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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第六章 殺人狂気神話
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伝言ゲーム失敗

ちょっと体調良くなった...かもしれない。



頭痛が鼻水になったんですよね

 やつが行ってくる行動はたった1種類、というかそれしか見せない。



 それこそが突進。肉体を思い切りぶつけるだけの技、というか技と言えないものだが、しかし圧倒的な筋力ステータスの前では技なんてどうでも良くなる。



「■■■■■」

「こっちだウスノろっ!?」

「マイゲス!」



 何度も何度もぶつかってくる。たったそれだけ。威力が高すぎて衝撃音が鳴り響くほど。



 2人がかりで互いに互いを守りながら時間稼ぎをする。1撃まともに入ったら確実に死ぬことになるから、最新の注意を払いつつヘイト管理しなければならないが。



「ソルス!マイゲス!」



 メーノの声が聞こえ、視界の端に何かが映る。



 紙だ、ということはカミラからの...



「マイゲス!頼んだ!」



 ただし見れるのは一瞬だ。ちらりと確認してすぐに視点を戻す。



 "なんと?"



 たいまつあてろ...なるほど、なるほど?



 あいつ、あの見た目で<火属性>に弱いのか。だから松明。俺が持っている中で今すぐに<火属性>を出せるのは松明だけだ。



「ソルス!」



 マイゲスの掛け声に合わせてこちらがヘイトを持つ。あいつがカミラの紙を見ながら俺も思考する。



 普通に松明に火を点けているだけでは、<狩り立てる恐怖>の持つ知能のせいで避けられてしまうだろう。



 しかし火をつけるには一瞬とはいえ時間が必要だ。そしてこいつが接近した上でその時間を許してくれるとは到底思えない。



 つまり事前に点けた上でバレずにぶつける必要がある。そんなこと可能なのか、となるが...



 まさか本当に[調理]を使う日が来るとは思ってもみなかったな。



「マイゲス!」



 声をかけて一瞬作ってもらい、その間に<インベントリ>を開いて松明取ってすぐに閉じる。



 ...少し前までは火をつけるのに一瞬どころかまず一撃入る隙があったからな、戦闘中にこんなことをやることはできなかったが今は<魔力>を込めるだけで点く。



 いい時代だ。



「[調理]」



 これで...よし。松明の中に火が収まっている。ここまで弱い火には本来できない。



 暗闇の中だ、さすがに少しは明るくなっているが、これは耐火性のカバーで隠すことでバレないだろう。



 最もこの一瞬で松明を見られていたら困るが...



 ...大丈夫そうだ。不意打ちでこちらに気を誘う。



「は、くそっ」



 が無理、見られてはいないが不意打ちは無理と。こいつの目は全身に張り巡らされているらしい。



 瞬間、マイゲスと目が合った。多分あいつは俺が攻撃する隙を作るために行動してくれるはず。



 となれば。



「オラッ!」



 マイゲスが大ぶりの攻撃を行ったのを見て俺が近づく。



 この近付きはあくまでもさっきまでやっていたヘイトの移し替えとそう変わらない。が、目的は全然違う。



 悟られないようさっきと同じようにヘイト稼ぎの攻撃をする。そうするとあいつがこちらに突進を仕掛けてくるのでこれもさっきと同じように受け止める。



 そうしたらマイゲスがヘイトを買って...



 俺も同じように剣を振る。そしてヘイトによりこっちに突進、それを受け止めるのではなく、カバーを取り外した松明を構える。



 一瞬怯み、しかしその一瞬が勝負を分けることを知ってすぐに突進してくる。元々突進の構えを取っていた以上突進以外の行動では隙ができてしまうから。



 それを予測し松明による突きを構えていた俺は、すんなりその突きが当たることになる。



「■■■■■■■■■■」

「痛いか?それはそうだろうな!」



 すぐに離れて反撃を回避する。松明を手から離して。



 やつの突進によってさらに奥へとめり込んだ松明は、何か嫌な音を立てている。体内の異物を押し潰そうとしているのだろう



 が、もう遅い。



 ーーーーーーーーーーーー


 火力

 ■


 +/


 ーーーーーーーーーーーー



 +を長押しする。と、勢いよく火が燃え奴の体が光り始める。



「■■■■■■■■■■■■■■」

「離れてください!」



 カミラの声が聞こえて退避する俺とマイゲス。



 少し後ろまで戻れば、



「<完全射出>」



 と声が聞こえ。



 ーーーッ!



 音として認識できない何かが、奴の目の前で爆ぜた。



 大音量と強い光が同時に襲ってくる。防御行動が間に合わず耳と目が一時的に使い物にならなくなる。



 すぐに<インベントリ>の一番上にある目薬と耳薬を感覚でとって回復する。



「ぐっ」



 この目薬、即効性はあるが目に刺さないといけないのが玉に瑕だな。



「うっ」



 この耳薬も同様。普通に耳が痛い。



 そんな痛みを我慢し目の前を見てみると。






 <狩り立てる恐怖>は、灰になっていた。

ええ...(n度目)

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