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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第七章 狂季愁豪理不
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砂糖菓子脱出

お久しぶりでございます。いやあ、GW中全く書く暇がなかった。



これから投稿再開していきますのでまたどうぞよろしくお願いします。

「何、特に難しいわけではない。お前達には今から間違い探しをしてもらう」

「間違い探し、だあ!?」



 かなり急だけど、確かに聞いた限り難しいとは感じない...



 ...いや。



「一応例題を出しておこう。難易度が優しいことがわかるはずだ」



 すると洞窟の奥から何かが出てくる。



 さっきから何度も見ている、謎植物だ。謎っていうほど謎でもないけど。



 それが2体。



「この子達の違い、わかるかな?」



 なるほど、そうくるか。ヴルトゥームらしい?問いであると言える、かもしれない。



「...ふむ」






 だけど相手は神話生物。舐めてはいけない。



 今、目の前にいる2つの植物には。僕の目からは何も感じ取れなかった。



 色も。動きも。形も。なんなら瞬きのタイミングまで、何もかもが一緒。



 逆に気持ち悪いくらいだ。



「なあ、これ何が違うんだ?」

「わ、わかんない...」



 ハルトくんも、クトゥグアもそういうくらいに、こいつらには違いがない。



 双子なのだろうか。



「いいえ、彼女らは双子ではありません。DNAが双子というにはあまりにも違いすぎます」



 あ、そうなんですね...え?



「そろそろわかっただろう。この子達はその体を構成する細胞、その中で記録されている塩基配列が違うのだ」



 なるほど...とはならないね。うん。



 それは人間が解ける難易度の問題ですか?そういうのって、人間は顕微鏡か何かで見ることでわかると思うんですけど。



 裸眼で把握しろと?無理な話ですよ?



「だが同時にこうも思うはずだ。人間には解けないだろうと」



 ええ思いましたよ。流石に人間はそんなに目が良くないですからね。



「その疑問は間違いない。なんたってこれは、お前が来た時のために用意したものだからな、クタニド」



 わーお名指し。そんなに警戒されてたんですね、クタニド様。



「...この世界で恨まれるようなことをした覚えはありませんが、もしかすると()()()を未だに覚えているのかもしれませんね」



 あの事?



「ああ、あれですか...あんな些細なことを覚えているとは、奴も相当煮湯を飲まされたようですね」



 あれ?どういうことですかい?



 できれば教えて欲しいのです。



「そんな面白い話ではないですよ?」

「なんのはなし?」

「あー、あれか」



 どうやらクトゥグアまで知っているご様子。



 たとえ面白くないとしても、この状況は俄然知りたくなってしまうわけですよ。



「というわけで、これが例題だ。では今から本番t」

「おうちょっと黙っとけ」



 あ、クトゥグアが死体を燃やした。



 ヴルトゥームの話を聞けなくなってしまったよ。でも...



「...そんなに求められているなら少し話しましょうか」



 クタニド様の話が聞けるんでヨシ。



「ただハルトにも理解できるよう伝えるなら...ええ、そうですね。まず、私が元居た場所、その遠い過去に戦争があったのです」

「せんそう?」

「争うことだな。俺が一番好きなことだぜ!」



 だと思った。そしてこの戦争っていうのは、多分旧神と旧支配者の戦争の話でOK?



「よくわかりましたね。そう、その戦争は起こった時から私たちが不利な状況でした」



 まあ、そもそも数からして違うからね。



 旧神と旧支配者、どちらも全員揃っていたと考えたら、それはもう圧倒的な戦力差になる。



「ですがその戦力差を埋めるための...そうですね、兵器を開発することに成功したのです」



 それが旧き印。対神話生物において持っているか持っていないかで生死を分けるほど重要なもの。



 しかもただのマーク、石ころどころか、自分の体に描いていても問題ないはずからね。



「私たちはそれを有効的に活用しましたが...残念なことに、戦力差は本当に埋まっただけでした」



 結果、旧神はドリームランドに幽閉、旧支配者は封印されたわけですな。



 有名な話ですなあ。



「埋まったが故に相打ちとなったわけですが...それは各勢力に甚大な被害をもたらし、人間が繁栄することに繋がりました」



 神話生物がいない間に、いや厳密には細々と干渉しているわけだけど、そんな比較的安全な状況で、地球上では人間が文明を築いていった。



 少しずつ封印も緩くなってたっぽいけど、まあそれはそれとして。



「人間が繁栄すること、それ自体は悪ではありません。人間は下等生物ですが、地球上で生まれた生物なのですから。ですがそれにより、封印から出た後も出れなくなった者がいます」



