そこまで難しい話では無い
空いた時間でやっていましたが、なんとか投稿。
どんな属性になるのか、予想してみてください。ヒントは、3つ、です。
「まあ大丈夫だよお。今回はこれを持ってきているからねえ」
<インベントリ>の中を漁るお姉ちゃん。少し待てば、そこから丸い何かを取りだした。
水晶玉...いや違う。水晶のように透き通っていない。
...それも違うな。なにかが中にあって、透き通っているはずの見た目を透き通らなくしているみたいだ。
円盤状の何か...文字とか書かれているのを見るに、<魔法陣>?
「これはあ、<発見球>って言ってねえ」
「<発見球>?」
「そおそお。この中に入っている<魔法陣>があ、入れられた<魔力>に反応して色を出してえ、その色で得意な属性を見つけられるっていうものなんだあ」
おお、この状況でしか輝かないけど、なかなか便利な<魔道具>だ。
本来魔法を何個も使用しなければいけない所を、たった1回で済ましてくれる。
時短になって、しかもそれだけ多くの人数がわかるようになるから学校側としても楽だろう。
「ちなみにこれ欠陥品でえ」
「え?」
「<魔力>を入れすぎると爆発するんだよねえ。<魔法陣>1つ1つが青くらいの簡単な魔法を生成してえ、それを他の<魔法陣>が簡易的な<空属性>の<結界>で抑える仕組みだからねえ」
「...それ、質の高い<魔力>を持つ人もダメなのでは」
「大正解い!」
前言撤回、これは学校では使われないだろう。というか使えないってこれ。
僕はそこまで<魔力>の質...ステータスにおける魔力がそこまで高くないからいいけど、極端な話メェーちゃんが少し<魔力>を流し込んだだけで爆発する。
どれだけの爆発になるか想像もつかないけど、まず間違いなく触れていた手は使い物にならなくなるだろうね。そんな未来を摘み取るようなことはさすがにしないだろうから、学校が検査の目的で使うことは無いでしょう。
「まあ、今は私がいるからあ、強い爆発が起こっても平気なんだけどねえ?」
「念の為左手でやろう...ショゴス、それでもいい?」
「問題ありません」
「よーしい、行ってみよお」
<発見球>を受け取る。緊張するけど、やって損は無い。
<魔力>を流し込む。すると、<発見球>が光り始めた。
無色の球の中で、色が現れる。
まず出てきたのは、黒。
だけどただの黒じゃない。深淵と言えるその色は一気に個性のない球を染め上げた。
しかし、その黒に差し込む色がある。
無色。それは黒を染み込ませつつもところどころに現れて、
「危ない、マスター!」
ドゴーン!!
そして唐突に爆発した。
...ショゴスが守ってくれたからいいけど、これまともに巻き込まれてたらやばかったな。
「おお〜、派手に爆発したねえ」
「見れたのは2色だったけど、結局どうなの?」
お姉ちゃんは無事だった。どうやってかは知らないけど、ショゴスが反応して僕のことを守ったからお姉ちゃんも反応できたのかもしれない
「そうだねえ。まず目を引いたのはあ、やっぱり黒色だねえ」
「<闇属性>?」
「あの色の濃さだからあ、<邪属性>だねえ。やっぱりい、<魔王>ってことなんだねえ」
<邪属性>。確か攻撃に特化したものだっけ。
...使うことなさそー。僕攻撃できてもほぼ意味ないよ。
強いて言えば即死系統とか?でもメェーちゃんのパンチの方が威力高そう。
「次は無色です。<邪属性>の黒と比べたらありませんでしたが」
「<空属性>だねえ。得意な人はあまりいないからあ、個性だねえ」
こっちは使えるぞ、<空属性>。
そもそも<結界>でよく使う属性だからね。メインで使えば結構使いやすそうだし覚えやすそう。
教科書読んだ感じだと<複合属性>って簡単じゃなさそうだしね。
「でももうちょっとあって欲しかった...」
弱いとはいえ、この2属性だけだと何にもできない。
得意不得意関係なく全属性覚えなきゃだけど、これは覚えるのに苦労しそうだ。
「いやあ、あともう一つあるよお」
「もう一つですか?」
「でも確認できたとはその2色だけだったよ?」
「実は1つだけ色として出てこない<魔法属性>があってねえ」
ふむ...
...ん?
なるほど、どうやら...胡散臭いおっさんは胡散臭いクソッタレに名前を変えないといけないらしい。
「<爆属性>?」
「だねえ。また攻撃特化だあ」
なんで?なんで攻撃に強い属性しか来ないの?
僕支援だって。いや支援しかしたくないわけじゃないけど、支援くらいしかやることないって。
なんなら支援すらやらなくてもいいんだけど、あ、もしかしてそういう?
何もやらなくていい、ってこと?
「何事もお、応用が効くものだよお?」
「いつか攻撃ができなければいけない状況というのが起こるのかもしれませんし、とりあえずは落ち着いてください」
「うう...」
というわけでした。




