)っていた店主さんに対し……


「……落ち着くのじゃ!

御主の“イケオジキャラ”が崩壊しておるぞぃ?!

そんな事より、早く主人公の装備を完成させてやるのじゃよ! 」


「そ、そうでした……

……余りの事につい取り乱してしまい申し訳有りません。

さて……主人公さん。

鍋の上に手を(かざ)し――

(われ)に合う、形と成りて……(われ)(ため)と成れ”

――そう、(とな)えてください」


「は、はい……では! ――」


店主さんの言う通りに呪文を(とな)えた俺。

瞬間、鍋の中で三色に変化した素材のそれぞれが俺の手に(から)みつく様に浮かび上がった。

……かと思うと、直後、俺の体を今までに感じた事の無い“激痛”が襲った。

それもその筈だ……あろう事か、浮かび上がった素材は俺の中に“入り込もうと”し始めたのだから……


「――何……だ……これッ?!

ぐッ……あぁぁぁッッ!! 」


「……辛いでしょうが我慢してください。

多少の痛みが来るかもしれませんが……我慢を」


苦しむ俺に対し、店主は“多少の痛み”……と言った。

だが、(てのひら)から溶解(ようかい)した純金が入り込む痛さが“多少”な訳が無い……(むし)ろ、それは激痛と言う言葉さえ生易(なまやさ)しい程だ。


「ぐッ!! ……体が……胸が……

痛い……ッ……何なんだよこれッ!! ぐッ。

……あ゛ぁぁぁぁぁッ!!! 」


「……主人公さんっ?! 」


「触れてはいかんマリア殿っ!!! 」


「でも、主人公さんが!! ……」


俺を心配するマリアの姿が(かす)かに見えた。

ラウドさんに対し必死に何かを訴えて居る様子だけは分かったが、俺にはその声すら聞こえては居なかった。

それは多分、俺自身が発する叫び声が遥かに上回って居たからだろう……痛過ぎて気絶したいが、それすら“叩き起こす”程の痛み。

そんな中、(かす)かに聞こえた店主の“後半分”と言う声。

……まだもう半分もこの痛みが続くのか?

くそッ……早く完成……してくれよッ!!


「……もう少しです、あと少し! 」


◆◆◆


最後の一滴が主人公(かれ)の体へと入り込んだ瞬間、その耐え(がた)き痛みが(ゆえ)か、彼はその場に倒れ、意識を失った。


◆◆◆


「……主人公さんっ!!! 主人公さんっ!!! 」


マリアの声だ。

やっと終わったのか……声も聞こえる。

重い(まぶた)を開けた瞬間、其処(そこ)には俺を心配するマリアの姿があった……嗚呼(あぁ)

やっぱりマリアはとんでも無く綺麗だ……

……泣き腫らしたその目さえ余りに美し過ぎて。

心配を掛けてしまった事は申し訳無かった。

だけど、これはきっと彼女のお陰だ。

“痛みに耐えて良かった”

そう、思えたのは……


「……完成ですよ、お客さん」


「死ぬかと思った……トライスターなんて断るべきでしたかね?

初めての経験でしたよ、こんな規格外の痛み……」


などと話していたら、マリアが俺の事を抱き締めてくれた。

とても温かくて、優しい心を感じた……まぁ、とは言え、実際は甲冑がガツガツ当たるから“すっげぇ痛かった”のだが。


「良かったよぉぉっ~……主人公さぁ~んっ! 」


「……心配掛けてごめん。

でも、もう大丈夫だから……ってあれ?

あ、あの……肝心の武器は何処(いずこ)へ? 」


俺の体に入ったっきり、三色に染まった材料は何処(どこ)かへと消えたままで……


「ん? ……おかしいのぅ、見当たらんぞぃ? 」


ラウドさんを含め、皆が俺の周りを探すが見当たらない。

そんな中、店主さんは俺に対し……


「まさかとは思いますが……主人公さん。“(われ)の元へ”……と(おっしゃ)ってください。

……恐らくは“内蔵型”なのでしょう」


「な、内蔵型? 便利は良さそうですけど……(われ)の元へッ! 」


言われた通りに呪文を唱えた瞬間、俺の周りに現れた武器……まぁ、確かに現れてくれた。

だが、同時に……俺が最も“危惧(きぐ)して居た結果”を(もたら)しても居て……


「ぬおわッ!? って……えッ?

あ、あの……“これ”

何だか……凄く……

とっても……“目立ち過ぎて”ないですかぁぁぁぁぁッ?! 」


俺が最も危惧(きぐ)していた事が現実に成った瞬間だった。

何故か? ……(わか)らないなら見て欲しい。

俺の体の周りを元気に飛び回る紫・黒・金の粒子を。

光り輝きながら舞い続けている紫・黒・金の粒子の数々を!!!


「ふっふっふ~ッ♪ ……主人公さん、()っっごい目立ってますね~」


とニヤけた顔で俺をからかったマリア。

……前言撤回(ぜんげんてっかい)だ。

マリアは断じて“優しく”なんか無いッ!!!


「い……嫌過ぎるうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!! 」


どうにか異世界転生を成功させた俺は、異世界での生活の(ため)“トライスター”と言う職業を選んだ。

けど、ご覧の通り……俺が思い描いて居た様な“楽勝な異世界生活”が出来る訳も無くて……


===第四話・終===

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