天然悪女と餌付け魔法
天然悪女さん。
早く別視点も描きたいです(๑•̀ω•๑́)و
天然と悪女を両方見せていくのって難しいな……
まだまだ描くけどねっ(*¯︶¯*)♡
あ〜は、あ〜いす〜の〜あ〜
い〜は、イチゴのい〜
う〜は、ウィーク エ ン ド〜
え〜は、エクレアっのえ〜
お〜は、オペラだよ〜
か〜は、カラメルっのか〜
き〜は、キルシュぅだぁ〜
さぁ たーべーまーしょおーー ジャンッじゃんじゃー
この世界に来て1週間ほど経つ。今私はご機嫌に、歌を口づさみながら渡り廊下を歩いてます。
何だか、すれ違う人達にスッゴク見られてるけど、それは地球でも同じだったしそんなに気にならない。
それよりも!この素晴らしすぎる世界に乾杯っ!!もしかしたら特別待遇なのかもしれないけど、今私は【乙女の方(笑)】なのだから大概の事は許されている。
私が歩いてる廊下は侍女の棟に向かう渡り廊下。
この世界は、ぱっと見、中世ヨーロッパ風やアジアンテイスト風をかもし出しながらも近代的な建物や技術もあるみたい。
しかも、【乙女の方(笑)】とかふざけた存在を召還する割りに、緊迫した情勢とかでもない。
なんとも穏やかで、幸せな生活をさせて頂いてます。
お目当ての、部屋の扉にたどり着くとノックをする。
出迎えてくれるのは、オレンジの強い金髪で深緑の瞳が輝く美人さん。毎日見ていても見惚れてしまう。身長も高くてスレンダーな体型なのに優雅な物腰で、また見惚れてしまう。の繰り返しだ。今も扉を開けて、隙のない動作で横にずれ、私の手を引いて中に招き入れてくれる。
「ミキ様。そんなにキラキラと見つめられては困ってしまいます」
本当に困った顔をされて、そうさせてしまったのが私かと思うと泣きそうになる。
「ご、ごめんなさいっ。ついみとれてしまって…」
涙目になりながら何とか謝った。
恥ずかしい。いくら初めての女友達に舞い上がってしまってても、疑視するなんて失礼だよね。女の子って、男と違って繊細なんだから気をつけないと。
まあ、嫉妬も半端ないけど。
「うっ!……凄い威力…!」
「え?」
何か聞こえた気がしてもう一度彼女の方を仰ぎ見るが、顔は部屋の奥へと背けられて表情も分からない。
「…何でもございませんわ。さあソファへどうぞ、お茶もすぐ用意致します」
何だか話を逸らされた感はあるものの、お茶と聞いて気持ち速足でソファに腰を下ろした。後で笑われている気がしない事もないが関係ない。
本殿から、わざわざ侍女棟まで来る本命はこれなんだから!
この世界は、私がにらんだ通り、sweetness2000%な世界だった。
1日3食ホールケーキで生きていける(いや、生きてきたと言っても過言ではない)私にとってパラダイス。
「お待たせしましたミキ様、どうぞ」
そう言って差し出されたカップには、タラティと呼ばれるこの国では一般的なお茶が波々と注がれている。ティーカップとゆうよりマグカップ並みの大きさは、いささか私の手には辛いが、美味しく頂く為なら全く問題ない。
マグカップ的なカップだけど、ソーサーもついてあり脇に砂糖とミルクがちょこんと佇んでいる……。
そうっ!!佇んでいるのだ!
初めて見た時は、その佇まいに心臓を貫かれ昇天したかと思った。
今日、その愛らしすぎる姿で私を悶えさせ、カップに投下すれば私の血肉となるのは、オレンジの毛並みに緑水晶の様な瞳の、にゃんこだ!!
………ん?オレンジ?緑?
