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異世界転生って楽勝だと思ってました。  作者: 藤次郎
第一章

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第二十話「冷静さを持つのは楽勝ですか? 」

<――北区教会前

到着早々、教会から“妖気を感じる”と言ったオルガさん。


そんな中、オルガさんに同意しつつ

クレインさんは“出入り口の正確な数が知りたい”と言った。


直後、カイエルさんに正面と裏口のニ箇所である事を伝えられたクレインさんは

二班での同時突入を提案した。


正面側の一班をオルガさん、ガンダルフさん

マリア、メルちゃん、俺の五人で


裏口側の二班をカイエルさん、クレインさん

グランガルドさん、リオスさんの四人で当たる事と成った。


……暫くの後


全員が配置についた瞬間、突入までのカウントダウンが始まった――>


………


……



「三、二、一……突入ッ! 」


<――魔導通信越しに聞こえたカイエルさんの合図。


直後、両班一斉に突入……だが、やけに静かな上

内部は昼間と思えない程に薄暗かった。


オルガさんの言う“妖気”……鈍感な俺でも分かる程

異様な気がただよう中――>


………


……



「余りにも静か過ぎる……」


「シッ! ……主人公さん、あれ」


<――そう言ってマリアが指差した先には

血痕の様な物が見え――>


「間違い無い……警戒をおこたるな」


<――血痕に手をかざし、静かにそう言ったオルガさん。


俺達は一層警戒を強め、教会の奥へと進んで行った――>


………


……



「あ、彼処あそこ……何か居ます……」


<――そう言ってメルちゃんが指差した場所を

人影の様な物が通り過ぎた……だが、妙だ

そもそも“一切いっさい肩を揺らさずに”走れる人間は居ない。


間違い無い……絶対に何か居る。


直後、オルガさんは防衛魔導を展開――>


「防衛魔導……“超越防御ビヨンドディフェンス”」


<――俺達全員を包んだ防衛魔導

直後、更に警戒を強め人影の見えた方向へと進み始めた俺達。


だが――>


………


……



「……きゃあああああっ!! 」


<――突如として聞こえた耳をつんざく様な女性の悲鳴。


俺達ははやる気持ちを抑えつつ

慎重に悲鳴の聞こえた方角へと足を進めた――>


………


……



《――オルガ率いる一班が“悲鳴”を聞いた数分前の事

裏口からの突入を開始していた二班は……薄暗く

視認性の悪い室内を進んで居た……だが。


この直後、グランガルドがあやまって蹴り飛ばしてしまった物は

人骨と思しき頭部の“ほね”で――》


「成程……魔族で無くとも“不味まずい者”は居る様だ」


《――転がった頭蓋骨を見つめつつ、グランガルドは静かにそう言った。


だが……この瞬間

彼らにも“耳をつんざく様な女性の悲鳴”が聞こえ――》


「!? ……急ぐぞッ! 」


《――慌てた発した号令

直後、二班の先頭に立ったグランガルド

視認性の悪い室内に散らばった数々の調度品を

持ち前の強靭な肉体で“弾き飛ばし”道を切り開きながら進んだ――》


………


……



<――悲鳴が聞こえたと思しき部屋の前にたどり着いた俺達は

扉を蹴破り、部屋へと飛び込んだ。


その瞬間、物陰に隠れる怪しい影に気付いた俺は――>


「止まれッ!! ……」


<――言うや否や

何者かが隠れた場所の直ぐ近くに向け威嚇の為の攻撃魔導を放った。


すると――>


………


……



「きゃぁっ?! ……わ、私は娘を探しに来ただけですっ!

こっ……殺さないでっ!! 」


<――直後、無抵抗の構えでそう叫びつつ現れたのは

シスターの母親を名乗る女性で――>


「……直接狙わなくてよかった、お怪我はありませんか? 」


「怪我はありませんが、それより娘は何処へ……」


<――などと話していたら血相を変えた二班が合流した。


中でも一番に現れたのは

“木屑”やら“何かの破片”だらけのグランガルドさんで――>


………


……



「皆無事であったか……して、その女性は? 」


「……シスターのお母様だそうです。


それより……裏側は異常ありませんでしたか?

