19:そりゃそうだ!そりゃ居るよね!!
「よ、よよ夜人くんおはよー!!」
「夜人くん元気だった?!!」
「夜人くんだぁ~!!わぁ夜人くんだぁ~!!」
「夜人くんお熱出てなかった?」
「夜人くん今日会えてうれしい!!」
「夜人くん、君がこの場に居るだけで場が華やぐよ。」
「おおおおおおおはよぉ~ですぅ・・・」etc・・
以上、園に到着して教室に一歩踏み入れた時の園児たちの反応である
たった1日登園して、たった1日お休みしただけで教室にいる全女児が一斉に群がってきている
「あ、ははは・・・み、みんなおはよう。」
正直、内心引いてしまってはいるがコレがこの世界の常識なのだろう
そしてそんなどもった様な挨拶をしたにも拘わらず、感動で打ち震えるかの様な表情を浮かべている園児がいるのもこの世界の常識なのだ・・・うん、絶対そうだ・・・
そう思わないと俺の精神が崩壊してしまう
みんなに文字通りもみくちゃにされながらも、何とか自分の席に辿り着きホッと一息いれる
そのタイミングであづみちゃんと蓮華ちゃんと雪ちゃんも席に着いた
「お、おはよう夜人くん」
「やぁ夜人くん。やっぱり君は人気者だね」
「おおおおおおはようございますぅ」
「あづみちゃん、蓮華ちゃん、雪ちゃんおはよう。ハハ、みんないきなり休んじゃったから心配してくれたのかな?」
「そりゃもう。みんな昨日君が居ない事を知ったらあからさまにガッカリしていたからねぇ。だよねあづみ?」
「っ?!!蓮華ちゃんだってそうじゃない?!!」
「そりゃそうさ、夜人くんは僕の癒しだからね。」
「ハ、ハハ・・・」
あれ?
俺って前世で3歳児の時に癒しとかそんな単語言ってたっけ?
正直、特になんも考えてなかった気さえするなぁ・・・
これが世界の差なのか時代の差なのか個人の差なのかは分からないけど、蓮華ちゃんは随分おしゃま(死語)だなぁ・・・
「よ、よよよよよ夜人くんは・・・き、きき昨日なにしてたですか?」
「僕?僕は昨日はずっとお家に居たんだ。僕これから1週間に3回しか来ない様になったからね」
「やっぱり先生が言ってた事は本当なんだ・・・夜人くんお身体わるいの?」
「ううん、お母さんとお姉ちゃんが心配するしね。」
後は麗さんの負担も軽減してあげたいのも理由だが、陰で俺を護衛しているであろう当人が傍に居るのにそれを言う傲慢さは流石に俺には無い
「そっか・・・だったら仕方ないね」
俺の答えを聞いた彼女たちは少し寂しそうな表情を浮かべるものの、納得がいったかの様にウンウンと頷いている
やっぱりこの世界の常識だと男は家に滞在し続けるものなんだろうな
「よよよよ夜人くんは、おおおおお家で何するですか?」
「僕?僕はテレビを見たり本を読んだりしているよ。」
「わ、わわわ私のおおおお兄様とおおお同じですぅ・・・」
「えっ?!雪ちゃんってお兄ちゃんがいるのっ?!」
彼女の言葉に頭に雷が落ちたかの様に衝撃が入り、思わず食いついてしまった
男がいる!!!男がいるんだ!!!
確かに1:10の世界なんだから兄や弟が居る子がこのクラスに居ても可笑しくはない
可笑しくはないのに何でそこに頭が回らなかったんだっ?!!
「ゆ、雪ちゃんっ!僕、またいつか雪ちゃんのお兄ちゃんにも会いたいなっ!!」
「「「っ?!!!」」」
この世界で自分以外に男という存在を認識した俺は思いのほか興奮していたらしい
頭が考えるよりも先に思わず口からその様な言葉を言ってしまっていた
そんな俺の言葉を聞いた3人娘は勿論、他の班の園児達も一斉にこちらに視線を向けて来たのに気づき、おれはまた何かやらかしたのだろうか?と不安を覚えてしまった




