表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/17

第5話「最初のステージ」

第5話です。


バンドとしての最初の大きな一歩、初ライブが決まります。

不安と期待が入り混じる中で、それぞれの想いが動き出していきます。


ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

 「で、いつライブやる?」


 はじめの一言で、空気が止まった。



「……は?」


 ふたばは思わず聞き返す。


「いや、バンド組んだんだし、出るでしょライブ」


 当たり前のように言う。



「まだ早いだろ」


 れいじが淡々と返す。


「えー?でもさ、やらないと始まんなくない?」


「それはそうだけど……」


 はじめの言葉に、美月も少し考えるように視線を落とす。



「……出るなら、早い方がいい」


 ぽつりと、美月が言った。


「え?」


「どうせやるなら、さっさとやった方がいいでしょ」


 ベースを軽く鳴らしながら続ける。


「今のままでも、どこまで通用するか知りたいし」



「……確かに」


 れいじが短く答える。


「じゃあ、決まりだな」


「え!?」


 ふたばだけが取り残される。



「ちょ、ちょっと待ってください!」


「何」


「私、まだ全然……!」


 言いながら、自分でもわかっていた。



「だから出るんだろ」


 れいじはあっさり言った。


「え……?」


「できてから出るんじゃ遅い」


 その言葉は、冷たいようで――


 どこか真っ直ぐだった。



「大丈夫大丈夫!」


 はじめが笑う。


「最初なんてみんなそんなもんだって!」


「いやでも……」



「怖い?」


 美月がふたばを見る。


「……はい」


 正直に答える。



「じゃあ、ちょうどいいじゃん」


「え?」


「そのまま出れば」


 少しだけ口角を上げる。


「変に慣れてるより、そっちの方が刺さることもあるし」



 その言葉で、胸が少し軽くなる。



「……やります」


 気づけば、そう言っていた。



「決まり!」


 はじめが手を叩く。


「よし、初ライブだ!」



「日程は任せろ」


 店長がカウンターから顔を出す。


「来週、ちょうど空いてる枠あるぞ」



「来週!?」


 ふたばの声が裏返る。


「ちょうどいいだろ」


 れいじが言う。


「準備する時間はある」


「いや、全然足りないです!」



「足りないくらいがいいんだよ」


 美月がぼそっと言う。



 少しの沈黙。


 れいじがギターに手をかける。



「……1曲目は決まってる」


「え?」


 ふたばが顔を上げる。



「“今日が吉日”」



 静かに言った。



「俺がずっとあたためてた曲だ」


 ぽつりと続ける。



「これでいく」



 その言葉に、空気が変わる。



 曲名。


 バンドの核。



 “今日が吉日”



 それは、ただのタイトルじゃない。



 ここから始まる、自分たちの音。



「……やります」


 ふたばはもう一度、はっきりと言った。



 心臓がうるさい。


 怖い。


 でも――



 この曲を、歌いたい。



 最初のステージ。


 まだ何者でもない自分たち。


 それでも。



 この一歩が、すべてを変える。



 今日が、吉日になる。


第5話を読んでいただき、ありがとうございます。


ついに初ライブが決定しました。

そして、れいじがあたためてきた楽曲「今日が吉日」が、物語の核として動き出します。


次話はいよいよライブ本番。

ふたばがどんなステージを見せるのか、ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。


よろしければ、感想や評価もいただけると励みになります。

引き続きよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