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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第七章 狂季愁豪理不
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腕をクロスさせた状態で窓ガラスに突っ込んで破りながら外に出るあれをやってみたい。

火曜に補完します

 グラグラと揺れる地面に降りる。



 鎧などで着込んでいるとしても、やはり地震によって体幹を崩されるときついらしい。



 持っている武器を支えに持ち堪えようとしている。



 かくいう僕もちょっとこの揺れは経験したことがない。日本って結構地震が多かった気がするんだけどね、さすがクトーニアン。



 そしてこういう時こそが好機。一直線に図書館まで向かう。



「わあ!?」



  <魔力撃>の推進力によってきりもみ状態になりつつも吹っ飛んで進む。



 イゴーロナクですら姿勢を制御できないというのは、空間すら揺らしていることを意味している。ちょっと強すぎませんかね。



「くそっ、図書館に向かってるぞ!!」



 喋るだけの余裕があるか、だけどそんなことを言ったところで誰一人として動くことはできなかった。



 また自分も無理やり進んでいるため止まることはできないが、しかしそれは止まろうとする理由にはならない。



 そのまま図書館に突っ込



「おおお!!」



 ブン!



 手斧を投げてきたか。だけどこちらは錐揉み状態で、かつどこに飛ぶのか投げた本人すらもわからないだろう手斧を避けるか防ぐか掴むかしなければならない。



 ...ヒュンヒュンヒュンバン!



 ガタン!



 よし、答えは何もしないで正解だったようだ。まあ判断したのは僕ではなくイゴーロナクなんだけど。



 なんとか図書館に入れた。着地は背中でだから結構痛いけど、今はそれに喜ぶべきだ



 だけど時間はない。次は村長か村長に準ずるもの、尊重の情報探し...と言いたいんだけどね。



「怪我はない?」

「う、うん。だけど...」






「なにかが...おかしいような...」

「そうだねハルト君。そしてそれは当たっているよ」



 重要なことが一つある。揺れが一切ない。



 クトーニアンの地震は超常現象や天災の一種と言っていい。それほど強いものだ。



 だけどこの図書館は一切揺れていない。通常の建物なら揺れるし、外の図書館もただ一つだけ揺れていなかったなんてことはなかったはず。



 であればなんなのか。その答えは、この世界では1つしかない。



「ここも、<ダンジョン>のよう...!」



 ピンポンパンポーン



 不意に館内放送が鳴り響く。すぐに警戒体制に入るけど...何も出てこない。



「えー、テステス。どうも侵入者さん、ああええと、<魔王>さんの方が正しいかしら?」



 OK、こっちのことはわかってるか。



「...なんのこと?<魔王>って何の話?」

「とぼけても無駄よ。こっちには色々情報があるんだから、ね」



 それも確証を持って。揺さぶりではない可能性が高いな。



「情報ねえ...それって本当に確実なの?」

「<聖神信仰教会>の情報なんだけど...心当たりあるかしら?」



 100<勇者>だな。まあそりゃ報告するか、<魔王>とわかっているのならしない理由がない。



 ...となるとなんでその情報を世界に公開していないんだろ。したらもうちょっと行動方針が変わるんだけど。



「え...マリア、ってだれ?」

「ハルト君、君は騙されていたんだよ。そこの世界の敵である<魔王>にね。かわいそうに、純真無垢ゆえに騙されていたんだね」



 よくいうぜ、どうせヴルトゥームの手駒なんだろ。



 お前の方がよっぽど騙されてるって。



「ほんとう...なの?」

「まあ、隠す理由おないですね...ええ、そうです。ナクは偽名で、本名をマリアと言います。<魔王>としては、まだまだ半人前ですがね」



 ...離れようとはしないか。どうやらどちらかというと<魔王>よりらしい。



 ありがたいことだ。たとえどれだけ弱かろうと味方は多ければ多いほどいい。



「そ、れ、で?いったいきいは何をしにきたのかな?」

「簡単です。名も知らないあなたと、その後ろにいる生物に灸を据えようと思いましてね」

「はあ?あんなたちにそんな実力ないでしょ。第一...」



 今のうちに少し見渡す。



 図書館内部はかなり奥に広い。普通ならあるはずの司書さんがいるカウンターがなく、また照明は実際の火が灯ったシャンデリア。



 詳しく見れば見るほど<ダンジョン>だね、ここ。



「全50層の<大書庫>!突破なんてできないし、したとしても情報なんてないよ!」



 おっと、情報がないのか。



「それにもうあなたたちが入ってきた入口も閉じちゃった。出れないだろうけど、最後まで争ったら何とかできるかもね」

「仕方ありません、プランBでいきましょう」



 え、ここでもプランBですか。さっきもやったんでちょっとMPが気になり始めてくるんですが...



「関係ありません」



 あらそうですか。なら仕方ない。



「...む、我か」

「そうですよアイホート。随分貧弱な体になっていますが、本気を出せばこんな場所はどうにでもなるでしょう?」

「ふむふむ、そうだな。この程度なら数十分とかからずに突破できる」



 断言。よほど地震があるみたいだ。



 それもそうだろう、そういう存在だし?



「クスクス、そんな見栄張れるのも今のうちだよ〜?」

「マリア、<魔力解放>を頼めるか」



 ヨロコンデ!

さて、何をするんですかね

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