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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第六章 殺人狂気神話
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ちょっと幕間...いやこっちが主人公

丸1日遅れた理由は単純。


私の体調が悪いからです。

 はえー、狩り立てる恐怖までいるのか。



 すごいなこの世界。一体なんでいるのかはわからんけど、一度その<ダンジョン>行ってみたいよ僕。



(そんなこと言われましても、多分この<ダンジョン>はそのまま宝物庫まで走り切りますよ)



 そんなー。後生だからー。



(ええ...)



 ...まあいいや。今はそんなことをするタイミングじゃない。



 えっと、狩り立てる恐怖の弱点だったね。



 あいつはフィジカルに関して言えば神話生物の中でも間違いなく強い方だ。なんたって外なる神側だ(とされている)からね。



 空を飛んでいて、しかも夜しかいないからそもそも戦うことも難しい。まともにやり合ってると普通に死ぬ。



 そんなやつだけど...実は一つだけ弱点がある。



(おお!)



 それは光。奴は光を極度に嫌がる。



 嫌がり方はもう苦手の域を超えていて、ランタンをかざしただけで光のない影に逃げ込むくらい。



(逃げるだけなんですか?)



 いや、実際に光は有効打になりうるよ。



 ただ閃光手榴弾並みの光が必要だけど。あるいは太陽の光の下に晒すのもあり。



(閃光手榴弾?)



 あー、もっとわかりやすく言うべきだった。



 雷の光くらい強い光、あるいは目の前の猛火。



 それくらいの強さの光じゃないと、ただあいつ避けになるだけだから。



 あとあいつは頭がいいからそれをしてこようとするとすぐにそいつを狙い始めるから、それも注意ね。



(それなら...はい、わかりました!やっぱり聞いてよかったです、ありがとうございます!)



 はっはっは。神話生物のことはいくらでも知ってるからね。それらに困ったらじゃんじゃん聞きたまえ。



「...マリア?」

「ん、リーシャ、どうかした?」

「いや...なんでもない」



 そういえばリーシャは心が読めるのだった。



 今回は...いや今回はかなりダメな奴だな。うん、次から気をつけよう。



「それにしても遅いな。すでに最低1週間は外に出ているぞ」



 アンジェリアさんが入口の扉から外を覗いている。



 確かに、僕たちがここにきてからすでに4日は経っていて、さらに落ちる前に2日ほど経っていることを考えるとそれくらいは外にいることになる。



「珍しいんですか?」

「珍しいどころかあ、そんなこと一回もなかったはずだよお」

「え?」



 てことは...何か異常事態が起こった、ってこと?



 いやでもそんな、この場所におかしいことはないけど。



「今一度、探索が必要だな...エリカ、外を見てきてくれないか?」

「わかりました」

「念の為この扉は開けておく。危険なことがあったらすぐに呼んでくれ」

「もちろん。私だって死にたくありませんから」



 エリカさんが外に行ったけど、多分何もない。



 こういう時は大概内側にあるもんだ。



「アンジェリアさん。僕たちは...」

「もちろん内側だ。マナは、まあそんなことは起こらないとは思うが念には念を入れてこの仮拠点の防衛だな」

「私は何をすれば?」

「リーシャはマリアについて行ってくれ。正直メェーちゃんたちがいればどうにでもなるとは思うが、何かあった時2人いれば伝達がスムーズになる」

「わかった。リーシャ、行こう」

「はい」



 そうして内側、つまり<ダンジョンボス>の部屋の中を探索する。



 円形のだだっ広いこの部屋は、地平線とまでは行かずとも入口近くの拠点からは宝物庫すら見えないほど広すぎる。



 しかし、



「<ロン>はものすごく大きいです。ここの空間の6割は埋まってしまうくらいには」

「でっっか」



 これだけ広い空間になってしまうのも仕方のないことなのかもしれない。



 そんなことを考えつつも足元や壁を調べていく。



 軽く見る、だけではだめ。全体を、舐め回すように見ていく。



 最もショゴスのおかげで見逃しが減っているのだけど。



「...異常なものは今のところないね」

「私の目にも映りません」



 リーシャの目にも映らない...やっぱり何もないのでは?



「いいえ、まだ見ていない場所があります」

「どこ?」

「宝物庫です」

「あ、確かに見ていませんね」



 確かにここまで見てない、というか一旦スルーしたけど...



 ...一度、見てみるか。



 ============================================



 宝物庫の扉というのは、通常開かないらしい。



 曰く、宝物庫に隣接するボス部屋の中にいる<ダンジョンボス>を討伐することで開くらしい。






 そう、そのはずなのだ。



 だからまず、その扉が押すだけで音を発して開いていくことに疑問を覚えた。



「え」

「これって...っ!?」



 扉を開けてリーシャが戦慄する。一体何があったのかと僕も近づけば、まず漂ってくる匂い。



 これは...あれだ。夏場冷蔵庫に入れなければならない生肉を放置していた時の匂いと同じやつ、いやそれよりももっと酷いやつ。



 一度それは嗅いだことがあった。母さんの亡骸の前で。



 それすなわち、これは腐乱臭だった。



「...リーシャ、アンジェリアさん達を呼んできて。何かあっても神話生物がいる僕なら対応できるから」

「は、はい!」



 後ろ向きにダッシュしていくリーシャを尻目に、僕は宝物庫の中に入った。



 瞬間、気持ち悪くなるほどのその臭いが襲ってくる。良くも悪くも慣れてしまったが故に吐くことはないが、しかし臭いは嗅ぎたくないため鼻を抑える。



 まず見えたのは、骨だった。大きな大きな骨は、確かどっかで見たことがあったような...



 ...思い出した、これ蛇だ。蛇の骨に似ている。なんで覚えているかって、確か前世で蛇人間の骨格が一体どうなっているのかを考察している動画を見て、その中にあったんだ。



 てことは...こいつが<ロン>の骨。



 そしてその下でドロドロぐちゃぐちゃとしている肉塊が...<ロン>の、肉。



「...ショゴス」

「はい」



 左手を伸ばし、その先で肉塊を少しだけ取ってみる。



 グニグニべちょべちょとしているそれを左手に吸収させる。



 これで解析できる、ってわけだ。さすがショゴス。



「...これ、死後1ヶ月はあります」



 なんでもできる最高の左腕...え?

次の次くらいまでかなり遅くなると思います。いつもすみません。

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