21:理不尽なギブ&テイク?
「ふぃ~・・・今日はいつもより疲れたな」
独り言を呟きながら背筋を伸ばす
あれから折り紙を3枚頂戴して何とか『夜人号』は産声を上げることが出来た
まぁ最後は1折1折チェックされながらだけど・・・
「ふふっ、夜人くんは不器用さんなんだね。まぁそういう所も良いと思うけど」
「う、うんうん私も良いと思う」
「ででででもみんなと出来て楽しかったですぅ」
「そうだね、僕もみんなと一緒に出来て楽しかったな」
思えば前世を含めて誰かと何かを取り組む作業をしたのは随分久しぶりだと思う
あの頃には気づかなったけれど、同じ方向を目指して一緒に突き進むのも良いもんだね
「じゃあみんなで一緒に給食を取りに行こうか」
「だね。今日は僕もいつもよりもお腹が空いている気がする」
「よ、夜人くんって面白い事いうのね」
「そそそそそんな所も良いと思います」
そんな事を話しながら食器を取り、配膳してくれる場所にならぶ
おぉ、今日はカレーか!!
給食で食べるカレーって凄く美味しく感じた記憶があるなぁ・・・
「ありがとう」
「うううううんっ!!!」
配膳してくれた子にお礼を言うと凄くどもられたが、これも男女比の影響なんだろうなぁ・・・
今日の献立はカレー、牛乳、ポテトサラダ(ミニトマト付)だ
うん、バランスの良い食事だね
「「「「頂きます」」」」
みんな揃って頂きますと掛け声をしてカレーを口にする
うん、前世の給食のカレーと同じ味でやっぱり美味い
「ごちそうさまでした」
あっという間にカレーを食べ終え、ポテトサラダを食べて牛乳を胃に流し込み1人で両手を合わせる
本当はもっとゆっくりしっかりと食べれば良いと思うんだけど、前世の社会人時代に引っ張られてか俺は食べるのが早い
勿論勝手に席を立つ事はせず、みんなが食べ終わるまでは席に座って待っている
「う、うぅぅ・・・」
食べ終わって一息ついていると横から弱弱しい声が聞こえた
横を向くとあづみちゃんがお皿の上に乗っているある物を凝視している
「あづみちゃん、どうしたの?」
「うぅぅ・・・トマト・・・」
あ、確かにあづみちゃんはトマトが苦手って言ってたもんな
どうやら普通のトマトだけではなくミニトマトも苦手みたいだ
残したらダメだという罪悪感と嫌いだという感情で鬩ぎ合っているのだろう
(さてどうするか・・・)
代わりに俺が食べる、若しくは残しても良いと思うと言うのは簡単だ
ただ簡単にそっちの方法へ誘っても良いものなんだろうか?とも思う
「あづみ、代わりに僕が食べようか?」
「ののの残しても良いと思いますぅ」
「うぅぅ・・・」
(う~ん・・・)
まぁねぇ、蓮華ちゃんや雪ちゃんのいう事も正しいんだけど・・・
「あづみちゃんあづみちゃん、1個だけ頑張ってみない?ダメだったらダメだったで良いけどさ」
「で、でもぉ~・・・」
「あづみちゃんが頑張ったら僕にできる事なら1コだけお願い聞くよ」
「っ!!私頑張るっっっ!!!!」
僕がそう言った刹那、あづみちゃんはミニトマトをフォークにぶっ刺して口に入れる
え?この子本当にミニトマト嫌いだったの?
迷う素振りすら無く口に入れたんだけど・・・
その後、高速の勢いで口をもぐもぐと動かして牛乳をゴッゴッゴッと飲み干していった
「よ、夜人くん!私ミニトマト食べたよっ!!」
「え、えらいね・・・」
満面の笑みでそう告げる彼女の表情は非常に可愛らしかった
ただ・・・何を言われるのかと俺は内心ドキドキしてしまう
怖ぁ・・・




