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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第七章 狂季愁豪理不
369/402

道標

0時だからギリアーフ

 今まで<ダンジョン>をめぐってきてわかったことがある。



 <ダンジョン>の中の様子というのは、いくつかの種類に分けられるということだ。



 図書館にあった<ダンジョン>など広い一つの部屋を壁で区切った形。迷路型。

 <<ゴブリン>王国>など階層で分けられた形。階層型。

 今いる洞窟のような立体迷路の形。洞窟型。



 もちろんこれらが組み合わされていることもしばしばあるけど、とにかくこの3種類が主な形だ。



「そう言い表せて、なんの得があんだ?」

「いろいろありますよ。特に<ダンジョン>についての情報を他者と共有する場合、1言で表せた方が互いに楽ですから」



 聞き取りやすいし、いちいち説明しなくて済む。



 それはつまり、とてもわかりやすくなるということ。



「でもよ、今こうして...探索?してるわけ」



 ガサガサ



「おらっ!...だけどもよ、それになんか関係あんのか?」



 ないわけじゃないよ。ちょっと薄いけど。



 とてもマップの共有がしやすくなる。洞窟型の今回は360°だけじゃなくて追加で360°動いてるからね。そこだけ伝えにくいけど。



「...あ、また同じところに戻った」

「だああ!!これで何度目だ!!!」

「まだ5度目です。この程度でキレないでください」

「ああ!?」



 どうどう。クタニド様の言う通り、ここでストレスをぶつけても意味がありませんよ。



 悪いのは全部、ヴルトゥームなんですから。



「くそっ、どうにかなんねえのか?さっきから堂々巡りじゃねえか」

「ここまでクリアできないとなると...普通じゃない可能性がありますね」

「んだよ普通じゃねえって」



 この場合の普通じゃないは、今までの定型に当てはまらないもののこと。



 つまり、第4の<ダンジョン>の種類ということ。



「それはなんだ?」



 いや、まず僕に聞くのやめましょうよ。僕はこれでも一般人並みの知能しか持っていないんで、あなた方の方が頭いいんですよ?



 ...まあ思いつかないと言ったら嘘になりますけど。



「それはなんなのですか?」



 何って言われても、多分クトゥルフ的にはこっちの方が主流かもしれない。



 つまり、ギミック型。特定の仕掛けを動作させない限りクリアできないタイプのやつ。



「...そんな迷宮作ったことあったっけな」



 アイホート様は、というか神話生物っていうのはそれそのものがギミックですからね。呪文で退散させなければいけない、っていう。



 この場合はどこぞの混沌が乱立させてるからですから。何もないところで行われる風評被害的な。



 あいつのせいですよ、迷宮=ギミックって。



「まああいつのことは置いておくとして...となればその肝心のギミックですが。見かけましたか?私は見かけませんでした」

「右に同じく」

「俺もだ」

「注意深く見てるが、我もだな」

「私もです」

「ぼ、ぼくも...」



 僕も。てことは全員見てない、ってことか。



 うーん、洞窟内に確かにあるはずなんだけどな...なかったらクリアできないし、そんな迷宮神話生物が作るはずがない。



「言い切るには早いでしょう?」



 いいや言い切ることができますよ。神話生物が人間をゴタゴタするときってのは楽しむためですから、最終的にどんな形であれ帰ることができるようになっているはずです。



 ゴールがなくて永遠に彷徨ってる人間見ててもつまんないですよね?



「確かに」



 そういうことです。



「じゃあどこにあんだよ。そのギミックってのは」



 それがわからないから悩んでるんです。



 そもそもの話、自分より頭のいい神話生物様方が考えてわからないのなら、僕がわかるわけありませんて。



「...なかなか苦戦しているようだな」



 あ、ヴルトゥーム。



「おらヴルトゥーム!!!!てめえギミックはどこだ!!!!!」

「ギミック...そうか、そこまでは辿り着いたのか」



 ええそうですよ。あんたが観察している間にね。



「しかしいいのか?このまま言ってしまえばお前たちはヒントを乞うたことになるが」

「少し癪ですが...そもそも、ヒントを言うとはつまり貴方にクリアして欲しいという意思があることになります。今のままではその意思に反しますから、貴方が困るのでは?」

「ふん、ただの強がりじゃないか」

「私はいいですよ?ここで無限に時間を過ごしても。結局ドリームランドにずっといるのとなんら変わりませんからね」



 それはそう。実際神話生物であればここだろうとどんな場所だろうと生きていけるだろう。



 僕たちは死ぬけど。



「...まあいい。今回は特別に、ヒントを出してやろうではないか。まさかお前たちがこれほど低知能だとは思わなかったがな」

「はっ、それこそ私たちの思う壺ですが?」

「いや、このヒントを聞けば自分たちが低知能だと言うことを理解するだろうさ...」



 神話生物に低知能と啖呵を切れるのは、流石に神話生物といえどもなかなかできない。



 それほどすごいヒントなのか...?






「お前たち、入り口に書いてあった文字を読まなかったのか?」



 ゑ?

次っていつになるんだろう。いや、普通に考えて27なんですけどね?

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