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バッドエンド・リバイバルズ  作者: ストラド
第一章 語り手の章

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第13話 未来の勇者パーティーと対面

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様の閲覧を認識しました。

 相変わらず受付に佇んでいる老紳士に声をかけてから、僕達は宿を発った。今日帰って来られるかは分からないけれど。資料の数によっては、徹夜する可能性だってあるだろうし。


 僕達は、北門へと歩みを進めた。昨日入ってきたのは南門であり、宿屋もその方面にある。そうなると、町の中央にある教会とそこで働く人々の居住地は避けて通れない。


 この物語において、教会はかなり悪の存在として描かれる。彼らは割と善意としてやっているのだが、彼らの勇者への洗脳がかなり厄介なのである。洗脳と言っても、魔王への敵意を増幅させているだけだ。ただ何度も魔王が蘇るため、勇者候補に選ばれても素直に喜べない人がほとんどなのである。


 だが、ユー・スティシアは違う。勇者候補になったことを素直に喜び、やがてヴェスティを倒すことになる。僕達は自らの立場を利用して、彼が罠に嵌りにくくなるよう手伝わなければ。じゃないと、ヴェスティは別の勇者の手によって原作通りのエンディングを迎えることになる。


 ユー・スティシアは魔王の歴史を研究する教授の教え子である僕を助けた。彼は勇者なのだから、僕達が研究結果を共有するのも自然だ。それに、助けてくれたことの恩返しもできて、前後関係も自然である。


 今、物語の道筋はレールのように僕達を導いていた。


「あ、アズマだ!」


 少し遠くから、僕を呼ぶ声が聞こえた。その方角を見れば、大きく手を振っているユーの姿が視界に入った。しかも、その後ろにはこの前の大男を従えている。仲間になったのだろうか。


「ユー、久しぶり。この前は本当にありがとう」


 僕は軽く手を振り返す。ユーは嬉しそうに駆け寄ってきた。


「こちらは僕が師事しているミスト先生。一緒に魔王の歴史を研究しに来たんだ」


「やぁ、はじめまして。……ひょっとして、君かな?俺の大事な大事な生徒に手を出した不届き者は」


 係長はそう言って、大男に笑顔で尋ねた。にしても係長、絶妙にロールプレイ下手じゃないか?学者は弟子にここまで愛を向ける存在だっただろうか。絶対違う気がするんだけど……。まぁ、いいか。


「ひぃっ……!」


 係長の笑みに恐怖を覚えた大男は一歩退いてユーの背後に移動するものの、体が大きいせいでちっとも隠れられていない。


「ミスト先生、彼には彼なりの事情があったわけですし……。むしろ、僕が打ち込んでしまった額の怪我は大丈夫ですか?」


 大男は、この前と打って変わって鎧を身に着けているため、額の状況がよくわからない。切り裂くような傷ではないから、跡が残ってワイルドになることはないので、残らないといいのだけど。


「き、気にしないでください!もう綺麗さっぱりなんで」


 大男はそう言って兜を脱いで額を見せてくれた。特に内出血になっているわけでもなく、赤みがあるわけでもない。尻餅をついてしまうような衝撃だったのに。リアスの力加減は、いい感じだったようだ。


「アズマも、ミスト先生も研究頑張ってね。俺達、そろそろ行かないと」


 ユーは時間ギリギリなのに声を掛けてくれたみたいだ。本当に人間の理想像を閉じ込めたような人だ。


 この凸凹コンビがやがて魔王を倒すことになる。ある意味王道なコンビだけれど、勇者パーティーとしては異例な気がする。剣士とタンクしかいないのだから。


「二人ともお気をつけて」


 軽く手を振って、別れた。ユーは身軽に駆け、大男は鎧をガシャガシャ言わせながら去っていった。


「彼が件のユー・スティシアです。勇者になるべくして生まれた男って感じがしませんか?」


「同感ね」


「彼なら俺達の助けがなくても突破できそうなのにね。どうして本編では失敗してしまったんだろう。その分析も後々やんなきゃ」


 係長やアルタ姉さんからの評価も高い。彼のために、早くヴェスティの拠点に行かなければ。じゃないと、ユー達が街を旅立ってしまうかもしれないから。

――ピピッ

全知全脳システムが≪エラー:表記できません≫の(送る相手の名前を入力してください)様が情報を読了したことを認識しました。


全知全脳システムはあなたの閲覧を歓迎し、今後もあなたのために情報の提供を続けます。

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