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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第六章 殺人狂気神話
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対ヌトス① モルモット

いよいよ戦いです

 ズドドン!!



 瞬間、放たれた2発の<銃>の...弾?か。



 2つ持っているのもあってかあまり精度は高くなく、前に進むだけで当たらなかった。



 ズドドン!!



 しかし2発目はそうはいかない。一度当たらなかったからか調整して...撃ってきた?2発目は、逆に頭に精度高く向かってくる。



 それを無理やり頭を捻って回避...少し掠ったか。



「<護心(マイルド)>」

「...?これは...なるほど、面白い魔法を持っているようだ」



 これでこっちの心は読まれなくなった。



「<通話>で話せばこちらの言葉もわからないですから、この戦闘の間はこれで会話しましょう」

「了解だ。とりあえず、俺とマイゲスは奴に近づく」

「バックアップは任せときなさい」

「頼んだぜ、メーノ」



 ズドドン!!ズドドン!!



 3、4回と撃たれる弾もまた狙いは正確。



 肩を狙った弾は姿勢を低くして避ける、だがその次の腹狙い、いや姿勢を下げた時の脳天狙いの弾がやってくる。



 キン!ズドン!!



 それを弾けば、また1発弾が来る。



 これはもう避けられない。普通は。



「<直前回避>」

「ほう」



 攻撃はできないが、速すぎる攻撃は直前で取りやすい以上これで回避することができる。



 MP消費量でタイミングが合っているかは大体わかるが...少し早かったな。



「反動つきの回避行動ね。よくそんなリスキーなものを使えるものだ」



 すでにバレているようだが、許容しなければ戦っていられない。



 相手はこちらより数段、いや数百段は格上の相手なのだから。



 さらに近づく。間合いまであと5歩。



 ズドン!!



 さらに1発は、マイゲスに対してか。なら歩を進められる。



 1歩、さらにもう1歩。



 ズドドン!!ズドドン!!



 撃たれた弾をさらに避けつつ弾き、さらに1歩。



 これで、あと2歩。



 マイゲスも同じくらいか。なら...



「俺は陽動(準備)すっからソルス行ってくれ」

「あいわかった」



 マイゲスが投擲するのを見てこちらも詰め寄る。



 マイゲスに向けていた<銃>を俺に変更していることを考えると全然陽動になっていないかもしれないが、しかし投擲された短刀は別だ。



 聖短剣ではないし白金(パム)でもないが、しかしマイゲスの筋力は俺に次ぐほどのもの。



 速度は<銃>から放たれる弾に匹敵しているのだから、威力は相当。



 つまりそれ自体が揺動になる。






 はずだった。



 カン



「な!?」



 弾かれる短刀。それを見て止まれる距離では、もうない。



 アルカマを思い切り振るう。十分に踏み込まれたそれは、バーストの爪ですら弾けるような威力のはず。



 ガン



 しかしそれすらもまるで歯が立たない。



 まるで、大きな金属塊を殴るような感触。それが腕に伝わってくる。



 一体どういうことだ?確実に腹をとらえたはずだし、チェーンメイルの類ではこの感触はありえない。



 いや、そもそもただの防具程度ではこの攻撃は防げない。短刀の攻撃と重ねたのだから...



 ...思考は後だな。これをするのはカミラの仕事だ。



「一旦離れるぞ」

「だな」



 ガイン!



 さらにもう一度大きな攻撃をヌトスにぶつけつつ、離れる。



 この攻撃もまた、聞いている様子はなかった。のけぞりもしていない。



「どういうものなのか、分かりましたかメーノ?私は分かりませんでした...」

「......」

「メーノ?」

「あ、ごめんなさい。少し集中してたから全く聞こえなかったわ」



 ...やはり、一筋縄ではいかないか。俺たちもバースト戦の時からかなり成長したはずなんだが、こいつと戦っているまでに経った一瞬だけで全く強くなっていないと思えてしまう。



 いや強くなれていないわけじゃないのだろうが。今までだったら<銃>の弾を避けられなかっただろう。



「何かあったのですか?」

「あいつ、さっきからこっちの<護心>を解除してきてるのよ。何度も張り直しているから読まれることはないけど...それに対応しなきゃだから、言った手前だけど正直援護できないわ」

「こちらも同じく。さっきから壁を跳ねる弾を利用してこちらの妨害をしてきています。やはり<銃>の構えが早いので弓が全く間に合いませんね」

「俺たちも何やら固い<結界>のようなものに阻まれた。感触としては金属に近かったか」

「うーん...攻めあぐねますね...」



 全くもって手加減がない。おそらく本当に勝ちに来ている。



「...どうやら困っているようだし、少しネタバラシしておこうか」



 はずなんだが、こうしてそれと真逆の行為をしてくるのだから意味がわからない。



「さっきから行っている魔法の解除だが、掛け直すのは意味がない。私は君たちの心をすでに読めているからね、<護心>に頼るのはやめておいたほうがいい」



 魔法の除去はキャパを増やすための行動だったか。



「...あんな一瞬で見破られるほど簡単な魔法にはしていなかったはずなんだけど」

「あいにく解剖は得意分野でね。それであとは...そうだな。少し私の仕事の話をしようか」

Nanomachines, son.

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