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異世界転生って楽勝だと思ってました。【感謝16万PV突破! 】【六周年&七年目突入! 】  作者: 黒崎 凱
第一章

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第一話「楽をするのも一苦労」

数ある作品の中から本作を見つけ出していただき、本当にありがとうございます。


本作は、私にとっての「処女作」であり、誕生日の節目に「思い切って世に出そう!」と決意して投稿を始めた、非常に思い入れの深い作品です。


そのため、特に初期の話数は「情熱を込めすぎた結果、設定などの語りが濃厚で、絶望的に長い(最大で1話1万6千文字ほどあります)」という、非常にカロリー高めの仕様になっております。


お読みいただくには少々体力が要るかもしれませんが、その分、重厚な世界観にどっぷり浸っていただけるよう全力を注ぎました。現在も少しずつ読みやすくなるよう改稿を進めており、物語は「必ず完結まで」お届けすることをお約束します。


腰を据えてじっくり楽しんでいただける方、何卒あたたかい応援をよろしくお願いいたします!

             《《GAME OVER!! 》》


幾度(いくど)と無くモニターに映し出されるコンテニュー画面。

舌打ちの音が暗い部屋に響いて居た――


「……あ~クソゲーだわ。

これはまじで制作陣無能すぎて草も生えないな……ったく。

俺でもこんなクソゲー作らないわ!! ……クソッ!!!」


俺の人生は、あの日から一変した。

強盗に入られ両親を失い、俺一人が残されたあの日……俺は、友達の家に泊まって居た。

犯人は物取りだったらしいが、物だけ取って逃げてくれたら、俺の両親は今も生きて居た事だろう。

もし、今も二人が生きて居てくれたなら、警察やら、学校の教師やら……一切の気遣いが感じられない興味本位の様な質問を繰り返され、(ふさ)ぎ込む事など無かっただろう――


「……ディスク叩き割るのも馬鹿みたいだし、ショップに売りに行くか……」


そんな山程の苦痛と不幸を原因に不登校に成った俺は、不登校を理由にいじめっ子達の格好の的と成り、更に不登校が(ひど)くなると言う負のループに(おちい)った。

当然だが、学力は低下し、勉強について行けない事で余計に不登校は悪化した。言うまでも無く、今では立派な引きニートだ。


……えっ? 引きこもり生活が成り立ってる理由?

それは単純に両親の保険のお陰だ。

生きては行ける……けど。


気がつけば何も成し()げず、両親への顔向けなど出来る筈も無く、あっという間に三〇歳の誕生日を迎えた今の俺は、世間一般で言う所の“負け犬街道(かいどう)一直線”だ。

改めて考えるのも嫌だが、これから先の俺の人生には、きっと、夢も希望も無いのだろう――

 

「ったく……このゲームマジで無いわ。

腹立つし、腹減ったし……冷蔵庫になんかあったっけ?

って……驚く(ほど)何も無え。

仕方無い……コンビニ行くか」


そうして渋々(しぶしぶ)出向いたコンビニへの一本道。

妙にスピードを出したトラックが、明らかに俺を狙って追突して来やがった。

“何でだよッ?!”――


「何だこの痛み……クソッ……何なんだよ俺の人生はッ……

ぐッ、やばい……意識が遠のいて行くの……が……判……」


「……ん? 何だこの場所?

暗ッ! 怖ッ! って……誰だッ?!」


どれ(ほど)の時が経ったのだろうか?

気が付くと俺は、良く分からない暗闇の中に居た。

ってか、今俺は“トラックに()かれた”筈じゃなかったか?


そんな、当然と言うべき違和感の中、周囲を見回して居た俺の目に写ったのは、スポットライトに照らされた美しい黒髪の女だった。

……直後、この女は優しい口調で俺に話し掛けて来た――


「……随分と苦しい人生を送られた様ですね。

そんな貴方を救う為……今回、貴方様には特別に“トラック転生”を行いました」


「は、はぁ……そうなんですか。

って……えッ? いや、あの“転生(てんせい)”って、い、今俺トラックに()ねられ……いや。

俺……異世界に転生させて貰えるって事ですか?

