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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第六章 殺人狂気神話
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幕引き3 納期

普通に忙しかったやつ

「この[自主規制]が!!」




「ちょ、072-19!?あんたがそんな暴言吐くの初めて聞いたっすよ!?」




「当たり前だろ!なんで時間をかけてやろうとしたことをものの数時間でやらされることになった!!」




「それは...」




「全部!!全部あの[多量の呪詛]のせいだろうが!!」




「...稀に見る大惨事だな」




「あ、社長。おはよっす」




「ああおはよう。それで、こいつは何があった?」




「[貶す言葉]め...あとで絶対後悔させてやる...俺の苦しみを倍にして返すからな...」




「ええっと...まずこの映像を見て欲しいんすけど」




「ふむ、<ダンジョン>のボスにしてはえらく機械的だな」




「こいつは神話生物のうちの1匹でヌトスとかいうやつっす。全身ナノマシンにしたアホっす」




「何を考えてそんな肉体に...」




「ま今回はそんな関係ないっす。どちらかというとこいつが神話生物で、今戦っているやつに勝ち目がないことが重要っす」




「...<勇者>か」




「これが2度目の戦闘になるわけっすけど、本題はもうちょっと先っすね」




「少し聞きたいんだが、この映像は誰が?」




「例外者からの提供っす。あいつ<勇者>の中にスパイを紛れ込ませてるみたいで」




「戦う準備はすでにしているわけだ。それで?」




「ちょっと先に進めて...と」




「首を掴まれているな」




「その状態で1回目、腹にパンチ」




「む、避けたぞ」




「<直前回避>とかいう<魔技>で避けたみたいなんすけど...これがまあ曲者なんすよ」




「いーや<魔技>は悪でないね」




「040-71」




「<直前回避>。<魔技>はあまり強くしないつもりだったんだが、1個くらいはいいよなと思ってわざと強くしたんだよ」




「それとこれになんの関係が」







「...」




「感想はあるっすか?」




「「死ね[ありったけの罵詈雑言]!!!」」




「あんたらのは聞いていないっすよ」




「...まさか、こんな重大なバグがあったとはな。072-19、内容は判明したか?」




「3秒で特定した。あれは身体に対する時間加速が多重にかかることで爆発的な速度を出すことができるバグだ」




「2倍が4倍、8倍、16倍...みたいな感じで増えていくんだ。まさか時間加速にそんな欠陥があったとは、魔法を作っている時には考えも及ばなかった」




「...いや、あれはどちらかというと<直前回避>の判定によるバグだな?」




「その通り」




「あ?どういうことだ?」




「攻撃されたということを感知するフラグを回避中も残したままにしたな?回避した瞬間に時間加速が始まるように見えるが、そうであれば時間加速に関係なく速くなるもの全てに言えるバグだろう。ダッシュボードなんかも、乗った瞬間にもう一度乗ればさらに速くなるはずだ」




「なもんですぐに魔法から<ダンジョン>のギミックまで精査したら、全部にそれが残ってましたよ」




「......」




「言っておくが私ではないぞ。同時にいじられた形跡もあったからな」




「いじられた?」




「ついでにもう一つ。これは自分が見た時に気づいたんすけど...どうも暗号通信で<勇者>に声が届いてるんすよね」




「再生できるか?」




「もちろんっすよ。再生するっすね」




 ============================================



 そんなことはありません。



 お前は<勇者>。私が生み出した5人の強きもの。



 <魔王>を討伐するための、人間の切り札。



 ここで死なせるわけにはいかないし、死のうとは思わせない。



 教えてあげましょう。この状況を突破する方法を。



 君だけしかできないそれを。



 そうすれば...君は、目の前のそれを壊すことができる。



 ============================================




「「[特級呪物と同様の効果のある言葉]」」




「主犯か」




「意図的に発生させたのは間違いなくこいつっすね。やっぱろくでもないやつっすよ、あいつ」




「念の為他のバグも取らないとな。あと再発防止のための記憶処理は...」




「それに関しては例外者とヌトスがやってたっすよ。なんか既視感のあるやつだったんで混沌の野郎が関わってるみたいっすけど」




「できているならいい。あいつらにとってもまたやられることは避けたいだろうからな」




「連続で<更新>を三度するのはあまり負担がよろしくない」




「彼らの肉体か?お前の精神か?」




「どっちもだ。だから速度のバグと銃の改造はどっちも同時にやる」




「組み換えは終わったのか」




「なんとかね」




「ならなんの問題もない。あるとすれば...」




「...どうするっすか?流石にこっちとしても看過できなくなりそうっすけど」




「対応はするつもりだが、あいつも星を司る神であることに変わりはない。俺たちでやれるかどうか...」




「その時はその時だ。あいつには絶対に一泡吹かせるからな、覚悟しとけよあの[蠱毒にも劣らない毒]」

さて、これでこの章も終わりです。



前回の章と比べれば短いですが、まあ<勇者>が主人公でしたし。



次回からはマリアになりますよ。東に向かうと言ってましたけど、一体どうなるんですかね。

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