思わず目の前の美人、ベリルとにゃんこを視線が往復してしまったけど、気にしない事にする。
そして、カップの縁に佇んでいたのはバタースコッチだよね君は!と問いただしたくなる色合いの、兎が腰かけて今か今かとお待ちになっています。
期待に応えようじゃないかっ!エイっと指でつつく、までもなく。
ぽちゃん。。。
タラティに自ら、入茶した兎はぐるぐると渦を巻きながら段々と溶けていき、最後は手をフリフリチャップンと沈みいなくなった。
何度見ても、鼻血もので興奮のあまり顔が赤くなり息も荒くなる……失礼。
「かわいいですね……反則…」
「ですよね!もうっ、もぅっ!!私この世界に来て、これだけで凄く幸せなんですっ!」
ベリルさんの言葉に、全力で乗っかっちゃったけど、実際タラティだけでは満足度は10%位だよ。でも、この一風変わった砂糖とミルク達には本当に癒される。
そんな話をしてる間に、我慢出来ずベリルさん似のにゃんこも、入茶したようです。タラティの色がミルキーになっている。
あぁ、見逃した……。
この子達には、ここでしか会えないのに。
この世界に来て数日は、警備の関係上外には出れなくて一日中部屋で過ごす私に、私付きになった侍女のベリルさんが淹れてくれた御茶が始まりだった。
初期のメンバー5人は、初日から毎日やって来ては不自由がないか聞いてくる。
だから私は言ってやった。
「甘さが足りないですね。」
すると5人で円陣を組むように部屋の端でボソボソと話始めた。
「やっぱり女が…」
「いや、でもあの容姿は…」
「万が一もあります、一度試して…」
「試して嫌われた…うしてく…る!」
「あいつに頼んで見ては…」
目の前であからさまに内緒話されるのは気分が良いものではないけど、その時の私はそれどころじゃない危機感で一杯だった。
意識も朦朧としてきた頃、私付きの侍女だとベリルさんが紹介され、あまりにも意気消沈な私にタラティを作ってくれた。
初めて見る、シュガミル(砂糖とミルクの意)に私は目を見開いた。そして悶えた。
一口飲むと、じんわり広がる甘味に目頭が熱くなった。
もう一口飲むと、ホッとして表情筋が緩んだ。
もう一口飲んで、何とか生き返り背筋を伸ばして御礼を述べようとしたら、部屋には誰もいなくなっていた。
扉も開けっぱなしで皆何処に行ったんだろう?
暫くすると、5人とベリルさんがお疲れの様子で戻って来たので御礼を言ったら嬉しい言葉が返ってきた。
「そんなにお気に召されたなら、もう一度作りましょうか?」
その言葉に私の目はキラーンと、音をたてて光ったと思う。
一杯のタラティに、兎 にゃんこ わんこ 小鳥 お花 蝶々 一通り全て入れて、楽しんでいた私に、あのかみまくっていたオウジサマはハッキリと宣言された。
「入れすぎだ!ベルリのシュガミル禁止!王命令だ!」
「うわ〜そんな事に王命令を使わないでください」
「ただ単に、悔しいだけでしょ」
「大人げない」
「こんなに可愛いのに禁止って…」
「悔しかったらお前もやれば?」
禁止。この愛らしさも、甘い誘惑も禁止………………。
泣きながら寝室に引きこもった。
その日から、引きこもって馬鹿オウジサマとは会わず、コッソリと侍女棟でベリルのタラティを楽しむのが日課だ。
本当に、私は身分も高いみたいで大概の事は許された。ベリル以外の侍女も、要らないって言えば誰も入って来ない。勿論、あの5人も出禁だ。
建物の中も自由だし好きにさせて貰って、本当にいつかしっぺ返しが来ないか不安になる。
数日前の回想から現実に戻って、今日もタラティに幸せを分けてもらおうと手を伸ばしたとき、向かいの壁、ベリルの背後から何かが吹っ飛んできた。
それは、わたしのタラティも巻き込んで軌道をかえ私にはかすらず右側に吹っ飛んだ。左側の廊下に通じる扉が凄い威力で吹っ飛んで、タラティまみれのオウジサマにぶつかって止めを刺した。
なだれ込んできた4人か、止めを刺されたオウジサマかどちらにタラティの報復をすれば良いのか……。
ここまで読んで頂きありがとうございますm(__)m
なんとゆうか、この作品の舞台はどこまでも遊ぼうと思ってます。なぞな5人組も早く名前出してあげたい(^▽^笑)