 え、そんな神話生物がいたんですか。下等生物のせいで出れないなんて、なんて可哀想な。



 一体どこの誰で......あ。



「ヴルトゥーム。主に火星と呼ばれる、地球とはまた別の、遠い場所を棲家としていた彼奴は、出てこれば人間にバレるような状態になっていました。もちろん、出てこなかったことで地球にいた奴らよりも、人間に発見されるまでの時間は長かったはずですが...そも、これが怒った原因は、私たちが彼奴を火星に縛りつけたことが原因」



 はえー、確かに植物をある程度操れるなら地球なんていくらでも牛耳れそうだもんね。



 人間のせいで出てこれないとか、不便でしかないけど。ただ疑問が一つ生まれちゃう。



 別に人間にバレたところでどうでもいいのでは?



「どうでもいい、というわけではありませんよ。確かに我々は人間より上位の存在ですが、時に異常な存在が現れることもある」



 異常な存在?



「言って仕舞えば、物語の主人公ともいうべき存在です。そのような者らに見つかって仕舞えば、下級の、例えばグールなどであればたちまち殺され、我ら上位の存在であっても封印される可能性がある」



 いうてヴルトゥームは火星ですけどね。



「火星まで到達することは不可能ではない。あなたも知っているでしょう?」



 もちろん知っていますよ。火星が地球のゴミ捨て場になっていたからね。



「...ゴホン。生き物は生きることに必死です。だからこそ生物なのであり、それは我らとて変わらない」

「封印は、ある種眠りのようなもの。人間が解く場合もありますが、その後のことはわからない」



 大体人間が変なことして、神の怒りに触れて、それから逃げましょうだからね。



「無論対処は容易です。が、どこぞの誰かのせいでその脅威は生きている間、ずっとやってくる。平穏はあり得ません」



 ニャル...いや、そもそも旧神と旧支配者が敵対関係なわけで、んでどっちも人間操れるもんね。



 お互いが、お互いに人間を差し向けるのか。



「そう。だから隠れる。別にもう出てこれはしますが、出るにせよタイミングは合わせなくてはならない...のですが、それはあくまで地球上の話、火星に関しては味方がいません」



 敵もいない、けどくる可能性はあるか。味方と違って、リスクほぼないもんね。



「出れるのに出れない。原因は人間という使い易い駒が増えるまで封印したお前たち旧神。そして私はその中でも2本指のトップにいた存在、恨んで然るべきでしょう」



 はえー、納得。そりゃ恨むわ。



 人間なんて催眠すればいいはずなのに、催眠するまでの道のりが大変すぎる。



 大体20世紀には火星の表面を見るくらいのことはできたわけだし、その情報は旧支配者にも旧神にも伝わってしまう。



 火星でのんびり統治生活できると思ったら、結局信仰していた文明が滅んだ挙句地球の猿どものせいで出れなくなったって、なんというか...



 可哀想。猿である僕に同情されても嬉しくないだろうし、目の前でこんなこと言ったら肉片にされるだろうけどね。



「彼奴に直接聞いたわけではありませんから、本当かどうかはさておいて、もし本当に恨んでいるのなら、マリアがここにくる時に私もここにくる可能性を考慮していたかもしれません」



 じゃあその真偽を今すぐにでも聞かないと。位置情報補足を回避するためにテレパシーの利用は避けてくるかもだけど、ありがたいことに植物の死体が喋ってくれるしね。



「...ところで、あの植物らはどこに?」

「ああ、あいつらなら...」



 クトゥグアが親指で指した方向には、灰の山。



「あれになってるぜ」

「...」



 クタニド様が頭を抱えている。多分こういう精神性の違いこそ、神話生物が3つの大まかな分類に分けられている理由なんだろうなあ。

指パッチンで植物は灰になります

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