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文通友達が大変そうなので、私、動きます!  作者: 池中織奈


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  私たちは魔法の研究に勤しんでいるけれど、それだけを行っているわけじゃない。ただオーロのことを囲って、悪意から守るだけなら簡単だけど……そういう道を選ぼうとしているわけでもない。



 オーロのためにも一緒に社交界にも出るつもりだから、その準備も進めていくつもりで動いている。

 私の部屋のすぐ傍にオーロが滞在する部屋も準備されているのだけど、そのこともいつも嬉しくなる。


 私は朝から、オーロの滞在している部屋へと向かった。



「オーロ、今日はパーティーに出るための衣装を準備しましょう。お姉様達も手伝ってくれるって」

「え、それって……」

「私のお姉様と、お兄様達の奥さん達! 一番上のお姉様は他国に嫁いでいるから手紙でしか意見はもらえないけれど、二番目のお姉様は国内に居るから私とオーロが仲良しだと広めてくださるって」



 私のお姉様とお兄様達はもう全員結婚している。私だけが誰も相手の居ない状態だ。



 一番上のお姉様は他国に嫁ぎ、その国の王妃をやっている。二番目のお姉様は国内の貴族に嫁がれたの。一番上のお兄様は王太子としてお父様の後を継ぐために一生懸命で、奥さんは他国の王族の方だ。ちなみに二番目のお兄様であるブロ兄様の奥さんは国内貴族の女性だ。

 お姉様やお兄様達の伴侶たちも私のことを凄く可愛がってくれているというか、良くしてくれている。

 お姉様やお兄様達が全員、私のことを大切にしてくれているからというのもあるだろうけれど。






「お、恐れ多いわ!! 私なんかのために王太子様達の手を煩わせるなんて……」

「オーロ、私なんかって言わないで。あなたは私の大切なお友達なんだから、周りから大切にされて愛される存在なんだよ?」



 結婚生活中でオーロの中の自尊心とか、大分擦り切れてしまったのだろうと分かる。だからこそ、こんなにも自信がない。



 その考えを払拭したい。自信満々なオーロを見たい。もっと友人である私に寄りかかってもいいのにな。もちろん、全てゆだられるのは問題かもしれないけれど、オーロは一人で頑張ろうとしすぎている。



「そ、そんなわけ……」

「あるよ」

「……駄目ね、ヴィオの言葉は嬉しいのにそれならどうして私の結婚生活は上手く行かなかったのだろうと、考えてしまうわ。結婚生活中はあまり思考が出来ていなかったの。だから、今の生活が平穏であればあるほど暗い考えを持ってしまう……」

「あなたの結婚相手がクズだったからよ。一番の理由はそれしかないわ」




 オーロは三年間、本当に大変だったのだろうな。私が想像できないぐらい、一生懸命頑張り続けて……今、ようやく休息がとれているんだろうな。そして冷静になったからこそ、三年間がより一層思い出されているのかもしれない。

 必死に頑張っていた時って、色んなことにまで考えが及ばないものだものね。




「ふふっ、ヴィオははっきり言うわね」

「本当にそう思っているもの。だって今もなお、オーロのあることないこと広めていて、自分達が行ったことは正しいことだって言いふらしているって聞くもの」



 ……少なくとも私がオーロと交友を持っていることは、噂にはなっている。というより、敢えて広めてもらってはいる。だけどまだ私達は実際に社交界の場に共に赴いているわけでもない。

 だから降ってわいたような第三王女である私と、離縁された悪妻であるオーロの交流の噂が出回ってどう動くべきか決めあぐねている人達も多いようだった。中には大っぴらに嘘に違いないなんて、言っている人もいるらしい。




 私は社交界に全然出ることもなく、王宮内に引きこもってばかりだ。必要最低限の人達としか関わらないから、一部では“幻の姫君”なんて呼ばれているらしい。恥ずかしいからやめてほしい。

 そもそも王宮内でも王族の生活エリアと職場以外には私はなかなかいかないから余計にそういう噂もあるんだろう。

 そんな私がオーロと仲良くするはずがないって勝手に決めつけているらしい。



「本当に困ったものだわ……」

「ええ。今は悦に浸っているようだから、いい気になっているところを叩き落すつもりよ」



 一番彼らが気持ちよくなっている時に叩き落したい。オーロが味わった苦しみを同じぐらい味わったらいいのにってそんなことを思う。




「……ヴィオ、嬉しいけれどあなたの評判が落ちるようなことはしないでね?」

「大丈夫。お姉様たちの力も借りて上手くやるから」

「そう。ありがとう。それにしてもさっきあなたが言っていた周りから大切にされて愛される存在って、まさにヴィオのことよね」


 オーロにそんなことを言われてしまう。




「うん。私、家族に凄く大切にされているわ。とはいえ、家族が過保護なのは理由があるけれど」

「理由?」

「私、産まれつき魅了の力があるの」



 私がそう言ったら、オーロの目が見開かれた。


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