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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第七章 狂季愁豪理不
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それはそれとして。

雨、許すまじ



本日から3日投稿になります。

 衝撃の暴露、いやこの場合は発見?



 どちらにせよ、普通はありえないことが起こっている。



 僕の出生に神話生物が関わっている...そんなこと、今さら言われたってね。



「どういうことです?」



 建物大きな穴を開けたのち、イゴーロナクが問う。



 いや、単純な話なんだけど。そもそも神話生物は1人間が扱っていい存在じゃないのよ。



「当たり前です」



 この場合の扱うは主従じゃない。強力してくれることや願いを聞き入れてくれること、自分に有利な展開にしてくれることも、全部そうだ



 でもこうしてここに扱っている事実がある。確かに自由に操っているわけではないが、扱ってはいる。



 それは下級の神話生物、ショゴスやクトーニアンだけにとどまらない。下はミ=ゴ、上はシュブ=ニグラスまでだ。



 ありえない。なぜこんなにも僕の周りに神話が集まるのか...好きではあるといえども、だからこそ理解に苦しむ。



「そうですか...なら少しだけいいことを教えてあげましょう」



 何を?



「旧神と旧支配者、この二つの勢力が敵対していることは知っていますね?」



 もちろん。クトゥルフ神話の基礎だ。



 クトゥルフ神話には主に3つの勢力がある。



 人間に比較的味方することが多い旧神

 大体敵でしかない旧支配者

 中立あるいは中庸である外なる神



 この中でも旧支配者と旧神は地球を奪い合って戦争をしたくらい仲が悪い。その戦争のせいで旧神はドリームランドに閉じ込められたし、旧支配者は堅牢な封印をかけられた。



 お互い、無事ではいられなかった。だから度々復活しても、お互いがお互いを邪魔する関係になる。



「しかしその上で私たちが協力をする理由...あなたならどう考えますか?」



 ...急だな。でも考えますよ、神話のことなので。



 ただ敵対関係の声明が協力する時、その理由はほぼ1つに限られる。



 つまりは、共通の敵が現れたときだ。



「ほう」



 その共通の敵がどんなのかはわからないけど、ミ=ゴや夜鬼、ショゴスに加えて旧神旧支配者も敵対化しないことを鑑みるに外なる神ではなさそう。



 多分胡散臭いおっさんが妥当じゃないかな。



「...その考え、ゆめゆめ忘れぬように」



 正しいのか、間違っているのか。それすらわからないけど、とりあえず覚えていてほしい、と。



 まあ記憶の片隅に入れておこう。



「いたぞ!」



 声が聞こえる。振り返れば、後ろに何人もの大人。



 全員武器を持ち、こちらに殺気を向けてくる。



「懲りないねえ。操られているだけなのかもしれないけどさ」

「なんだと!?」



 少し待っていると、今度は進行方向にも現れる。



 いわゆる挟み撃ちだ。



「これで数も状況も有利だ」

「その程度で?」

「程度だと?今ここにいるのは外から来た奴らばっかだ。それもここら辺の<ダンジョン>を目的に外に出ている、な」

「では...私たちに少しは苦労させてくれると?」

「それだけじゃない。あんたたちを殺すことだってできる」



 数は...表7裏5。村長宅方向が多いな。



「さて、どうしましょうか」



 そんなこと言われてもね...もう強行突破でいいよ。



「よろしいのですか?」



 君筆頭に、もう何人も死んでるからね。隠蔽しようと思ったら、それこそヴルトゥームと同じことをしなくちゃならない。



 だから開き直って、いつもの通り蹴散らしていく方向でいこうかなと。2回目の時点で思ったんだよね、やっぱ神話生物が隠れてこそこそしているのは似合わないって。



「はあ...」

「決まりですね。軽く捻り潰しましょう」

「はっ、たった1人で何がでk」






 瞬間、色のない何かが女の心臓を貫いた。



 音もなく、空気の動きもない。純粋な<魔力>の塊。



 平たくいえば、光線。それをイゴーロナクは指先から発射した。



「...?」



 何が起こったのかわからないという顔をしつつ倒れる女を横目に、さらに発射する。



「な、なんだそれ」

「くそ、早く逃げ」



 ることができるとでも?



「ぎゃっ」



 ものの数秒足らずで全滅させ、歩を進める。



「あ、ショゴス。吸収しといて」

「わかりました」



 死体は残さず喰らう。僕自身の栄養にはならずとも、ショゴスには栄養になる。



 満足に食べさせてあげられていない以上、食べられる時に食べさせた方がいい。



 それに。



「そんでな、俺は言ってやったんだ。ここはおめえらの住んでいい場所じゃねえ!ってな」

「すごい!それで、どうしたの!」

「燃やしてやったぜ。あいつらの住処をな」



 死体は教育上よろしくない。僕にとっては関わりのないどころか敵だから殺せるし死体を見れるだけであって、ハルトくんには辛すぎるものだろう。



 ...やっぱり変わったな、僕も。



「そうですね、マスターは...出会った頃から相当に変わりました」



 一番変わったのは肉体だけどね。半分ショゴスだったり、もう半分はイゴーロナクだったり。



 でも、何より過去と変わったのは...



 まあいいや。思い出しても碌なことにならなさそうだし。



 あ、そういえば村長宅にたどり着くにはどれくらいかかるんだっけ。



「このまま歩くのなら10分ほど」



 じゃあその間は暇なんだよね。



 何をしようか。ちょっと本気出すことになったし、このままだと戦闘がつまらない...



 ...そういえば、対策必須のカードがあったな。それについて考えるか。

対策必須...?

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