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尻尾が可愛い~♡

申・鳥・戌の章、更新いたしました。

 「弁当、持ってきたぞ」

シンダラは少し上流の岩場で待っているメリーナ達に弁当を差し出した。

「ありがとう。風呂あがりだし、気持ちよく食べれるね♡」

シンダラはメリーナに弁当を手渡しながら苦笑をしながら、森の方を見つめ口を開く。

「それと、もう少ししたら客人が訪れるみたいです」

「え~、お客さん?」

「はい、ケイナインフォークの〇サラです」

「もしかして、次の十二魔将さんですか?」

「はい、群れを離れ一人で向かって来ていますので、対応の方をよろしくお願いいたします。それと、これは奴の分です」

そう言うと、もう一つメリーナに弁当を手渡した。

「奴はおそろしく鼻が利きますので、まあそう言う事です」

メリーナは手渡された弁当を見つめながら少し微笑み頷いた。



みなで美味しそうに弁当を食べていると、林の奥から若い犬人族の女性が恐る恐る近づいてきた。

「えぇ~、私、この近くの鉱山の管理を任されているバサラ・カルカルと申します」

遠くから大きな声でバサラは名乗ってきた。

「知ってるよ」「知ってるぞ」「知ってるわよ」「知らいでか」

いきなり、メリーナの回りの四人が突っ込みの返答を飛ばしてくる。

「この匂いにつられてきたんだろ」

シンダラが、自分の弁当を持ち上げてニヤリと笑う。

「え、匂いをたどって来ただけですよ。え、頂けるのですか?」


バサラの言葉にメリーナは近づきながら答える。

「はい、どうぞ♡」

「え、本当に・・ありがとうございます」

手渡された弁当を大事そうに受け取ると、匂いを幸せそうに嗅ぎ一礼をしてメリーナに話しかける。

「正直に言うと、セゴクメドウ周辺の警備も任されているのですが。やはり、街に向われているのですよね?」

「わたし、セゴクメドウの出身だから」

「そうなんですか・・」

バサラは困ったように四人の元十二魔将を少し見つめると続きを言葉にする。

「セゴクメドウにはアルカディアから来る者は決して通すなと命令されているんですが・・」

「帰っちゃ駄目なの?」

「もともとの住人の方はまあ良いと思うのですが、それ以外の方は・・」

そこまで語るとシンダラが口を挟む。

「私たちを無理矢理、追い返せるとでも?」

「一人でも大変だと思っているのに、四人も魔将がそろっているなら、もうお手上げなんですよね」

弁当を持ったまま弱り果てているバサラを見かねたメリーナが優しく告げる。

「とりあえず。みんなで弁当を食べ終わってから話し合いましょう」

バサラは溜息をつきながらも座り込み美味しそうに弁当を食べ始めた。



「旨い、これは絶品!」

いきなり、暗い顔をしていたバサラが笑顔になる。

「でしょう。最高よね」

アニラがすかさず声をかける。

「みんな、まさか・・この弁当のせいで・・」

バサラは恐ろしものを見る様に弁当をしみじみと眺める。

「薬も魔法も付与されてなかったよ」

メーキラがはっきりと言い放つ。

「じゃあ、なぜ?」

「話し合いは食べ終わってからだろ」

サンテラに促されると再びバサラは首を傾げながら弁当を食べ始めた。


「とにかく・・尻尾が可愛い~♡」

尻尾を大きく振りながら弁当を美味そうに食べているバサラを見つめながら、メリーナは思わず声に出してしまっていた。



お読みいただきありがとうございました。更新を水曜日、土曜日の週二回、16時前位に更新したいと思います。引き続きどうかよろしくお願いいたします。


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