20:なんか泣けてくるわ・・・
「お、おおおおお兄様に、ですかぁ・・・?」
俺のお願いを聞いて雪ちゃんは困った表情というか、怯えた様な表情を浮かべる
そしてあづみちゃんや蓮華ちゃん、他の女児たちも少しザワザワとしていた
え?何?そんなに常識外れな事を俺言った?
言ってしまえば友達の家に遊びに行きたいみたいなノリで言っただけなんだけど・・・
あ、あれか?!
出会って2日で家に行きたいというのは常識外れって事か?
まだそこまで仲良くないのに家に入ろうとするなんてどんだけ厚顔なの?的な感じか?
「あ、やっぱ「だだだ大丈夫ですぅ!!!たたたただ一応、おおおおお兄様に確認させて下さいぃ!」あ、うん」
周りからの視線が痛くてやっぱり止めとくと言おうとした所で雪ちゃんの必死な形相で言ってくる様子に言葉が詰まる
・・・まぁ言い出したのはコッチだし、雪ちゃんの必死な様子にキャンセルを告げるのも申し訳なく感じる
初めての同性、出来れば会いたいけれどダメならダメで大人しく引き下がろう
そう考えていたら先生が教室に入ってきた
◆
前回と同様、朝の体操を終えて(今日は昆虫空手拳だった)、朝の授業を受ける為に席に着く
前回と同様に体操を終えた後に姉さんからのダメ出しを喰らったのは納得できなかったが・・・
「はい、では今日は折り紙を折りますよ~。みんな好きな色の折り紙を取ってくださいね。」
「「「はぁ~い」」」
先生の言葉にみんな折り紙を取りに行く
みんな口々に「ピンク」とか「あか」とか言っている当たり、やっぱりまだまだお子様なんだなぁと変な安心感を与えられた
「はい次は夜人くんですね。夜人くんは何色が良いかなぁ?」
「じゃあ青色ください。」
赤系が人気あったっぽいし、青系ならば余っているだろうと思い適当にリクエストした
予想通り、青系は残っていた様で青色の折り紙を受け取り席に着く
「ではみんな折り紙を取りましたね?では今日は紙飛行機を作ります。お昼には作った紙飛行機をお外で紙飛行機を飛ばしましょうね。」
「「「はぁ~い!!」」」
そう言った後に先生は紙飛行機の作り方を説明する
成程、紙飛行機ね・・・紙飛行機ならば基本を分かっていればカスタムも出来るしそれぞれの個性も出て来るし良いかもしれない
因みに俺の折り紙で紙飛行機を折る腕はと言えば・・・ふっ、壊滅的だ
そもそも俺は手先が壊滅的に不器用だ
どんなに丁寧に折り紙を折っても先端部分はヨレヨレになる
余りにも手先が不器用で一時期、心が折れかけた事も有るのだ
だからこそ俺は真剣に折り紙を、紙飛行機を折るっ!!
俺は先生の折り紙の折り方をしっかりと聞きながら、真剣に紙飛行機を折っていく
今日の午後には『夜人号』が大空を制するのだっ!!
そう思いながらしっかり、丁寧に根気よく折り紙を折っていく
「・・・・・・なんでこうなった」
十数分後、俺の机には丸まった折り紙が佇んでいた
俺は真剣に、丁寧に、根気よく取り組んだ結果・・・丸まった折り紙が出来たのだ
「あら、上手に出来たわね~」
「夕子ちゃんの紙飛行機は可愛いわね」
茎中先生はそんな事を言いながら各テーブルを回って来る
どうやらみんな紙飛行機を上手に折れたみたいだ
「あづみちゃんのも上手ね。蓮華ちゃんのは凄くスピードが出そうね。雪ちゃんのは丁寧に出来てるわ。夜人くんは・・・失敗しちゃったかな?」
「・・・・・・はい」
遺憾ではあるが、失敗かそうで無いかと聞かれれば失敗だ
心中を察した先生は「もう一度頑張ってみようか」と言って俺にもう1枚折り紙をくれた
そんな先生の優しさが目に染みた午前だった・・・