てか、さっきのは“トラック転生”って言うんですか?

も、もしかして“テンプレ”みたいな物があったりするんですかッ!?」


そう、質問攻めにした俺に対し、“あなたの人生を救済(きゅうさい)する為、今から貴方には異世界へ転生して頂きます、さあ此方(こちら)へ”と、事務的に返事をした女……だが、“トラック転生”については全く答えてくれなかった。


「……ま、まぁ良いか!

俺も“異世界転生出来たらなぁ~”とか思ってたんですよ。

けど……漫画とかゲームの世界だけじゃなくて、実際、こう言う事ってあるんですねッ!

まるで宝くじにでも当たったかの様な……と、兎に角(とにかく)ッ!!

そうと決まれば、早速転生させてくださいッ!」


「ええ、ですがその(ため)には()ず、転生先に()ける貴方の“仕様(しよう)”を決めなければ成りません。

それらを先に設定(いた)しますので、ご希望をどうぞ」


「え、選べる感じなんですね……

……そッ、それなら転生先で最強の存在でお願いしますッ!!

あ、後……その……

モッ……モッ……

……“モテモテな感じ”でッ!!!」


“時が止まったのか?”とさえ思える(ほど)の長い静寂(せいじゃく)

……この後、“そんなに可笑(おか)しな事を頼んだつもりは無い”と考えて居た俺に対し、彼女は、俺が決めなければいけない事を“大量に”羅列(られつ)し始めた。


「……では、()ず身長、体重、体型。

年齢、性別、種族……(およ)び、それに(ともな)容姿(ようし)の設定を。

次に……魔導力(まどうりょく)(およ)び、魔導適性(まどうてきせい)有無(うむ)と、物理適性の有無(うむ)、血液型や病気の有無(うむ)、家系、所持品……」


「まッ……待て待て待て待てッ!!!

どッ、どんだけ決めさせるつもりだよッ?!」


この有様(ありさま)である。


「そう(おっしゃ)られましても、これは“規則”ですので」


「えぇ……めんどくさっ!

ま、まぁ……とは言え、ここで頑張っとけば後で楽が出来るって事だよな?

まぁ、見た目とかは自分でも嫌いじゃないけど、体型は細マッチョが良いかな?

最近、お腹(まわ)りが気になってたし……」


「えっと……体型以前の問題かと」


「な゛ッ?! ……い、いじめかッ!?

転生前最後のいじめなのかッ?!」


「……失礼(いた)しました。

体型は“細マッチョ”ですね……その他の項目をお決めください」


「う~ん……身長はもうちょっと高かったらモテる気がするし、一七五位にしてくれるかな?」


「えっと……“メートル”ですか?」


「んな訳有るかぁッ!!

俺は異世界で“進撃”でもするのかよ!?

どう考えてもセンチだろッ!」


「いえ“フィート&インチ方式”と言う場合も……」


「……此処(ここ)がもし“アメリカ”ならその質問も仕方無いけど、って、兎に角(とにかく)……俺は日本人だッ!」


「いえ、此処(ここ)はどの国にも(ぞく)さない……って、無駄話はお()しになって下さい、私も暇では有りませんので。

兎に角(とにかく)、残りの項目ですが……」


「お前が始めた無駄話だろ?! ……って、もう良いよ。

……体重は細マッチョにして、一七五センチにした時、(おの)ずとこの位って感じの体重でいいからッ!

あと……年齢は今のままだと色々辛いから、一八くらいが良いかな? ……あッ!

(さい)”な?! 間違っても“千”とか“万”とかにするなよ?」


「あの……私がそんなミスをする様に見えます?」


「たった今、思いッッッ切り、やってくれたよね?」


「そうですか……で、あれば年齢は一八“万”……」


「おい逆ギレすんなッ! ……俺は(ぼう)“閣下”かッ!