って言うか、グランガルドさんは一体何が遭ったんです? ……」


「道を切り開いたまでの事……問題は無い」


「そ、そうですか……」


「グランガルド族長の“状況”は兎も角……人骨が転がって居た。


……多分だが、教会ここの持ち物では無いだろう」


《――主人公の質問に対し

クレインがそう答えると、シスターの母は血相を変え――》


「そんな?! まさか娘は食べられてしまったんじゃ……」


《――と言った。


だが……シスターの母がそう言うや否や

あろう事か、シスターの母に向け捕縛の魔導を放った主人公――》


………


……



「きゃぁっ! ……何をするんです?!

は、離してくださいっ!! ……」


《――当然、彼の行動に慌てて居た仲間達。


だが、この様な状況にありながらも――


“お願いします、俺を信じて捕縛に協力を”


――そう言い切った主人公。


この言葉を受け、彼を信用し協力する事を選んだのか

持っていたロープでシスターの母が動けぬ様

とてもキツく縛り上げたリオス――》


「何を馬鹿な事をッ! ……おやめくださいっ!!

まさか、あなた達は魔族の……」


「黙れ……良い加減、正体をあらわしたらどうだ? 」


《――シスターの母に対し一切の聞く耳を持たず居た主人公。


そんな彼に対し、グランガルドは――


“吾輩にも分かる様説明して貰いたいのだが”


――と言った。


すると――》


………


……



「……この人はシスターの母親何かじゃ無い。


絶対に……間違い無く“魔族”です。


……小さなミスを一つならまだしも

決定的な間違いを“三つ”もおかしたんですから」


「ふむ……説明を続けてくれ」


《――グランガルドを含め、仲間の疑問に答える為

三つの間違いを指摘し始めた主人公。


彼は、ず――》


………


……



「まず一つ目ですが……貴女は“娘がどうなった”と言いました? 」


「娘が“食べられたのでは”と……」


「……それ、おかしいですよね?


何故“失踪した”としか知らない貴女が

“食べられた”……なんて決めつけたんです? 」


「それは、そちらの方が人骨があったとおっしゃられたので

まさかと思い……」


「そうですか、まぁ……良いでしょう。


では二つ目の質問です……何故失踪原因がわからない段階で

俺達を“魔族”呼ばわりしたんです? 」


「そ、それは……人間を食べるだなんて

魔族位しか居ないと思っただけですっ! 何か間違っていますかっ?! 」


「ええ……それも可怪しいですし間違っています。


……グランガルドさん、クレインさん

先に謝っておきます……失礼な発言をお許しください。


さて……まず、人間を食べると誤解を受けている種族は

オーク族とダークエルフ族ですが、一刻も早くこの誤解を解かなければと

ラウド大統領を含め、皆で必死に努力をしている最中です。


……にも関わらず、何故貴女はその二種族を差し置いて真っ先に魔族と?

続けて三つ目も質問しますが

見た目が完全に“人間”な俺達を魔族扱いしましたよね?


