第31話 出撃!南の研究所!
クエスト受付場の2階にあるガッツァーの拠点に、信介達が集まっていた。
真面目な表情のノアが黒板の前に立って説明をしているが授業をしてるわけではない。これは作戦会議である。
「南の研究所近辺で待機していたガッツァーの仲間と、そこを占拠していた皇軍が戦闘を開始した。俺達もこれからそこへ向かい、英雄の雨靴ガロッシュ・ディ・アルバライズを手に入れる!」
「戦いになるのか…」
「あぁ。だけど主な戦闘は真っ向からやり合ってる先行組の役目だ。俺達は海岸側に回り込んで研究所に強行突入する!」
「だったら急いで行かなきゃじゃないの!」
ジョーノの言う通りだ。作戦が長引けばそれだけ先行している部隊に負担が掛かる。
ノアは黒板消しの形をしたリモコンを取るとボタンを押した。すると壁が開いてどこかへ続く隠し通路が現れた。
「ついて来い!」
ノアを先頭に通路を進んでいく。その先には広い部屋があり、ガッツァーの仲間達が大きな装甲車の準備をしていた。
「ようビークルの準備はどうだ?」
「お頭!そりゃもう!」
「リーダー!バッチリだぜ!」
「いや呼び方安定してないな。それにしてもこの車は?」
「こいつは敵地への強襲を目的に開発した突撃車両ガッツァーボアだ!乗り込め!研究所へ向かうぞ!」
ノアは運転席に座り、信彦達は左右で向かい合うように座席が並ぶ後部ブロックへ乗り込んだ。そして全員が着席すると、室内に付いたスピーカーからノアの声が流れた。
「目標は研究所にある英雄の雨靴だ!こいつが手に入ればガッツァーの目標、打倒雨天皇へ一歩近付く!何事にも全力で!」
『ガッツァァァァァァァ!』
掛け声と同時にエンジンが掛かる。床が回転し、ボアは研究所のある南側を向いた。そしてクロスドリアの南にある出入口へ繋がるゲートが開いた。
「ガッツァーボア!発進!」
スタートダッシュを切ったガッツァーボアは地下道路を高速で駆け抜け、地上へ続く坂道からレインランドへと飛び出した。
「ノア!私達が乗っている事を忘れるな!」
シートベルトをしているので席から離れる心配はないが、それでも後部ブロックに乗った少年少女は大きく揺れていた。特に小柄なナナはスッポリ抜けてしまわないかと心配で、ベルトを力強く握っていた。
「チャイルドシートを用意してもらうべきだったね」
「そうだね…っておい!子供扱いするな!」
「僕達子供じゃん」
信彦からの思わぬ正論にナナは頬を膨らませた。
ガッツァーボアはレインランドを全速力で走り抜ける。目指すは南の海岸にある研究所。




