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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第七章 狂季愁豪理不
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地球にボコボコ建てられる、いや掘られている地下研究施設

重要回ではないと思います。



メインストーリー進まないしね

「...これで検査の全行程が終了しました。マリア。お疲れ様です」

「私からしてみれば初めてですが...やはり聞いていた通り、科学力はずば抜けていますね」

「イゴーロナク様のような存在にお褒めいただけるとは。光栄の至り」



 久しぶりのミ=ゴによる人体解剖。



 あの時よりも色々見えるようになったおかげで、すごく楽しめた。



「どうでしょう。肉体の老廃物なども取り除いておきましたから。相応に体が軽くなっているはずです」

「確かに各関節部の動きが滑らかになりました。私にも気付けないようなものがあるのですね」

「内側から見えるものと外側から見えるものには違いがあります。ショゴスがわからなかったのも仕方ないことかと」



 確かに、少し見方が違うだけで見えてこないものというのは存在する。



 肉体についてもそういうものがあるってことなのかな。僕はわからないけど。



「それについては私からも礼をしよう。だが、私たちに見せたいものというのが見えてないぞ?」



 そういえばそうだった。僕たちは見せたいものがあると言われてミ=ゴについていったのであって健康診断をするために行ったわけではない。



「ああ。すっかり忘れていた。久しくネコマタ以外を観るからな。少し興奮していたのかもしれん」



 口調が変わった。医者から研究者へシフトチェンジした証拠だ。



「さて。どこから説明をしようか」

「ショゴスが理解できる程度のことから頼もうか」

「そうか。それなら本命からだな」



 研究室、および医務室にはあちらこちらに棚がある。



 それらは全てガラス張りのスライド式の戸によって仕切られていて、いつでも中身を確認できる。



 その中には薬やら目玉やらあるわけだけど...1つだけ整理された書類おきになっている棚がある。



「これだ。しっかりと記録を物理媒体に残してあるな」



 一冊のファイルを開き見せてくるのは、なんらかのレントゲン写真。ただこのタイミングで見せてくるので見当はついている。



「昔の、マスターのレントゲン写真ですね」

「そうだ。これ自体に違和感を感じるか?」

「ほう?」



 注視してみる...



 ...



 ...



 ...何かあるようには見えない。ただの骨が写ったレントゲン写真だ。何度も見たことあるからわかるけど、本当にレントゲン写真でしかない。それも一般的な。



「何かおかしい部分があるのか?」

「そうか。それならこれはどうだ」



 そう言って白衣のポケットから写真を取り出すミ=ゴ。君その状態でも白衣着れるのよね。



 と、これは...おかしいところがバリバリあるな。



「なんだこれは。骨などが何も写っていないぞ」



 いや、写ってるものはありますよ。



「何?」



 肉体です。形状や体型のことを考えると、これは...先ほど撮った僕のレントゲン写真だ。



「聞きましょう。これは先ほど撮ったレントゲン写真で?」

「そうだ。これが今のお前の肉体だ」



 すごいね。骨盤とか内臓とか一切写ってないよ。



 多分色々みるために写真いっぱい撮ってて、それを全部見せてくれているのだろうけど、その一切合切に僕の肉体の輪郭しか写ってない。



「どういうことだ?私は人体の内部の改造などはしていない」

「...それをしたのは私です。それくらいは消去法でわかるでしょう」



 流石にね。だから別にこれを見せられたところでなんの疑問も抱かないけど...?



「なるほどな。では今度は順を追って説明しよう。」



 どこからかホワイトボードが飛んで来る。



 そして2種類の、僕を写したレントゲン写真を貼り付けていく。



「私は医療の傍。研究を同時に行っている」

「それがミ=ゴの生態と言っても過言ではないからな」

「ああ。だからマリアの肉体を見た時。まず検体とすることができる量の細胞を摂取させてもらった」



 それは別に問題ないけど、それとこれとなんの関係が?



「細胞を摂取した時。まずやることは培養だ。培養することで被験体を増やすことができるからな」

「当然の思考ですね」



 培養もまた研究だしね。どうやったら増えるのか、とか。



「だが...なぜだかわからないがマリア。お前から摂取した細胞は。ミ=ゴのありとあらゆる歴史を使っても培養できなかった」



 なんか急にスケール大きくなったよ。



 あらゆる歴史って、ええ?



「どういうことだ?」

「文字通りの意味だ。ここの設備には確かに限界があるが、それでも生物1つの細胞を培養することができないわけじゃない。自分の研究目標ではないが。研究の過程でいくつもサンプルを培養してきたからな。一通りのキットは揃っている」

「でもできなかった...?」

「ショゴス。お前を培養することもできる培養キットが。だ」



 まあショゴスとの混ぜ物になってるわけだしそれはしょうがないかも...いや、違うか?



 あの頃、僕は左腕がショゴスになっていない。検査は左腕を犠牲にする前のはずだから。



「なぜなのか理由を考えてみたが...正直に言って全く思い当たらなかった。お前の母親と父親は変わらず人間であり。お前の肉体構造も人間と変わりない。細胞が培養できないなどありえないからだ」



 そうだね。母さんと父さんは人間だ。母さんは<伝説の20人>で父さんは王国守護騎士だけど。意外とスペック高いんだよね僕。



「だが数ヶ月前。お前の母親の細胞が手に入った。死体であるそれは研究材料としては好都合だ」



 まだ母さんが死んでから数ヶ月しか経ってないんだ...時間って長いようで短いね。



「ならばちょうどいいということでその母親と細胞の照会した。子であれば遺伝があるからな。特徴的な遺伝を持っていればそれが糸口になる可能性もあるからだ」

「その糸口は見つかったのか?」






「ああ見つかったよ。メアリーとの細胞一致率が20%を下回るという結果をね」



 ...ファ!?



 母さんとの一致率20%未満て。それもうほぼ子供ではないってことじゃん。



「本当の母親は別にいる?」

「そういうわけではない。調べれば調べるほどマリア。お前はメアリーの娘だ。血のつながっている、正真正銘のな」



 やばい、こんがらがってきた。情報量が少ないようで多すぎる。



 理系でない僕だと頭が痛くなりそうだ。



「わかりやすく、簡潔にいえませんか?」

「そうか。ためた方がいいと思ったが。ならさっさと言ってしまおう」



 一度深呼吸を挟めるほどの、静かな空間が現れる。



 そしてそれを破るのは、それを作り出した本人であった。



「お前の出生には神話生物が関わっている。それがどれほどの存在なのか。まではわからないがな」

えええ?

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