じ、一八歳でお願いします……頼むから」


「……年齢は一八歳で、体型に合わせた体重ですね。

設定しました……さてと、残りの項目は……」


「一個ずつ説明しなくても何と無く覚えたから良いよ。

……性別は男のままで良い、(いく)ら相手がイケメンでも、男と、その……“何かしら”をする気には成れないからさ」


「そうですね……そのお顔だとお相手も嫌かと」


「……さっき最後のいじめかと思ってたけど、まだ続くのか。

分かった……俺の顔は(ひど)く不評みたいだし、顔は君が思うイケメンで良いよ。

正直、女性の好みに合わせて見るのも良いのかな? って思ってたり……」


「私が思うイケメンですか……“ここは俺に任せろ!”みたいな勇者(ぜん)とした性格なら、問答無用でイケメンだと思……」


「いや……“中身”じゃなくて“外見”の話な?」


「ええ、理解して居ますよ? ……ですが、全てご自分でお決めに成る事が“規則”です。

私には一切の決定権が御座いませんのでご了承下さい」


「なッ……そう言う事は先に言えよッ!

なら、俺の顔をベースにして、全体的にバランスを整えてくれないか?」


「バランスを整えろと言われましても……

……あっ、良い手を思い付きました!

貴方様の生前の“スマホ”に入って居る修正“マシマシ”なお写真に合わせてはどうでしょうか?」


「うッ、痛い所を……そッ、それで良いよもうッ!!

あとは……種族か。

……人間でいいや、面倒臭いし」


「種族は人間ですね……設定しました。

残りは魔導力(およ)び、魔導適性の有無(うむ)と、物理適性の有無(うむ)、血液型や病気の有無(うむ)、家系、所持品……」


「う~ん……魔攻と物攻は両方“カンスト”で、当然だけど、適性もそれに合う様に高くて良さそうかな?

血液型は今と同じで病気は無し、家系は……普通の町民の生まれで良いかな。王族とかどう考えても面倒臭そうだし……

……それに一応“バランス”的な事を考えると、大金持ち! ……とかも嫌なんだよね。

って、そうなると戦闘能力が高過ぎるのもつまんないのかな?

……いや、変に苦労する様なステータスで異世界行ってまで苦労するのもバカみたいだし……

……どうするのが良いんだろう?」


「……血液型は現状維持、病気は無し。一般町民の生まれで、所持品は無し……ですね?

設定しました」


「おい、ちょっと待った……魔攻と物攻が抜けて無いか?」


「ええ、現状では設定出来ない項目を後回しに致しましたので。

そもそも“カンスト”と(おっしゃ)られましても……」


「ああ、流石にそれはチートが過ぎるのか。

なら、せめて片方だけでも“カンスト”に出来たりとかは……」


「いえ……そうでは無く。

転生先の世界、其処(そこ)に生きる動植物や各種族達、その他諸々(もろもろ)を“作って頂いて”からで無いと、“カンスト”がどの程度の数値なのかと言うのが私には判りかねますので……」


「……は?」


「ですから、転生先の……」


「えっ、いや……待って?

転生先って既に用意されてる場所なんじゃないの?

聞いた事無いよ! そんな悪魔の様なセルフサービス!」


「ええ……最初期の転生者様にはこの様な設定項目は無かったのですが、人間と言うのは恐ろしい物で、転生前に辛い経験をした人間達が皆、一様(いちよう)に“(みずか)らが一番強く有りたい”……と、願い望まれた結果、(すで)に存在して居る異世界が、全て枯渇(こかつ)してしまいまして」


「な、何だか“IPアドレス枯渇(こかつ)問題”みたいな理由だな……」


「……ですので、枯渇(こかつ)後の転生者様には、ご自身のお作りに成った世界で生きて頂く形と成っております」


「そうなのか……でも、それって可怪(おか)しく無いか?」


「何がですか?」


「いや、その世界に生きている人間や魔物、動植物から何から全部自分で設定したなら、それはもうひたすらに作り物でしか無くて、(さなが)ら俺“ゲームクリエイター”じゃん。

早い話が“内容全部知ってるゲームをやる”様な物でしょ? それ」


「ですが、転生前……

“俺でもこんなクソゲー作らないわ”

……とか(おっしゃ)って居た貴方様なら余裕かと」


この女、顔はとんでもなく美人だが、所々毒舌過ぎてちょっと疲れる。

そもそも、異世界転生ってこんなに疲れる物なのか? それとも“ラノベ”とか“アニメ”が楽勝に(えが)かれて居るだけなのか?


