この学園に戻ってきますね♡
最終話、更新いたしました。
「それって、わたしたちコピーは、この世界の住人の中に居候させてもらってるだけじゃないですか?居候なら居候らしく振舞ったらよかったのに」
メリーナは考えをまとめると、素直に気持をハイラに伝えた。
「では、お前のこの世界に不釣り合いな力は、なぜ生まれていると思う?この魔法の世界、物理現象のコードといえるものを直接さわれる魔法、魔力という力を、ただの居候が、この世界では有りえない魔法力を持つことが可能になっている事は、ただの居候ではあるまい?」
ハイラの返しの言葉に、メリーナは少し考えると答える。
「チートが貰えたんじゃなくて、わたし達のは只のバグだと思います」
「・・なるほど、では私の様なバグをつぶす為に、イレギュラーなどではなく、「この世界」が、お前を生み出したと考えると辻褄があうね」
そう言いながらハイラは、メリーナを激しく睨んでいた。
「え~、そうなるんですか?」
メリーナが唖然としているとハイラの周りに異様な磁場が生み出されようとしていた。
「超高周波爆砕」
ハイラの周りの空間に無数の回転する黒い物質が表れ頭に響く音が大広間中に響き渡った。
「いけない、ハイパーウォール!」
メリーナは、直感的に前方に多重式防壁魔法を展開する。その防壁に向かって無数の回転する黒い物質が高速でぶつかってくる。
「ハイパーウォール!」
メリーナは更に魔法を二重掛けするが、それすら回転する黒い物質が突き抜けようとする。
「・・止まらない」
メリーナがそう叫んだ時、メリーナの身体はエスターテに抱きかかえられ横に跳んでいた。
「メリー!アレは避けるしかないよ」
大広間の端まで移動した二人に向かってハイラは、避けきった事に驚きの表情を見せながらも更に魔法を放つ。
「超高周波爆砕」
「超高周波爆砕」
「超高周波爆砕」
高位魔法の三重掛けは、流石にハイラにとっても初めての経験だった。
魔法に科学理論を応用させた物理威力に特化した、ハイラオリジナルの大技が限られた空間内で二人を襲う。
「やったのか?」
土煙が充満した大広間にエスターテの声が二重になって響き渡る。
「聖幻闘舞!」
「聖真金剛破!」
二人のエスターテが穴を開けていた床下から飛び出し、それぞれが左右からハイラに奥義を放つ。
「分身したのか?」
ハイラは、空中で一方のエスターテの幻影が放つ超高速の連続蹴りに意識と防御が集中してしまう。
「残念、むこうが本物よ♡」
その瞬間には、もう一方の本物のエスターテが横っ腹に押し込む様に放った下突きは、その一点からハイラの全身へと聖をおびた衝撃が波のように伝わり、臓器を破壊していく。
「くっ、神聖魔法か・・」
黒い鮮血を吐きながらハイラは、おびただしく開放されていた魔力が収縮し、その身体が崩れ落ちるように膝をついていった。
「ふふ・・。毒を以て毒を制す・・か、これが世界の復元力・・。メリーナ、お前は本当にイレギュラーだったのかい?お前もこの世界にとっては毒なんだろうに・・」
元の黒龍の姿になったハイラは、エスターテの姿から金髪の姿に戻ったメリーナを悲しそうに見つめながら弱弱しく喘ぎ、そして息絶えていった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「・・卒業生のこれからの人生が光に満ちた素晴らしいものであることを祈念し、式辞といたします」
エルド学長の式辞の後、卒業生達が壇上に名前を呼ばれながら一人一人、学長より卒業刻印を授与されていった。そして最後に卒業生代表のメリーナ・フレヴァリが呼ばれ壇上に上がり、刻印を授与されると学長と演台席を交代し卒業生代表挨拶を述べる。
「このアルカディア学園での旅の集大成を迎えるにあたり、本日皆様の前でお話しできることを深く光栄に思い、ます。・・えっと?え?・・本当に先生や職員さん、そしてみんなで良くここまで学園を元に戻せたと感謝しています。卒業するけど必ずいつかは、先生か職員さんになってこの学園に戻ってきますね♡」
そのあとメリーナは、やっちゃったって顔をすると。
「あっ、わたしはだからね。卒業生全員じゃないからね」
会場が笑いに包まれる中、メリーナは、頭の魔具のカチューシャを空高く放り投げる。そして同時に卒業生達は、一斉に魔具のネクタイやカチューシャを空中に投げると、そのまま立ち上がり駆け足で大講義室の卒業式会場を去っていった。
「メリー♡」
「エスちゃん♡」
壇上から降りたメリーナは、待っていたエスターテと共に手を携えて笑いながら、最後に駆け足で学園の正門をくぐり抜けていった。
-END-
最終話、お読みいただきありがとうございました。新作小説は新年より投稿しようと思っております。なるべく書き溜めて最初の内しばらくの間は、毎日投稿にしたいと思っています。その際は引き続きどうかよろしくお願いいたします。
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