魅惑のバナナミルクパイ
幾つになっても、このオーダーの取り方は慣れないなぁ
私は、注文したモノだけを用意してほしい
でも・・・・まぁ、いいか・・・。
私は勧められたバナナミルクパイと、飲みたかったアイスコーヒーを持ちながら
フラフラと、窓際の席へ自分の居場所を見つけだす。
って、いうか・・・見つけ出すも何も・・・・
『 あれ? 店の中・・・・・・・・・・お客は、私だけじゃん。 』
せっかく、不幸な奴を探しに来たのに・・・私だけか・・・
はぁ・・・
あ、また溜息ついちゃった・・・
まったく・・・
私には雑音にしか聴こえない有線を感じながら
窓際から、外を見つめてみる。
( やはり、一人目は自分か・・・・・。 )
ガラスに反射する自分の姿は、なんか大きく見えた。
( あれ? さっきより、自分が大きく見える・・・っていうか、わたし太った? )
ガラス越しだが
立って見るより座って見たほうが、なんか太って見える。
『 うわ、最悪・・・っていうか、これのせいか? 』
まだ、一口分しか食べてないバナナミルクパイを見つめてみるが
『 そんな訳ないか・・・ん、うぅーーーーんまぃ!!!! なんだこれ?
なか、トロトロ~~~!!! これは店員も勧めるハズだよなぁ~~♪ 』
あれ、なんか幸せ感じてる?
な、ワケないか。
そんなことより、ワタシより不幸なヤツ、
通りを歩いて来いよ~~~~!!
『 っていうか、これ、本当に美味しいなぁ~~~~
もう、一本買ってこようかなぁ・・・ 』
私は頼んだアイスコーヒーには目もくれず、
いや、通りを行きかう人にも・・・当初の目的も忘れ、
結局、
合計4本のバナナミルクパイを一人で平らげてしまった。
( まったく、なにをやってんだか・・・ )
~つづく~