時間軸・六日前 九月十四日
「私の両親を殺してほしいの」
「本当にいいの?」
「うん。だって……嫌になったんだもん」
「……」
「いつもいつも、私を殴る蹴るは当たり前。理不尽に…りをぶつけられて、もう耐えられないの。……昔は幸せだったのになぁ。何時から、こうなっちゃたんだろうなぁ」
「…ホントにいいんだね」
「もう、あの頃には戻れないって分かっちゃったから。だからあなたを頼ろうと思ったの。この世の何より信用できる親友の一人に」
「自分でやろうとは思わなかったの?」
「何回もやったよ。あいつ等、私に寝首をかかれるとも、まして…されるなんてこれっぽっちも考えてないように…だらけだったからさ。…そうとしたのに、直前でためらっちゃたんだ。どうしてか楽しかった頃の…がフラッシュバックして、もう戻ってこないって分かってるのに何回も手を止めて。バカなんだ、私」
「どうして…なの?親友ならもう一人いるじゃないか」
「解ってるくせに。…には出来ないしさせたくないよ。あなただってそう思うでしょ同じ立場なら」
「アハハ、確かにそうだね!僕も…には頼めないよ。それに君は彼の事…なんだろ?傍から見たらバレバレだよ」
「!それ以上は止めて!私に…だって伝える資格なんてないんだから」
「ともかく。僕がやった証拠は残さないようにするから君は「寝ていてわからなかった」の一点張りでいい」
「分かったわ」