「また嫌味を……それはゲームの話だろッ?!

自分が今から生きて行く世界が全部自分で考えた物だったら、俺だけ(すげ)ぇーつまらない世界に成るだろうがッ!!」


「そう言われましても……“規則”ですので」


「さっきから規則、規則、規則って……お前は役所かよッ!?」


「……その発言は私に取って記念すべき百回目です」


「知るかぁッ!! ……記念するなら何かくれよッ!

それこそ“設定が楽になる様な知恵”とかをさぁッ!?」


「知恵、ですか……(むし)ろ記念すべきですので、私が祝って頂きたかったのですが……」


「あ゛~ぁッ!! もうッ!!!

……はいはい、おめでとうございますぅ~ッ!!

どうせなら、“可愛いですねお姉さん”……とか、“素敵ですねお姉さん”……とか。

百回言われた記念なら良かったのにね~ッ!!!」


と、精一杯の“嫌味”を言ったつもりの俺に対し、何故(なぜ)かこの女は顔を真赤にし始め――


「へっ?! ……あ、ありがとうございますっ!

よ、容姿(ようし)を遠回しに褒められたのは初めてで……」


そう、言った。

……何だろう?

この反応、ちょっとだけ可愛い。


「へッ?! ……あっいや、そのッ!!

ほ、本当に綺麗(きれい)な人だとは……

……おッ、思うけどさぁッ?!」


「そ、そうですか?!

で、でしたら……綺麗、と照れながら褒めて頂いた“初めて記念”と言う事で、特別に……」


「特別に? ……あッ! アイデアくれるのかッ?!」


「いえ……ほっぺにキスして差し上げますっ!」


「い゛ぃッ?! ……い、要らない訳じゃないッ!

(むし)ろ嬉しいッ!! ……けど、そう言う事じゃ無くて、今は世界を簡単に構築(こうちく)出来……」


と、慌てふためく俺に、彼女は頬を赤くしながらゆっくりと近づいて来て――

“チュッ”

 宣言通り、俺の頬に口づけをした。


「あばばばばッ?!! あwせdrftgyふじこlp……」


「失礼致しました、では世界の構築を……」


「……あ、あのッ!」


「何でしょう?」


「こッ、この空間にずっと君と一緒に居るって言うのは無理なのかな?

……俺、初めて女の子に、それも半端(はんぱ)無い美女にキスされたからか、何か世界最強とかどうでも良く成っちゃったって言うか……

その……き、君と一緒に居たいって、おッ、思っちゃってますッ!!」


考えても見て欲しい。

“三〇歳童貞”の男がこんな美人にキスされたら、そりゃあコロッと行きますよ。

そりゃあ……


「……“規則”がありますので、無理です。

それよりも、早く転生しないと貴方の体は腐り始めてしまいます。

ですので、一刻も早く設定を終わらせてください。貴方のそんな姿、見たくありませんので」


「えっ? ……(こわ)ぁッ?! 何その謎ルール(こわ)ッ?!

じ、じゃあさ! ……君が一緒について来て、俺は転生先で君を“道具として使う”。これなら、規則にギリギリ違反しないんじゃないかな?」


「わ、私の体を道具として!? そんな破廉恥(ハレンチ)なっ! ……」


「い……いやいやいやいやッ!

そう言う事じゃなあああああぃッ!!!

……君を、異世界転生者に良くある“便利道具”的な役割で連れて行けば、ずっと一緒に居る事が出来るかもって思っただけだッ!

