表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第七章 狂季愁豪理不
337/403

謎の人形使い戦② ~奥の手~

最後まで残しておくものです。

 そのまま掴み、サーベルごと投げ飛ばす。



 2つとも同時に宙を舞えば、それらはかなりの勢いでぶつかり合い、粉々になった。



 一見するとこれで終わったように見える...だけど、勝負はこれからだ。



 粉々になったそれは動き始める。HPは見えないけど、きっと目の前のボスと同じくらいは残っているはずだ。



 さて、この場面をどう乗り切るか...



「ショゴス、食べてしまいなさい」

「仰せのままに」



 左腕が溶け、地面を這う。



 それは粉々の残骸を吸収していく。



 体にそれが入っていく感触。それはあまりにも...



 ...いや、あんまり美味しくないかもしれない。一応ダイレクトに味覚が伝わってきてるからこそ感想を述べられるわけだけど。



 昔、お腹が減って齧り付いた木の幹の味と似たような感じがする。



 正直そこまで美味しくない。



「同感だ...ショゴスはよくこれを食べられるね」

「私たちは別に味を求めて食事をするわけではありませんから」



 納得の理由です。



「ちっ...一度戦ったことがあったか」

「そういうこと。まさかこっちもまた戦うことになるとは思ってなかったけどね。そういうところだけは君ってすごいよね」

「いちいち一言多いんだよお前はぁ!!」



 吸収し終えたその時、またしても<魔法陣>が現れる。



 が、今度は一つ、それもコンパクトなやつだ。



「まさか、こいつまで出すことになるなんてな...

 。力、現れよ

 。工房の希望、その野望

 。すべて受け止めし器よ、我が眼前に求めん

<夢の守護者(レフティ)>!!」



 <魔法陣>と<詠唱>の同時使用。僕は最初からやってたけど、そうすることで強力な存在が呼べるのかもしれない。



 それはともかく、<魔法陣>から人型の実態を確認することができ、すぐに警戒し体勢を整える。



 ...全身を金属の鎧で固めている。中に肉体があるかはここからじゃ見えないけど、少なくともあってもなくても変わらないことは事実だ。



 両手で抱えているのは...大鎌か?柄を地面に対し垂直になるよう持っている様は、確かに守護者っぽい。



 そうして全身が露わになれば、兜の隙間から赤い眼光が漏れ出てくる。



 こいつはなかなか、骨が折れそう。見た目からして強そうだし。



「へえ...そんな切り札が」

「はは、<骨工房>っつう<ダンジョン>の<ダンジョンボス>だぜ。お前らにこいつが倒せるか?いや、雑魚のあんたらじゃ無理かw」



 おっと煽り返してきたか。ちなみにこういうのは反応したら負けだから無反応が吉。



 と、走ってきたな。意外とすば



「...」

「っ!?」



 やい、どころじゃない。急加速したと思ったらもう眼前か。



 なんとか横なぎを避けつつ、とりあえず<魔力撃>。



 ドゴッ



「...」

「わー、おっ!?」



 全然効いてないし反撃してきた。やっばいこれ。



 <ダンジョンボス>であるだけはある、1人で戦ってはいけない系だ。



 というかそもそもこっちの攻撃が効かない時点でまず負けが濃厚なんだけど。



 さてどうしようか。



「どうしようも何も!この状況なら一つしかないだろ!」



 だよねー。



 てなわけでショゴス、時間稼ぎを頼む。



 って、言う前に分離してたか。さすがショゴス。



「テケリ・リ」

「...」



 瞬く間に触手と大鎌が交差する。いや、交差はしてないか。



 大鎌の攻撃は確かにショゴスを貫く。けど、ショゴスは物理攻撃に対して高い耐性を持つ。あまり効いているようには見えない。



 対して守護者も、触手がベシベシ当たってはいるけど、その鎧は相当に硬いのか全く効いていない。



 ...あのボス、おそらくステータスが高い上に装備を着込んでいるタイプだ。そりゃまともに戦ってもダメージ通らんわ。



「それで、何を呼び出しますか?」



 おっと、それを考えなくては。



 でもなあ。どうせ何呼び出してもどうなるかわかったもんじゃないんだよなあ。



「それはそう」



 うーん...そうだな。



 確か旧神が今バースト様とクタニド様。旧支配者がシュド=メル様及びクトーニアンとクトゥグア、イゴーロナクにアイホート、実は意外にナグとイェブも。



 で外神がメェーちゃん。その他がショゴスやらミ=ゴやらイスの偉大なる種族やら。ってなってる。



 いい感じにバランスを調整するなら、次呼び出すのは旧神か外神になる...



「いや、確か<勇者>がヌトスと会っているはず」



 ああ、そうだったそうだった。いかんせん自分が会ったわけじゃなかったからうろ覚えだった。



 となるとバランス的には外神か?一応ニャル様がいる...いや、あいつは勘定に入れなくていいか。



 うーん。でもそしたら誰を呼ぼうか。外神ってまず碌な存在じゃないんだよなあ。



 ...なら、曖昧な方にすればいいじゃない。



 そうと決まればすぐ実行。一気に<魔法陣>を組み立てる。



 三層構造。家を組み立てるイメージで。



 中には、そうだな。家なら柱と、住むものが必要だ。



「そいつは...<召喚>の類か!」



 と、邪魔が入る。どうやら<魔法陣>に無意味な線を足しているらしい。



 それはそれでいっか。外神は神話生物の中でも特に狂気に満ち溢れた存在だ。しかもそいつは旧支配者なのか外神なのかわからない上に旧神にも繋がりがある。



  <魔法陣>も狂っている方がいいでしょう。上手く扱えば、家具や装飾の類になる。



「チッ、<思考加速>かよ。面倒なもの持ってやがる」



 ショゴスは...まだまだ余裕か。攻撃がほとんど通らないのだからそれも当たり前か。



「いや、さっきから様子が変だな。おそらく何かの状態異常にかかってる」



 嘘お...



 ...確かに、なんか動きが鈍いような。それによく見てみたら、身体中の傷から見たこともない液体が垂れてる。



 それじゃあ急いだ方がいいね。ショゴスにはまだ死なれては困る。僕の大事な左腕なのだから。

さて、何が呼び出されるでしょうか。



ちなみに若干立ち位置がメェーちゃんとかぶっていたりいなかったり。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