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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第七章 狂季愁豪理不
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アンジェリア戦② 痛覚変換上限なし

5度寝しました、どうも。

「。さすがは<伝説の20人>

 。伝説という名を持つだけはあります」



余裕ぶった声を出すほどはあり、その槍は少しも肉体を掠ったりはしなかった。



<装甲>だ。



「...?」

「。あまり見慣れないものでしょう」

"だいたい分かったわ。これ<魔力>そのものの壁よ、体に沿うように張っているんだわ"



ダメージの低減。それはつまりそれ以下の攻撃は触れることすら許されないということ。



触れないのなら触れることによって起こることも起こらない。どれだけ高い攻撃力も当たらなければ意味がないのだ。



「<結界>とは異なるのか」

"流石に<瓦割(タルワリ)>でも割れないというのは大きな違いよ"

「なるほど、全然ダメージが入っていないように見えないのはそういうことか」



<瓦割>。いかにも<結界>を破りそうな<魔技>だ。



"でもどうするの?切り札はちょっと前に使ったばっかだから使えないわよ?"

「そうだな...当たらないのなら、もう少し踏み込んでみるか」






その瞬間。僕の目の前でありえない光景が広がった。



順に紐解いていこう。まず、アンジェリアさんが僕の目で追えないほどの速度で加速、突進を行った。



今この場所はクトゥグアが燃やした宿跡地であり、レンガなどの瓦礫が散乱している。踏み込みなんて碌にできないと言っていい場所。



そんな不安定な場所で地面を抉るほどのスタートダッシュ、その速度が乗った槍の一撃を放ったんだ。



次に起こったこと、それはクタニド様がアンジェリアの攻撃を避けたこと。



神話生物の肉体は文字通り特別で、クタニド様の体もそのはず。



であるなら、そもそも<装甲>なんてしなくても現世の武器による物理攻撃なんてダメージはないはずだ。



そしてそれはクタニド様も分かっている。その上で避けた。



攻撃が当たったら大きなダメージをもらうと、言っているのと同義であるにもかかわらず、だ。



なんらかの<魔技>を使用しているとは到底思えない、ただの槍による攻撃を。



回避したということ。それ即ち、本当にアンジェリアが勝ってしまう未来が起こり得るということだ。<魔力解放>を行っていないといえども、その可能性があるだけでとんでもないことだ。



その次に起こったのは、凄まじい数と速度を併せ持った連続攻撃。



目で追えない。速すぎて捉えられない。



腕や槍の動きが残像として理解できる程度で、実際にどんな動きをしているのかなんて全くわからない。



こんなこと、この世界で生きてきて初めての経験だ。



もちろんその全てをクタニド様は避けている。そのはずだ。



なぜならクタニド様もまた残像しか見えないから。マイクロ秒くらいまでなら見えるはずなんだけど、それですら見えないとはもはやどういう状況なんだ?



それが数秒続けば、今度は戦闘範囲が広がっていく。段々とお互いの体の動きが広がるようになって、残像とともに瓦礫が塵になる範囲も広がっていく。



1秒もいらない速度でさっきまで僕たちがいたところが直径数十mにわたって更地になっているのをみるに、相当激しい戦闘のようだ。



なおその中央にいる生物はお互いに傷ついていないという。環境被害だけ激しい。



少なくとも10秒は経っていないはずのこの時間でなんとか上に来れたのは、やっぱり母様のおかげだ。



余波は薄いモヤモヤが守ってくれているのをみるあたり、多分ランタンになっているクトゥグアのおかげだろう。



「子よ。母らはこのまま離脱した方が...」

「ダメだね。背中見せたら狙撃が飛んでくるよ」



まるで途中で抜けられないと思えるほどの高度な戦闘中だが、そもそもの話アンジェリアの目標はおそらく僕の抹殺だ。



僕はイゴーロナクであるとはいえどもめちゃくちゃ弱いからね。特に<伝説の20人>とかいう神話生物となぜかいい勝負をしているこの人たちなら、好きを作ってしまうだけで殺される。下手したら神話生物が本気になっていないのと同じでアンジェリアも本気でない可能性だってある。



「強いね。あんた魔法型だろう?なんで私についてこれているんだ?」

「。神話生物は全員そんなものですよ。この程度で追いついたなどど思わないように」



突きつけられた槍を右手で掴み、左手で風を生み出し切り裂く。



それを体の軸をずらすことで避ければ、さらに押し込みが進む。



「...」

「言葉も話せないか?それはつまり負けていると言っているのと同じでは?」



震える右手はかなり踏ん張っている証拠。これは確かにクタニド様が負けていると



「...ふむ、確かにそうですね。あなたと力比べをするのはいささか分が悪い」

「認めるのか。プライドが高いように見えていたのだが」

「そうですよ、神話生物は軒並みプライドが高いです。そしてそれを捨てるときは今ではない」

「何?」

「知っておきなさい...もしも100発の<現象操作>でびくともしないのなら、1000発の<現象操作>を使えばいいのです」


次は明日?

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