かッ……仮にも初めて告白した相手に、そんな(ひど)い事、する訳無いだろッ?!」


「……そう(おっしゃ)られましても、私は“規則”でこの場を離れる事が……あっ!

この項目……出来るみたいです」


「おぉッ! じゃあ、是非(ぜひ)とも一緒に……」


「でしたら、余計に世界を“(しっか)りと”作ってください」


「あ~……やっぱりそう成ります?」


「ええ」


「デスヨネー……けど、どう言う世界にすれば良いんだろ?

一から決めるって言っても……“テンプレ”的なのって無いの?」


「一応御座(ござ)いますが、テンプレートの異世界は正直、全くオススメ出来ません……」


「それは……何故(なぜ)に?」


(たと)えで言いますとオークの顔は男女共に同じ、エルフは男女共に二種類程度、スライムは色が違うだけ。その他の魔物も似たり寄ったりで、町民に(いた)っては何処(どこ)に行っても同じ様な顔ばかりですから……」


「う~ん……大抵のゲームだとそんなもんだと思うけど、これから暮らそうって世界がそれだと辛いか……」


「ええ、これから先……少なくとも数十年は暮らして行く場所な訳ですし、元の世界にはもう戻れませんから、ちゃんと作って居ないと後々が辛いかと」


「だよね……でも、どうすれば……あッ!

もし、可能なら元の世界にいる人達の顔を持って来て、種族分布に合わせて多少カスタムする感じでどうかな?

会った事の無い人や物だらけだし、少なくともつまらなくは成らないと思うんだッ!」


「成程……良いアイデアですね!

それなら細かい仕様も(ほとん)ど流用が効きますし!」


「良しッ! なら俺の好きなゲームを参考にしてくれ!

あのゲームは――オーク・ドワーフ・エルフ・獣人が(かく)一割、魔族が三割、人類が三割。って感じの比率だ。

(ただ)、マップをそのまま流用すると面白みに欠けると思うし、生態系を含め、地形は転生前の世界と俺の好きなゲームを“()して二で割った”様な感じで良いと思う。

後は……素材取ったりする為の魔物とかは、(しばら)くすると()く感じで良いんじゃないか?

全体的な世界観はゲーム通り、中世ヨーロッパ風のままでも良いけど、少しケルト風を強めに混ぜてくれると(なお)良いかも知れない。

それから……魔導にしても物理にしても、ステータス関連はゲーム準拠(じゅんきょ)で良いと思……って。

忘れる所だった……共通言語は“日本語”で!」


「ほうほう……結構決まってきましたね!

この調子で急いで決めましょう!

……主人公さん、既に腐りつつありますので」


唐突(とうとつ)にそう言った彼女の視線(しせん)は、俺の足元に向いて居た。

つられて俺も自分の足を見た……って、何だッ?!

俺の足が禍々(まがまが)しい色にッ?!


「うわあッッッ!!? ……く、腐り始めるの早くないかッ?!

てか、まさかとは思うけど、“仕様(しよう)決めてる最中(さいちゅう)に腐って終わった異世界転生者”、結構多いまであるんじゃないの?!」


「えっと……新しい世界を構築している途中で腐って終わった転生者様は……全体の“九七パーセント”ですね」


「……おいぃぃぃッ!!!

それじゃ“トラックで()ねて、甘い言葉で生きる希望与えて、もう一回殺した”様なもんじゃないかよッ!!

……急ぐぞ、絶対に失敗したくないから急ぎまくるッ!

法律関連は中世期頃の時代に似た形で、飛行機とかは無いけど船はある位の文明力で、物理的な強い武器は大砲位までで、ドラゴンとか神話の生物なら大抵は出る感じでッ!

あ、後の設定項目はッ!?」


「現在の構築状況は九八パーセントです!

急いでください! 急激に主人公さん腐ってますよ?!」


「うわぁぁぁ! ……あと二パーセントは何が原因なんだ?!」


「二項目だけです!

……まずは貴方が()()げたい相手を決めてください!

