表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽りの悪旗外伝 もう一つの地球『イザナミ』への転生編   作者: 新景正虎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/29

第1話 日常に踏み込む破滅の足音

 深夜、突然スマホから鳴り響く警報音に彼は飛び起きた。


 スマホの画面に映る緊急速報メールに彼は心臓が掴まれる。


 ついに来るべき日が訪れてしまった。


 彼は寝床に用意してあった非常袋を手に、着の身着のまま自室を飛び出すと、階段をかけ降りる。


 一階のリビングにはスマホの明かりで互いを照らしあう家族が集まっていた。


陽翔はると!」


「父さん!」


「行けるところまで車で逃げるぞ」


 父の言葉に彼らはうなずき、車に乗り込むと自宅を後にする。


 夜中の住宅街を貫く道路はまだ空いていた。


 夜中にも関わらず家々の明かりは次々と点り始めている。


 ほどなくこの道も避難のための車でごったがえすだろう。


「くそっ、完全に裏をかかれた!まさかやつらがこちらを先に攻撃するなんて!政府は何をしていたんだ!」


 車を運転しながら悪態をつく父親。


 父親の運転する車内で時透陽翔ときとうはるとは自問自答していた。


 車の窓から外を見る。


 その一角が赤く輝いている。


 なぜこうなってしまったのか。


 なぜ、住み慣れた家を捨てて逃げ出さなければならないのか。


 ふと気づくと手に持っていた、さっきまでひっきりなしに緊急速報メールの通知を伝えていたスマホの震えが止んでいた。


 見ると町中なのに圏外の表示。


 携帯の電波が遮断された?


「あっ!」


 突然車が急停車し、陽翔の体はシートベルトで押さえつけられる。


 陽翔が顔をあげるとヘッドライトに照らされた前方の光景が目に入る。


 目の前の車道はいつの間にか車で溢れ返っていた。


 飛び交う怒号、クラクションの騒音。


 あっけにとられているうちに背後から明かりで照らされる。


 窓から後ろを見ると今来た道にも何台もの車が止まり、身動きがとれなくなっていた。


「車を捨てて逃げるぞ!」


 父親の言葉に陽翔はるとはうなずき、車を降り、手荷物だけをもって歩道を走り出す。


 深夜の町中に響きわたる警報と共にビルの谷間の先、漆黒の空の片隅が赤く染まり始める。


 その時、闇色の空で何かが光った、次の瞬間!


 頭上で爆発が起きる!


 陽翔は衝撃に引き飛ばされそうになるが、よろめきながらもなんとか耐える。


 だが、そこに……


「逃げろ!」


 誰かが叫ぶ。


 辺りから悲鳴が沸き起こる。


 ふと、予感がして陽翔はるとは足を止めて頭上を見上げる。


 闇色の空から煙と共に大量の破片が降り注いでくる。


 彼はそれを呆然と見上げていた。


 逃げなければならない。


 …だが、足が…動かない!


「はると!」


 誰かが自分を呼ぶ悲痛な叫びが聞こえた次の瞬間、爆発と衝撃が彼の意識を押し潰し、その意識は光の中へと消えていく、


てん…はずだった。


 だが、意識が飛んだはずの彼が次に見たのは、真っ白な天井だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