↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
くうねるあそぶVer4.0  作者: 馬頭鬼
~ 序章 ~
PR
1/19

~ 序章 ~


 その部屋は薄暗かった。

 かといって暗すぎて何も見えないほどではなく……ムードを重視したが故に光量を少しだけ落としている、という表現がぴったりなのだろう。


 ……今までの人生でムードなんてものを認識した記憶などなく……いや、そもそもそんな余裕すらなかった()にとって、「だろう」以外の表現は使えそうになかったが。


 その薄暗い部屋そのものは思っていたよりも遥かに広く……むしろ二人だけで使うには広すぎる気がしてならない。

 ()が抱いていたイメージ的には、もうちょっとこう、小汚いような先入観があったのだが……こうしていざ入ってみると思っていたよりもずっと清潔に保たれている。

 そのピンクを基調にした慣れない色合いは兎も角、むしろ設備的には普通の……彼に入った経験がある訳ではないけれど、ドラマなどで見る、普通の(・・・)ビジネスホテル(・・・・・・・)とあまり変わりないように感じられる。

 少しだけ違うのは、正面に据え付けられているベッドが普通のホテルに備え付けられているソレよりも遥かに大きく、柔らかそうな雰囲気があることと。

 風呂場のドアが何故か透明(・・)で内部が覗けてしまうこと。

 そして、飲み物以外(・・・・・)を売っている自動販売機なんかが室内にあること……だろうか?


(何でボクは、こんな所にいるんだろう?)


 そんな部屋の中で、()……合歓木(ねむき)(まもる)少年は所在なく立ち尽くしたまま、胸中でそう呟いていた。

 彼はまだ中学二年生であり、更には元来の童顔もあって『こういう施設』に入るべきはない容姿であることは確実であり。

 そして、彼の眼前で妙に光沢のある清潔そうなシーツで包まれたベッドを待ち切れない様子で触っている少女は、たった3日前に出会ったばかりの転校生だったりすることもあって……彼が居心地の悪さを感じているはある意味当たり前だったりするのだが。


「さて、あんまり時間はないから始めよっか?」


 少年を半ば強引な形で此処へと連れてきたその少女は、彼が挙動不審者のように落ち着きなく辺りを見回しているのを見飽きたのか、ついにそう切り出した。

 そればかりか少年の目を気にすることもなく、その身に纏っていた黒のセーラー服とスカート、そして上半身を覆うシャツまでをも何の躊躇いもなく脱ぎ捨てたのだ。


「く、空さん!

 なんで服を脱ぐんですか~っ!」


 鬼敷(おにじき)(くう)という名の少女が、色気も何もない安っぽい白い下着を平然と曝け出す姿を見て、女性の裸身に対する免疫が全くない少年は慌てて叫ぶ。

 ……だけど。


「だって、汚れる(・・・) じゃない(・・・・)


 平然とした顔で、言外に「肌や下着を晒すよりも服を汚す方がイヤだ」と言い放つ少女に対し、護少年はもう何一つ言い返す言葉を持たなかった。

 実際に『服装が汚れる行為』というモノがこれから行われることを、少年は3日前に思い知っていた(・・・・・・・)からだ。

 そして……再び『その行為』が行われることで、あの快楽にもう一度包まれることを護自身が心の底から望んでいることも。


「じゃ、いくよ?」


「……お、お願い、します」


 ゲームでも始めるかのようにあっけらかんと少女は呟き。

 護は少しだけ躊躇いながらも頷くと、祈るように手を胸の前で結び、身体を硬直させたままベッドにその身を横たえる。

 3日前と同じく、こうなってしまえば彼に出来ることなど何一つないと思い知らされているから、だった。


「……あ、何か注文あるんだったら、出来る範囲ならシテあげるけど?」


「~~~っ?

 構いませんから!」


 色っぽいというより悪戯っぽい笑顔を見せながらの空の提案を、護少年は顔を赤くして拒絶して……

 そして、少年はそのまま瞳を閉じる。

 何しろ……これから少女の欲望(・・)を叶えるために、その身を任せるのだから。


「いただきま~す」


 少年が瞳を閉じたのを見届けるや否や……空は口元から垂れかけた涎を舌で拭いながらそう呟くと……

 横たわる少年の上へとのしかかっていったのだった。



 何故合歓木護少年が今こうしてラブホテルのベッドの上で、転校生の少女にのしかかられているのか。

 それを説明するには、今から3日ほど遡らなければならないのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
新作ありがとうございます、初回から勃起祭りとはたまげたなぁ、
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。