何故貴女は“魔族が人間に擬態出来る”事を知っているのです? 」


《――主人公の矢継ぎ早の質問に

徐々に口籠くちごもり始めたシスターの母。


そして――》


………


……



「……もう諦めて本来の姿に戻っては如何いかがです? 」


「何故だ……何故此処ここが分かった? 」


「お前の食事が“派手過ぎた”……ただそれだけだ。


しかし……どの質問も本来なら“正解”はあったんだけど

捕縛されて冷静じゃ無い頭じゃ“考えられなかった”みたいだな? 」


「何だと? ……」


「……一つ目はある意味正解だったよ。


二つ目も……知っている人は知っている内容だ。


三つ目に関しても……少し前の事だが

国王が魔族に成り変わられ混乱を極めていたあの時


……俺は、全国民の前で高らかに

“魔族が人間に化ける事が出来る”と伝えた筈だ。


借りにもこの国を揺るがした大事件だ……知らない国民なんて居ないんだよ」


「フッ、迂闊うかつだった様だ。


……しかし、えつに入りべらべらと喋り

我に元の姿に戻る時間を与えた事……後悔するが良い。


グフッ!! ギャァァァゥ! ――」


《――直後


人間に擬態していた魔族は本来の禍々しい姿をあらわ

拘束して居たロープを引き千切ちぎり捕縛の魔導をも破壊した。


だが、この危機的状況にいても

主人公かれいたって冷静で――》


………


……



「成程……それがお前の本来の姿か。


一つ質問があるんだ……答えて貰えるか? 」


「“冥土の土産”に、一つだけなら答えてやろう……何だ? 」


「ミネルバさんを呪具で手に掛けたのは……お前だな? 」


「ミネルバ? ……ああ、地下牢に居たあの女の事か。


……如何いかにも。


この“魔呪具”で一突きだが……それがどうした? 」


《――そう言って黒衣の魔族がふところから取り出した“魔呪具”は

仄暗ほのぐらい禍々しさをまとって居た。


だが、その事には全く触れず――》


「……なあ、それって呪い属性の何かなんだろ?

一体どう言う仕組みで発動するんだ? 」


「……質問は一つだけと言っていた筈ではないのか?

質問が二つに成って居るぞ? 」


「別に良いだろ? ……俺はただ“時間稼ぎ”をして居ただけなんだから」


「何? ……どう言う意味だ! 」


「――こう言う意味さっ!


瞬盗モーメントスティールッ! ” 」


「何っ?! ……魔呪具がッ?! 」


《――主人公かれが時間稼ぎをして居た理由。


それは……黒衣の魔族の隙を突き、魔呪具を盗み取ろうとして居た

獣人族族長“リオス”の行動を読んで居た為であった――》


………


……



「いや~……魔族って以外とトロいんだな?

いや、リオス族長の腕が良過ぎたんだな」


《――直後、そう挑発した主人公。


しかし、黒衣の魔族はニヤリと笑うと――》


「ふっ……我に“速度勝負”を挑むとはな!

見誤れッ! ……“高速移動ッ! ” 」


《――瞬間

リオスから魔呪具を奪い返した魔族……だが。


これに一切動ぜず、オルガに対し

みずからをのぞいた”者達を包む防衛魔導を展開する様

瞬時に指示を出した主人公は


なおも”――》


………


……



「なぁ……害虫ゴキブリみたいな動きで喜んでる所悪いけど

その程度の動きで、俺の本気の技を避けられると思ってるのか? 」


《――再びそう挑発してみせた。


だが、普段の主人公とは違うこの姿に仲間達は違和感を感じていた。


“一体、何をするつもりなのか? ”


と――》


………


……



「チッ……何を馬鹿な!

当てれられる物ならやってみるが良い!

しかし、一度でも攻撃を外せばお前もこの魔呪具で一突きだ。


“あの女”と同じ様になッ!


……フハハハハッ!! 」


「……ああ、俺の本気を見せてやるよ。


っと……オルガさん、しっかりと皆さんを護って下さい。


どの属性であろうとも、どんなに強力な光でも絶対に通さない程――


――余りにも過剰だと思える程に」


「承知した……ッ!! 」


《――直後

主人公の決意を感じたオルガは防衛魔導を幾重にも展開した。


……直後、その様子を確認すると

主人公は静かに魔導詠唱を始めた――》


「ふっ……何をするつもりかは知らんが、当てれるものなら当ててみろ!


見誤れッ! 高速移動ッ! ――」


「ああ……必ず当てる。


お前の事は絶対に許さない……ミネルバさんの敵だ。


光の魔導――


――無限之光槍インフィニット・ライトニングスピアッッッ!!! 」


《――直後


まばゆかがやく光の槍が一本


まるで、天から舞い降りる様に……静かに、教会の床に突き刺さった。


……だが、当然

この光槍をあっさりとかわした魔族は――》


………


……



勿体もったい振った割には……何だその“しょぼくれた”技はッ!

