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冒涜的な魔王の種は今日も今日とて生き延びる  作者: はじめ おわり
第六章 殺人狂気神話
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対策しあってイタチごっこ

遅れましたが今日分です

 ...ついに対策されたか。



 正直強すぎるとは思っていた。明らかに対<ダンジョン>ということを考えるとカミラのスキルは強すぎた。



「久々の全部手探りか。こりゃやべえな」

「見積もりでは2日で、こ、攻略するとのことでしたが、」

「さすがに無理だろうな」



 俺たちが依存しすぎていたというのもあるが、この状況は考えていなかった。



 探索前に<ダンジョン>のマップと<ダンジョン>に湧く魔獣の数(あわよくば質)がわかる時点でもう...



 もちろん使わない手は無い。使うのと使わないのとで失敗する確率がかなり違うからな。



「だが使えないのなら仕方ない。カミラ、持ち前のマッピング技術はまだ衰えていないな?」

「も、もちろんです!」

「よし。そしてマイゲス、久々に偵察だ」

「りょーかい。とりあえず行ってくるわ」



 これで誤差1日程度になるはず。偵察するのは実に2ヶ月ぶりだが果たして。



「カミラ、魔獣の種類なども見れないんだな?」

「は、はい」



  <斥候>。偵察などを主に行う職業であり、本来マイゲスの職業はこれであるのだが、カミラが[完全攻略]を手に入れてからはもう全くしていなかった。



 コレはカミラのマッピングも同じなのだが、カミラはちょっと違う。



「...相変わらず綺麗で見やすいわね」

「こんなことがあろうかと、って訳では無いですけど、元々マッピングは好きなので暇な時にやってたんです」

「1度攻略してもう行けない<ダンジョン>の?」

「えへへ」



 そういうわけでカミラは問題ない。



 ============================================



 夜中、足音で起きる。その足音には雫の垂れる音も僅かに混ざっていた。



 テントを開けると、



「っ、マイゲス!!」

「うおっ...おいおい、頭に響くって...」



 大声を出すなと言われたが、コレはメーノを起こすため。



 事実メーノは今の声で起きたらしく、テントの内部が明るくなっていた。



 すぐにマイゲスを支えに行く。



 ...酷いな、よくここまで来れたもんだ。



 見た限りでも骨折が4箇所はある。足に2、腕に1、胴に1...いや2か。



 よく観察すると肋骨も折れている。安静にすれば1時間ほどで治るだろうが...



「いったい何があった?」

「あー、なんつうか...とりあえず、あそこにいるのは1匹だけだ」

「何?」



 マイゲスが、1体の魔獣にやられただと?



 どれだけ強いんだ、その魔獣は。



「どんな姿だった?」

「真っ暗で[暗視]使ってたんだが、なんかこう、<ブラドラ>みてえだった」



  <ブラドラ>...あの細長い<ロン>のような姿か。



「全長は、どれくらいだったかなあ...」

「どうしたの...って、ちょっとちょっと!」



 完全にメーノが起床しマイゲスの治療が行われる。



 バキバキ、という嫌な音がなりつつ、外傷が治っていく。



「いてて...そうだそうだ、俺の2倍はあった。いやもっとか?結構でけえ」

「なんの攻撃を食らった?」

「いやそれがな、掴まれたんだよ」

「掴まれた?」

「そう。掴まれて、そのまますげえ速さで飛んでた。何とか抜け出してここまで戻ってきたんだけどな」



 掴まれたって...大きな手をもってたのか?



「それ、もしかしてだけどされたあと何も見えなかった?」

「おうよ、どうしてわかったんだ?」

「まあちょっとこの傷に似たものを見たことがあったのよ」



 どうやらメーノは既視感があるようだが...



 ううむ、俺にはちっともわからん。



「ソルス、<サーペント·ベノム>って知ってるわよね?」

「それはもちろん。あの長いやつだろう」

「そそ。あいつらって攻撃してきた武器に巻きついてくるわよね」



 巻き付き武器を噛んで腐食させてくるとんでもない魔獣。大概はそのまま軽く武器を振ってしまえば空中に放り出され、無防備な腹を晒してくれるが。



「あの巻き付く攻撃って、そのままにしてるとそのまま腕に巻きついてくるの」

「まじかよ」

「それで勢いよく絞めてきて、触れている面の骨を粉々にするの。長く巻きついているから腕全体じゃなくて一部分がぐるぐると粉砕骨折するんだけど...」



 そんな攻撃してくる奴がいるのか。



 ...ということはつまり。



「絞めてきた?」

「それも全身ごとね」

「あの細長い体なら可能だろうな。そっか、俺そんなことされてたのか」



 てことは全長はマイゲスの2倍よりももっとあるな。



 巻きついたと表現して、そしてその状態で飛べるほど安定するのなら、全長は最低マイゲスの4倍はあると見積もっていい。



 さらに、あいつの筋力ステータスも高いだろう。



「マイゲスの鎧は革、だがそこら辺の金属鎧よりも性能が高いはず」



 金属鎧はどれだけ弱くても斬撃等の<撃属性>に対して一定以上の耐性をもたらしてくれる。骨にヒビが入ることはまず有り得ない。



 それより強い<撃属性>耐性を持つ革鎧を来ている上で骨折。金属鎧だったなら肉体ごとぐしゃぐしゃにされていたかもしれない。



「これ後衛くらったら即死ね。どうするソルス?このまま進んでも勝ち目なさそうだけど」

「ううむ」



  <暗視>は無限じゃない。必ず限りがある。掛け直しをしながら戦うのは面倒だが、ランタンを使えばそれこそ印になる。



 どうやって進めるか...寝る前に考えなければいけないな。

だ〜れだ

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