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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第七章 狂季愁豪理不
354/402

フラグ回収は迅速に

何のフラグでしょうか。

「くぅ...何よこれ、勝ち目があるとか言っておいて...全然無理じゃない...」



 ぺたり、と座り込むボス。どうも心は意外と弱いらしい。



 おそらくそこを突かれたな。心が脆いものほど、狂気は入り込まんとする。



 ...さて、ここからどう動くか。情報を抜き取りたいところだが、今の状態では間違いなくヴルトゥームに殺される。



 戦争はまず1年以内に起こる。その準備をするのなら積極的に味方に引き込む方がいい。特にこいつは<時属性>という珍しいものも持っている。採用の価値はあるだろう。



 人形...まあ、うん。あいつはな、言葉使い荒かったし。やろうと思えばショゴスが再現できるからね。



 まあ、とりあえず戦意喪失しているみたいだから取り込もうか。



 バレないよう下の方から<スライム>を食べまくって、こっちに引き込む。



「わぷっ」



 成功。そしたらそのまま脳にアクセス開始。



 触手を耳にぶち込んで、と。



 ============================================



 なに、安心しろ。奴らとて<時属性>は効く。



「わかりました。この<タイム・レス>、必ずや主人様のために<魔王>の首を持って帰ります」



 うむ。待っているぞ。



 ============================================



 ...水に沈んだ携帯端末を解析する時ってこんな感じなのかな。本当にボロボロというか。



「しかしこれなら楽ですね。まずは私の情報を送り込んで...」

「食べ終わりました」



 お、ナイスだショゴス...うんうん、だいぶ大きくなったね。



 これなら数ヶ月持つだろう。そしたら、そのまま宝物庫を漁ってきてくれ。



「了解です、マスター」



 で、裏ではイゴーロナク化が完了したと。



「ふっふっふ。これでこの世界で<時属性>が使えるようになりますよ」



 おっと、それはどういうことで?



「すべてのイゴーロナクの記憶領域は共有されています。だからこそ、視覚情報として別の映像が見れるわけです。そしてイゴーロナクに新たな者が加わった今、その者が持つ才能を盗ることはできずとも、その者が知る情報は得られる」



 だから<時属性>の魔法が使えると...なるほどね。



「もっともそれは一部だけでしょうが。彼女が使っていた時間遅延くらいなら使えるようになるでしょう」



 いいですね。<勇者>の野郎もなんかデメリットをつけまくることで<時属性>の<魔技>を行使していたし、僕も上手くすれば...






 ポンポン



 肩が叩かれる。はて、さっきまで後ろには誰もいなかったはずだけど。



 丁寧に振り返ってみれば、そこには久しぶりに会う顔が。



「...」



 やあ、ティン。どうしたんだい?



「...」



 えーと、なんて言いたいのかわからないけど、いやそれは嘘か。



 言葉にされなくても大体わかる。大方、こっちの様子を見にきたんだろう?



「...」

「え、この魔法ですか?いやいや、使うわけがないでしょう?」



 そんなことやったらあなたたちに捕まっちゃうって。



 シュウウウウ...



 だからさ、ほら、ね。応援呼ばなくていいから。



 フォンフォンフォン



 サイレンも鳴らさなくていいから。僕たちまだ何もやってないって。



「ああ、なるほど。持ってるだけでも犯罪、と。いや、でもそれは他の神格にも...現行犯?いやいや、私はただ譲り受けただけで...それでもダメ?ああ、そう...」



 イゴーロナク、さっき言ってた対策がどうこうは?



「もう無理ですね...こんなに早くから囲まれることは想定外です」



 あ...ダメか...



「連行する?わかったよ、ついてくから。そんな強く引っ張らないで。え、手錠するの?オーケーオーケー、暴れないから。痛くしないで、ね?」



 ============================================



「...」



 だから、まだやっていないんだって。手に入れただけなんだって。



「...」



 そんなさ、睨まなくったっていいじゃん。いや顔が全くわからないから睨んでるのかどうか知らないんだけどさ。



 ほんとなんだよ。僕はただ巻き込まれただけで...



「...」



 肯定してた?いや...してないような気がするけど...



「まあまあティンダロスの皆さん。こっちもこっぴどく叱っておくっすので、そろそろ許してあげたらどうっすか?」

「...」

「再犯の可能性...まあ、否定はしないっすけど、するにしてもここの、イスの偉大なる種族の目が行き届いてる場所だけにさせますんで」

「...」

「おお、良かったっすね。マリア、何とか罰金20万で済んだっすよ」



 いや、罰金でいいんだ。



「良かった...」



 それでいいんだ...まあ、イゴーロナクがそう言うんだ、多分いいんだろう。



「ちなみにその罰金はどうやって支払うんだい?」

「まあ、もちろん普通は払えないっすよね。ティンダロスの通貨っすから。なんで、ここはこっちが払っとくっす。出世払いっす」



 出世払い...まさかこの歳で借金することになるとはね。



「ちな十一っす」

「たっか」

皆さんも時空を渡る時には気をつけましょう。

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