約束通り“一突き”で倒してくれるわッ!!


死ねぇぇぇぇっ! ――」


《――瞬間

これまでとは比べ物に成らない程の速度で主人公へとせまった魔族


しかし、その背後では何かが強力に発光し始めて居た……そう。


“光槍”が閃光を放ったのだ……だが

主人公を狙う魔族の攻撃はすでに彼へと当たる寸前で――》


………


……



「……がはっ?! 」


………


……



《――黒衣の魔族が振り下ろした魔呪具は主人公かれの鼻先で止まって居た。


その姿をたもったまま“既に灰として居た”

魔族の腕に握られれたまま――》


………


……



「いや~……流石にちょっと危な過ぎる技だわこれ……」


《――その一方で

これほどの技をはなった張本人である筈の主人公かれ

なんとも気の抜けた様子でそう言った。


彼が発動させた“無限之光槍インフィニット・ライトニングスピア”は

閃光を放った直後、その光に照らされた場所の全てを焼失させて居た。


……オルガがあれほど厳重に重ね掛けして居た筈の防衛魔導さえも

最後の一枚だけを辛うじて残し

その他を全て消滅させてしまう程の威力で――》


………


……



「お、御主……自身が無事である確証があったのか? 」


《――ガンダルフがそう疑問を投げ掛けるのも当然であった。


……光槍は主人公の衣服までをもわずかに焼き切って居たのだ。


だが、主人公はそんなガンダルフの疑問に対し

“とんでもない”返答をした――》


………


……



「えっと、その……“たまたま生きてる”って感じですかね? 」


《――この

余りにも間の抜けた返答に――


“え~っと~……主人公って意外と“雑”なんだねっ! ”


――そう言ったリオス

そんな彼に対し――


“そうはっきりと言われると流石にこたえますよ……”


――と困った様に返した主人公。


ともあれ……彼の素っ頓狂な態度に

この場に居る者達のほぼ全員が頭を悩ませて居た中

カイエルだけは、そんな彼に対し――》


………


……



「……これ程までに危険な技をもちい、奴をほうむった理由。


私にも少しだが理解は出来て居る……だが。


今回の様に、みずからにも危険のおよぶ可能性がある技を使用するのは

今後は出来る限り控えて頂きたい。


……私達夫婦の恩人であり

我が国の宝たる君が死んでしまっては元も子も無い……良いね? 」


「……あまり照れる様な褒め方しないで下さいカイエルさん。


俺がこの技を使った理由は……恐らく

カイエルさんがご想像に成った通りの理由だと思います。


……俺達はミネルバさんに凄くお世話になりました

あの方が居なければ、俺もマリアも今頃牢屋に入れられて居たかも知れないし

この国だってもっと閉鎖的だったのかも知れません。


もしあの方が今も生きて居たなら……もっともっと

今よりもなおこの国は良い方向に向いて居たかも知れません。


……そんなミネルバさんを手に掛けた

この“クソッタレ魔族”を……せめて、ミネルバさんのとむらいに成る様な

出来る限り盛大な技でめっしたかった……そんな俺のエゴです。


……これからは気をつけます。


ご心配をお掛けした事……心からお詫びします」


《――そう言うと

深々と頭を下げた主人公――》


「……いや、私も少し言い過ぎた様だ

君の想いはきっとミネルバ様に伝わっただろう。


あの方もこれで、安心して天に旅立つ事が出来る」


「……ええ、そう願っています」


………


……



「あの~っ。


所で、その魔呪具ってどう“処理”するんですか? 」


《――既に灰と化した魔族の手に有りながらも

一切禍々しさを失っては居なかった魔呪具を指差し、そう質問したマリア。


そんな彼女に対し――


“何れにしろ危険な物ですから、ラウド大統領に一度報告をするべきです”


――そう言うと“魔導布”と呼ばれる物を取り出し

厳重に包んだ上で静かに魔呪具をふところへと仕舞い込んだカイエル。


その後、現場を一般兵に引き継ぎ執務室へと戻った一行は――》


………


……



「……ご報告致しますッ!

