中田にちょっと頼んでみます
中田はボーっとしていた
母の声が聞こえる
「ヒデヨシー!田中君が来たわよー!」
程なくして田中が部屋に訪れる
「よう!中田元気か?」
「ああ、何ともない」
「心配したぜ!俺のせいで休んだと思ったからな!」
「その見解は間違ってないよ・・・」
「えっ?じゃあやっぱり俺のせいなのか?」
「ああ、一晩中田中の事を考えてしまった・・・」
「それって中田・・・」
赤らめる田中
「違う違う違う!!!お前ホントにそっちなのか!?」
「いや違うけど中田が・・・中田が望むなら・・・」
「悪い・・・俺はノーマルだ!4組の芳川さんが好きだ!」
目を丸くして固まる田中
「どうした田中?俺がノーマルなのがそんなに嫌か?」
「いや、そうじゃなくて・・・芳川さんとか止めておいた方が良いぞ?競争率高いぞ~」
「それがどうした田中!そんな事はどうでもいい!俺は・・・俺は芳川さんが好きなんだーーーー!」
「お、おう・・・それ芳川さんに言ってやれよ!そして散れ!当たって砕けるんだ!泣くんだ!泣き叫ぶのだ!そして笑え!笑って次の恋へと歩き出すんだ!」
「そんなに俺がフラれて欲しいのか?」
「そうだ!フラれろ!完膚なきまでにフラれ倒してもう二度と芳川さんの前に姿を現さないと誓え!さあ、今すぐ誓うんだ!さあ!さあ!」
「・・・何で今なんだよ?フラれるって決まっている訳でもあるまいし」
少し考えて中田が気づく
「ま、まさか!田中・・・未来も見えるのか?そうなのか?」
少し考える田中
(「いやその能力は持ってないけどこんなに期待されるとNOとは言えんな・・・」)
目が少し泳いで田中
「まあな、中田の悲惨な運命が手に取るように見えるぞ!」
「そ、そうなのか・・・その未来は変える事は出来ないのか?」
再び考える田中
(「ちょっと嘘は可哀相だったかな?でもフラれてくれないと困るし、もし中田と芳川さんが万が一、いや億が一にも付き合うなんて事に何かになれば俺はこの世に絶望し世界を破壊しかねない!
そうだ世界の為だ!世界の為にお前はフラれろ!それがこの世界の最善の策だ!そうに違いない!」)
黙り込む田中に中田は考える
(「黙っちまったよ!そんなに悲惨にフラれるのか?回避は出来ないのか?教えてくれ田中!早く何か発してくれ田中!今はお前しか頼る人が居ないんだ田中!田中!田中!」)
「あっ!」
何か言おうとして止める田中
それを見て更に考え込む中田
(「何言おうとしたんだ田中!そんなに言葉に詰まる事なのか?それとも今俺の未来を見てくれているのか?だったらどうだ?俺の未来は?俺はその未来で上手く笑っていられてますか?教えてくれ田中!田中!田中!」)
力んで顔が赤くなる中田を見て田中
「どうした中田顔が真っ赤だぞ?熱があるんじゃないか?」
(「違えーよ田中!俺の心を読め!そしてこの不安を取り除いてくれ!聴こえているか田中!聴こえているんだろ田中!無視するなよ田中!ホラ田中!馬鹿田中!悪口言ったぞ!怒れ田中!田中!田中!田中!」)
田中の言葉に憤慨する中田
「中田?ちょっと思い出したんだけど『ファイラ』の新しい名前考えてくれた?」
急に話題を変える田中
(「何でその話にシフトチェンジ知るんだ?そんなに俺の未来はお先真っ暗か!見るに堪えないか!もういい俺はどんな未来でも受け入れる!さあ話すんだ田中!語れ田中!田中!田中!田中!」)
と思いつつも答える中田
「一晩考えて辿り着いたんだがいっその事『メラもどき』で良いだろ?それより俺、芳川さんにそんなに悲惨なフラれ方するのか?」
「いや~惜しい!俺『ファイラもどき』って予想してたんだけどな~」
笑顔で悔しがる田中
「そっちの答えはどうでもいい!芳川さんサイドの答えを聞かせてくれ!」
「芳川さんサイドってなんだよ!悲惨って言うか・・・もう悲劇?喜劇?目も当てられませんわ~」
「それはもっと・・・こう・・・優しい悲劇にはならんのか?」
「ならんね、告白何てしない方が良いよ!う~んしない方が良い!これ絶対!必然!」
「そうか・・・諦めるしかないのか・・・」
「よし、中田の元気そうな顔も見れたしそろそろ帰るわ」
「ああ、あり・・・がとう?なのか?取り敢えずありがとう」
バタン
田中が帰った
中田はボーっとしていた