貴方様自身の決めた項目数と同じです!」


()()げたいのは君だッ!

君は……君が持つそのままのステータスが良い!」


俺がそう言い切った瞬間、ほんの一瞬だが、再び時間が止まった様な気がした。

これは、もしかして“告白成功”したのだろうか?


「嬉しいですが……それは出来ません。私はあくまで主人公さんの道具として移動しますので。

兎に角(とにかく)……早く! 後少しで主人公さんの体が!」


「うぅッ……初めての恋が切なくも(はかな)く散って凄く(つら)い。

けど、そんな感傷(かんしょう)(ひた)ってる暇が無い……

……君以外の女の子を考える余裕なんて今の俺には無い、だから……ランダムに転生先の女の子から選ぶ感じで頼む。

い、一応の好みとしては……美人で巨乳!

それから……“褐色肌(かっしょくはだ)”でッ!」


ええ、フラれてヤケに成りましたとも。

“女性を目の前に希望する内容じゃない事位”誰に言われなくても分かってますよ~だッ!


「……うわぁ。

何か引きます……ともあれ、確定しました。ランダムに転生先の女性を選択致しました。

……結果を表示しますか?」


「う゛ッ……頼むから引かないでくれ。

それと、結果は見たくないかな。見ちゃうとつまんないし……

……って、こんな事言ってる暇は無いッ!

早く転生させてくれッ!!!」


「わ、分かりました! ……では最後に改めて、貴方のステータスを決めて下さい!

残りは魔導力と物理攻撃力、両者に付随(ふずい)する適性数値だけです!」


「あ、ああ分かったッ! ……

……考えたら三〇歳で童貞だし、そうなると、割と魔導適性高そうな気がするから、魔導系は全部……“最高数値(カンスト)”でッ!」


言ってて悲しい上にドン引きされた。

だが、気にして居る暇なんか無いッ!


「……物理は皆無(かいむ)でも良いから兎に角(とにかく)急いでくれッ!

こんな所で終わったら余りにも浮かばれないッ!!

そ、それから……今更だけど君の名前が知りたいッ!!!」


「わ、私の名前ですか?! ……私の名前はマリアです!

っと……出来ました、急ぎましょう!

急ぎ異世界へ飛びますっ! ――」


“マリア”がそう言った次の瞬間、俺達の眼前に現れた異世界への扉。

直後、俺達は(まばゆ)い光の中へと吸い込まれた。


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!!」


……吸い込まれる勢い自体もだが、(まばゆ)い光の先にあった光景が、まるで“スカイダイビング”の様な状況だった事もあり、“高所恐怖症”の俺は、思わず悲鳴を上げてしまった。

だが、その一方で……横に居た彼女(マリア)は、まるで“絶叫アトラクション”を楽しむかの様に声を上げながら陽キャの様に楽しんで居て……何と言うか。

ほんの少しだけだが、俺は……彼女(マリア)のテンションに、引いた。


===第一話・終===

カロリー高めの第1話を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!


少しでも読みやすくなるよう、本作は時折「改稿(修正)」を行っております。物語の本筋が変わることはありませんが、表現のブラッシュアップがメインとなります。


そのため、執筆時期(初期・中期・後期)によって表現方法に差異が生じている箇所があるかもしれません。そんな時は、


「ああ、まだ改稿前なんだな。にしても表記ゆれ凄いな?」

「ここ完全に誤字ってるぞ。作者も後で恥ずかしいだろうし、軽く指摘してやるか」


……といった形で、生温かく見守って(あるいはツッコミを入れて)いただけますと大変救われます。


読者様からいただく評価やブックマーク、そして応援コメントが、日々の執筆の何よりの原動力です。いつも本当にありがとうございます。


次話以降も、この濃厚な物語を少しでも長く楽しんでいただけますように。


作者:黒崎凱

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― 新着の感想 ―
[良い点] 朝4時にトラック転生で吹いた、 [一言] 少しずつ読ませていただいてます、執筆頑張ってください。
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