皆様の協力により潜伏していた魔族は討伐、しかし残念ながら

失踪したシスター、及びその母親は既に……ですが

魔族がもちいた“魔呪具”と呼ばれる物を回収する事に成功いたしました。


……此方がその“魔呪具”なのですが、どう処理するべきでしょうか? 」


《――状況報告を済ませ

“魔呪具”を示しながらそうたずねたカイエル。


そんな彼に対し、ラウド大統領は――》


「ふむ……確かに禍々しい気が漂っておるわぃ。


犠牲者については無念じゃが

今は魔族を討伐出来た事を喜ぶべきじゃろう。


それに、ミネルバ殿もこれで成仏出来るじゃろう……」


「ええ、やっとミネルバ様に良い知らせをお伝え出来ます……」


《――と、感傷にひたって居たカイエル。


そんな中、ラウド大統領は主人公に対し――》


………


……



「して、主人公殿は……“本気”を出したんじゃな? 」


「えっ? ……どうして分かったんです? 」


「どうしても何も……減衰装備を“全て”外しておる様じゃからのぉ~?

ほっほっほ! ……さて。


いずれにせよこの“魔呪具”は破壊すべきじゃろう

もし魔族以外の種族がこれを使用すれば、たちまち魔族の力に魅了され

魔族にすら軽蔑けいべつされる化け物へと成ると言われておるからのぉ」


「……恐ろしいですね

どうすれば破壊出来るんです? 」


「何、簡単じゃよ……“ドワーフ族のツチ”で叩けば一撃じゃ! 」


<――ラウドさんがそう言った瞬間

ガンダルフさんはとても上機嫌に成り――>


「ほう、良く知っておるな! ……ならばわしが破壊しよう! 」


「頼むぞぃ……皆の衆、これは良い物が見られるぞぃ! 」


「ラウド殿は物好きじゃな……まぁ良い。


行くぞッ!


ええぃッッッ!! ――」


………


……



<――瞬間


“ドワーフのツチ”の一撃にって

まるで硝子ガラスの様に粉々に割れた魔呪具

破壊と同時に、禍々しい気すらも何処かへと消え去り――>


………


……



「うむ……これで完了じゃ」


<――静かにツチ仕舞しまいながらそう言ったガンダルフさん。


だが……そんな中、メルちゃんは

俺も薄々感じていた疑問をガンダルフさんに投げ掛けた――>


「あ、あの……普通のツチでは破壊出来ないんですか? 」


「形は壊せても復元が可能なのじゃよ

ドワーフ族に伝わるこの“ツチ”でなければ完全破壊は不可能なのじゃ! 」


「成程……ドワーフさん達って凄いんですねっ! 」


「おぉ! メル殿はわし達を正しく見る事が出来ておるな!

よしッ! もしも何か装備が欲しい時はわしの所に来ると良いぞぃ!

価格を目一杯サービスしてやろう! 」


「あ、有難うございますっっ! 」


<――少なくとも、ガンダルフさんに取っては

これ以上無い程に上機嫌な一日と成った様であった。


……ともあれ

潜伏魔族の討伐を終え話し込んでいた俺達。


だが、この直後――>


………


……



「ラウド大統領、並びに皆様……失礼致しますッ! 」


「ん? ……なんじゃね? 」


<――突如として執務室に現れた近衛兵。


彼は、ラウドさんからの問いに対し――


“水の都からの使者だとおっしゃられる方がお越しです

お通ししても宜しいでしょうか? ”


――と言った、そして

ラウドさんの許可を得ると――>



「……ではご案内致しますッ!


此方へどうぞッ! ……ご紹介致します。


水の都からの使者“マリーン”様ですッ! 」


………


……



《――ミネルバのかたきった主人公一行

そのお陰で政令国家にはより一層の平和が訪れた……だが。


時を同じくして、異国からの来訪者が現れた。


この女の目的は何なのか?


果たして敵か、味方か――》


===第二十話・終===

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