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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第七章 狂季愁豪理不
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対ヴルトゥーム② ミント

ギリセーフ(アウト)

 <現象操作>...クタニド様が扱っていたやつだ。



 本場のそれが、まさかこれほどとは。そりゃクタニド様も謙遜しますよ。



 正直レベルが違う。こればかりはクタニド様よりもメェーちゃんの方が上手いと言わざるを得ない。



「そーいうこと」



 新月。黒き月はまさにメェーちゃん...シュブ=ニグラスを表していると言っていい。



 のだけど、その目の前には本物のメェーちゃんがいる。そしてこの場合は、表しているという抽象的な存在でなくなる。



 それは、表すのでなくその存在をより強固にする。存在するからこそ存在する、シュブ=ニグラスのための楔と言っていい。



 新月の森林は危険地帯だ。何故なら、そこには山羊が潜むから。



「だからこそ、本気の罰を与えてあげよう。2度と、こんなふざけた真似ができないように」



 変わり果てたシュブ=ニグラス。それはあまりにも大きい。



 この空間内が広いためあまり大きいように感じないけど、1つの山ほどある。



 ...そして、やはりというかなんというか。知っているとはいえ、一度見たとはいえ、恐怖というのはなかなか取り除かれない。



 触手が伸びてくる。シュブ=ニグラスのそれが容赦無く僕を掴む。



 と、横から植物の触手も飛び出してくる。それは僕の腕を掴み、



 すぐに子山羊によって引きちぎられた。



「邪魔だ。こいつらの相手でもしていろ」

「ちっ...」



 触手は僕を持ち上げ、シュブ=ニグラスの上にくる。



 真下には大きな口。いや口というより穴。



 それは吸い込むような深淵を持ってい



「あ...」



 落とされた。



 穴の中。



 死ぬ。



 嫌。



 。



 ============================================



 ...



 ...



 ...



 ....



 ...



 ...



 ....



 ...生きている。死んでいない。



 体はない。思考のみ存在する。



 故に考える。生きるとは。



 すなわち、思考し続けること。生きること。



 生きることとは、生きることである。



 還る生命の灯火は、やがてその輝きを失う。



 それは灰となり、次なる火の種となる。



 今、いる場所。知識が伝える。



 輪廻転生。体内の小宇宙。



 巻き込まれた自分は霧散するか?





 否。生きる。



 霧散はしない。死ぬことはない。



 生きるのだ。生きるために生きるのだ。



 絶対に。何がなんでも。例え自らの命が燃え尽きようとも。



 肉体を構成。闇の中、漂う要素を掴み取れ。



 掬え。摘め。引き寄せろ。



 僕はイル。ここに。



 還るのだ。



 新たな。



 生命。



 ============================================



「!?」



 目を開いた時、とても強い光を見た。



 一度目を閉じて、もう一度。



 ゆっくりと、瞼をこじ開ける。



「あらあら、目が覚めたのね。母は嬉しいです」



 母親...いや違う。この存在はイブ=ツトゥル。



 事実上の母... え?いや、確かに生物学上は母か?



 細胞入ってるはずだもんね。



「そういうこと。ほらほら〜、ママでちゅよ〜」



 ママ...いや、確かにシュブ=ニグラスも生物学上母親に該当する。



 いや父親?というかイブ=ツトゥルは産んでないわけで、そちらが父親?



「昨今LGBTQ+に配慮してないといけないからね。ここはどっちも母親ってことで」



 うむ...納得はできないけどとりあえずわかリマした。



 で、なぜ哺乳瓶?



「これ一応R15だからね。直接的な表現はダメなの」



 それはわかるんです。でも別に乳を与えてくるとかでもいいのでは?



「でもそれだと混ぜられないですからね。仕方なく、母も賛同したのです」



 なるほど...混ぜられない?






「!?!?!?」

「あら、そんなに嫌がってどうしたの?」



 気づいた。気づいてしまった。多分これ、絶対に飲んではいけないタイプの飲み物だ。



 効能はすごいよ効能は。多分人間性が破裂するほど栄養素が豊富に含まれている。



 予想でしかないけど、これを飲めば赤子から成年ほどまで成長できるでしょう。いわばドラッグ、ドーピングの類。



 ただイブ=ツトゥルとシュブ=ニグラスの乳を混ぜた液体がその程度で済むはずはない。十中八九人間を辞める。



「今の時点で人間じゃないから、大丈夫だよ」



 あ、そうだった。とはならないんだよね。



 人間を辞めるって中身の意じゃなくて、外面の意。



 すなわち外骨格の豹変。流石に僕とて人外は嫌です。



「どうしましょう。赤子が飲んでくれません」

「うーん、栄養失調は困るし...そうだ、これを混ぜてみよっか」



 蓋を開け、取り出した液体を中に入れてくシュブ=ニグラス。



 一体何を入れたんですか。なんか光ってましたけど、その液体。



 ていうか中の液体まで光出してきた。元は光のない闇だったのに。



「え?クトゥグアの生み出した灰を液状化させたやつ」



 待って。それは子供どころかどんな生物でも飲めなくなったって。



 ぜ、絶対に飲むもんか。



「ダメか...やっぱり匂いかな」

「シュド=メルの酸も入れてみましょうか」



 僕の体でキメラを作る気ですか。実の子になんてことするんですか。



 もうそれただの兵器、あるいは汚染液体。



 見るだけで害がある可能性もあるんですけど。



「あ、わかった。色がダメなんだ」

「なら()を入れてみましょう」



 やめて!心も叫んじゃうよお!



 それはダメだって!まだ本編にも出てきてないって!



「...飲みませんね」

「しょうがない。ならとっておきをだそっか」



 なんですかとっておきって。



 もう何が出てきても驚きませんよ。



「てっててーん。ショゴス!」



 ああもうどうにでもなれ。

めためたでした



次回からはそんなめためたじゃないです

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