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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第七章 狂季愁豪理不
359/402

アンジェリア戦③ 脳筋こそ至高

科学力によって生まれる状態異常のうち、一番強いやつ。



あと放射線に関する話が出るので、ちょっと注意してください。

「ーーーーーーーーーー!」



ここら一体に鳴り響く、甲高い音。



全くもって何を言っているのかわからないその音は、おそらくクタニド様から発せられる声、<詠唱>。



理解の範疇を越えているため予想しかできないけど、クタニド様はかなりの高速で喋っている。



単語ひとつひとつに<魔力>を込めた上で。そうなればただの音響兵器と差し支えないものになっても仕方ないだろう。



そんな耳を壊す音とともに現れる、クタニド様が扱う<現象操作>。



出てきたのはただの...青い光。



特別痛いとかそういうものは一切ない...いや待て。






「なんて危ない!旧神の名が聞いて呆れますよ!まさか子がいるのにも関わらず平然と放射能を扱うなんて!」



だよねえ!流石の僕も科学で勉強したぞ放射能。必修授業だったからね。



こいつは臨界状態の...確か、デーモンコアだったっけ?と同じやつだ。え、僕食らっても大丈夫なやつ?



「安心しなさい。母が<保護>をかけてあります...クタニド!」

「何、あなたなら被曝前に<保護>を使うだろうと思ったまでですよ」



よかった、問題ないらしい。そして神話生物には当たり前のように効かないと。



だけど流石にアンジェリアには効いているはずだ。あれは生命を蝕む、科学で再現した呪いみたいなもの。



中央部にいたら流石のアンジェリアといえども...



「...ふぅーーー!ふぅーーー!」



うっそん。肌ドロドロになってなお生きてるってどういうことですか。



てか治って溶けてを繰り返しているのか?まるで池みたいに肉だったものが溜まっている。



"再生レベルが上がるまで耐えなさい!"

「ふぅ....ふふふ!ははは!」



痛みとか想像を絶するはずだけど、いや、痛みは快感に変換されるんだっけ。



そしてダメージが入るたびに再生能力は強化され、ついには一撃で倒す以外方法がなくなるとは聞いていたけども。



槍を杖代わりにしてようやく立っているとはいえ...まさかここまで再生能力が強力であるとは。



「どうした!早くかかってこないのか?私はまだ生きているぞ!」



怖いって。その状態で生きていれるの本当になんで?しかも結構流暢に喋ってるし。



絶頂を封印されているとはいえ、快感はさぞや強烈なものだろう。痛みを無限に快感へと変換するなら、今のありえないほどのそれであれば動けなくても仕方ないほどのもののはず。



「...流石にこれは驚きましたよ。放射能を至近距離で30秒も浴びて、なお生きていられる人間がいるとは思いもしませんでした」

「私だからさ...一体どんなカラクリでこんな攻撃をしたのかわからないが、<伝説の20人>の中でこの攻撃を受けられるのは、まあ対策すればほぼ全員できるだろうが、そんなものなしで食らうのなら私くらいしか生き残れまい」

「ならいいのですが」



本当にね。こんな化け物があと14?いるってんだからさ。



どうするんこれ。神話生物がある程度本気出しても倒せないって。



「しかし、本当に生き残れるだけのようですね。私は隙を晒しています。あなたなら攻撃してくるはずですが、それをしないということは...」

「ああ、流石に堪えたよ。私とて、立つのがやっとだ」



溶け続けている体、もう6割以上修復されているんですけどね。



「。ではこのまま

 。一時的ではありますが、収容しましょうか」



岩が出てきて叩きつけけられるアンジェリア。



そのままその岩に腕と足が固定され、それを氷が包んだ。



「。少し頭を冷やしなさい

 。あなたならこの洗脳程度、なんとかできたでしょう」




それはそう。



と、今度はクタニド様何したんだろう。一見何もしていないように見えるけど、確かに言葉に<魔力>が込められていた。



「放射能を除去しただけですよ。流石にこのままではこの地域一帯が使い物にならなくなってしまいますし、イスの偉大なる種族にも迷惑がかかります」



使った時点でこの村にいた人全員と近くにいたであろう魔獣の全てが被曝、大きなダメージをおったはずですけどね。



その証拠に、ちょっと離れたところでこっちのことを見守っていた群衆は全員ぶっ倒れている。



あまりにも凄惨な大量殺人。こういうこと起こるなら、確かにイスの偉大なる種族は苦労するだろう。



急に放射能汚染が起きるのもびっくりだしアンジェリアが耐えるのもびっくりだし放射能が当たり前のように除去されるのもそうだし人が一気に死んだのもそう。



こんなの胃がいくつあっても足りないって。大丈夫かな、サオさん。



「子よ、それはイスの偉大なる種族の名で?」



うん。この世界の運営をしているんだけど...



「まあ彼らなら大丈夫でしょう。それはそれとして、ここに村長はいませんでしたね」



そう...だね。うん。切り替えていこう。



そしたら一度戻ろうか。ハルト君が待っているはず。



============================================



「ぐはっ!!」




「だ、大丈夫っすか?」




「ああ、問題はない...この程度、なれたものだ」




「吐血がっすか?」




「そうだとも...なれていないと、この仕事はできないぐはっ!!」




「胃薬持ってます?ないのなら買ってくるっすけど」




「大丈夫だ...それより030−19、お前は自分の胃を心配しておけ」




「え、なんでっすか?」




「勘がつげているんだ、030−19も吐血することになるとな」




「いや、そんなわけないじゃないっすか。確かに例外者の周りでいろんなこと起きてるっすけど、俺っちが胃を痛めるようなことなんて何ひとつ...」




「ほ、報告です!」




「ん?なんすか?」




「例外者の呼び寄せた神話生物のうち1体が、放射能汚染を引き起こしました!」




「...グハァつ!?」




「ほらな、こういう時の勘は当たるんだ」




「うう、社長...胃薬分けてくださいい...」




「分けてやりたいところだが、それは無理な相談だ」




「な、なんでっすか。社長はポケットに1カートン」




「当たり前だろう。俺もその報告でダメージを負ったからぐはっ!!」




バタッ




「しゃ、社長!?今医務班を呼んだっすから、耐えてくださいっす!」




「はは...亡くなった親父の顔が見えるよ...」




「まずいっすよそれ!もうくるんで、その亡霊祓って」




「ああ、父さん。わかってる。俺ももうすぐ、そっちに」




「生かせないっすよ!社長にはまだまだ仕事が残っているんすから、逃がさないっす!」




「く、やめろ、離せ、離せえええ!!」

出血並みのダメージを遅行毒くらいの頻度で受けます。



やばすぎい。

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