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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第七章 狂季愁豪理不
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まとめ処理

感想はちゃんと読んでます、がこれでも結構シャイなので返答とかはできません。ごめんなさい。



ですがしてくださるというのならとても嬉しいです。特に批評。自分のダメなところがわかるのは成長に繋がりますから。

 ちょっと...はあ...まずいかも...しれない...はあ...



「休憩が必要?」



 いや...もう大丈夫。少し落ち着いた。



 メェーちゃんのスキル、[魔力生成]は溢れ出すほどに<魔力>を体内で作ってしまうというもの。



 いわば電池といっても過言ではない彼女が頭の上にいるのだから、漏れ出た<魔力>が僕のところに来て実質<魔力>できると思ったけど、全然そんなことはなかったみたい。



 普通に消費量が上回ってて、ガンガンMPが削られていく。というか僕の見積もりがかなり甘かった。



 メェーちゃんから漏れ出る<魔力>の量がかなり少ない。予想では毎秒僕の最大MP+αくらい回復すると思ってたんだけど、結果はその1/4といったところだ。



 そして、後ろからやってくる多種多様の魔獣。名前とかはいちいちわからないけど、奴らの出せる限界の速度よりちょっと速め、つまりは絶対に追い付かれない速度を出すとき、そのMP消費量は750。



 いやはや、文字にするとかなり量が多い。燃費とか全く考えてないよねこれ。



 ーーーーーーーーーーーー


 MP 500/4000


 ーーーーーーーーーーーー



 で、僕のMPは最大でも4000。これ以上MPは絶対に溜まらない。



 毎秒600回復するとして、発動間隔を1秒弱とするのなら、うん。



 足りないね。



「これ以上は...僕も限界かも...」



 そして、想定外の運動が立て続けに起こっているのにも関わらずまともな睡眠を取れていない(寝てはいるけど6歳児が寝なきゃいけない最低ラインは跨いでない)のもあってかなり疲労している肉体の僕。



 そろそろ僕の体がストップをかけてしまう。ストップとはつまり心身に対する極度の疲労からくる気絶であり、そしてこの状況でそれが意味するのは...



 死。



 流石にそれは嫌だね。こんなところで死にたくはない。



 いやあ、今までかなりの回数生死の瀬戸際を反復横跳びしてたわけだけど、また今回もすることになるとは。



 しかしそうなるとまずしなきゃいけないことは助けを求めることだ。僕だけでは何も解決しないし、なんなら事は進まない。僕の事情なのにね。



 てなわけでショゴス、今肉体の僕はまともに喋れないので発話頼んだ。



「頼んだ...!」

「お任せください...アンジェリアさん!もう限界が近いです!」



 うおっ、びっくりした。左腕から急に僕の声がしたぞ。



 すごいなショゴス。僕の声帯を形成して喋ったのかな。



「もう少し耐えてくれ!あと...30秒!」



 アンジェリアさんの声がかなり前方から響いてくる。



 ...長いな。30秒全力疾走って相当よ。



 短距離走相当の速度で30秒走り続ける、こんなこと昔の、前世の自分なら一切できない芸当だ。



 でも今の僕ならできる。生物学的になんかもう人間とは色々違うしね。



「っあ!」



 草原を、木々が流れるような速度で走っていく。



 ピキピキ



 無理やり走っているせいか、脚から変な音が鳴っているが気にしない。同時にやってくる痛みにも無視だ無視。



 ショゴスがきっと治してくれるだろう。それを待っ



「無茶言わないでください。私とて再生するには安静が絶対ですから、全力疾走中なんてもってのほかですよ」



 おっと想定外。それだと気にする必要が出てくる。



 でもなんで鳴っているんだ?ショゴスの肉体は物理攻撃に対してとても強い粘性の体だ。走った程度で骨が軋むようなことなんてないと思うけど。



「一応聞きますけど、マスターはショゴスの粘性の体で軽快に走ることができるとお思いで?」



 いんや?鈍足であることがショゴスの弱点でもあるからね、流石に走れるとは微塵も思ってない。



「それが答えです。今マスターの肉体を構成しているのは確かに(ショゴス)の肉体ですが、マスターの精神的安定を確保するためにマスターが元々持っていた肉体に限りなく近い体を模倣しています」

「ど...どういうこと...?」

「この体は人間に、それも未成熟な体にとても近い。これでも可能な限りの補強をしていますが、もとより頑丈ではないものを支えても最大値には限界があります」



 なるほどなるほど。つまりだ。



 脆い僕の体がそろそろ耐震構造を持ってしても悲鳴を上げ始めていると。



「はい」



 やばいなそれ。やっぱり筋トレとかすうるべきだったかな。



 あと...大体20秒くらいある。走りきれそう?



「持つかどうかわかりません。それに止まったら最後相当な負荷がマスターにかかりますから」

「まじ...?」

「ええ。ここまでの疲労が祟ってます」

「ショゴスが治すことは...?」

「不可能です。筋肉を休めるには休息が一番ですから」



 終わったか、これ。僕の人生ここで終了か?



 いや、まだだ。流石にここで終わる事はないはずだ。だけどそう思考するのが2回目の時点でもう状況のヤバさが露呈してる。



 どうする...あと20秒を耐え切ってもそのあとがまずいことになる...



 流石にまた気絶はごめんだ。僕の場合、気絶はつまりどこかに飛ばされることになる。



 神話生物がたくさんいるから流石に死ぬ事はないだろうけど、万が一このMPがない状況で<<インベントリ>使用不可区域>になんて出会ってしまったなら、生きることはまず無理。



 魔獣1体自分の手で倒せないんだ。魔獣からしたらただの餌だし、自分の手で倒すためにイゴーロナク様の力を引き出すにも<魔力解放>のためのMPが必要。こんな疲れた状況で送られたらMPなんて回復している暇はないわけだからそれだってできない。



 つまり、詰む。



 ...気絶するにしても温存は必要だ。最低限神話生物を召喚できる=<魔力解放>1回分くらいはMPを確保しておかないと。



 でも温存できる状況ではない。そんなことしようものならたちまち速度が落ち肉の大波に巻き込まれ文字通りの人肉ミンチになる。



 メェーちゃんも寝ているから...起こすのは忍びない。そしてメェーちゃんが寝ているのなら神話生物もまた寝ている可能性がある。



 寝起きというのは怖いものだ。荒々しくなりやすくなる故に差し伸べられる手に期待はしないほうがいい。自分の手で、この状況を打破するしかない。というかこういうのが神話生物って好みなの、僕知ってるもん。



 さーて、どうするかなあ。




次回。解決...?

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