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12話 遭遇 そして

今回グロテスクな表現を含みます。

 気持ちを新たに俺は巣穴からぬるりと這い出た。

瞬間、感じる猛烈な熱気。

まるでサウナのような熱気が辺り一面に立ち込めていた。

何事かと辺りを見渡して目に入るのは黒い巨大な毛玉。

今の自分の倍以上はあろうかと言う体躯。

自分に背を向けているから顔は見えないが恐らくはクマ。

やはりいたのかと言う諦観と、どうか違う何かであってくれと言う懇願。


フレイム・ホーンベアー/Lv10 256/5000

職業 戦士     /Lv10 MAX!

   狩人     /Lv10 MAX!

   炎術士    /Lv10 MAX!

   領域支配者  /Lv10 MAX!


体力=430

魔力=372

筋力=150

頑丈=140

器用=58

敏捷=110

知力=55

想像力=56

精神力=62



スキル


火魔法      /Lv10

鷹の目      /Lv10

支配術      /Lv10


 そして諦観は見事的中し懇願はおよそ最悪の形で裏切られた。

勝てない。

死ぬ。

もう一度?

あの感覚を。

二度と戻れない喪失感をまた味わうのか。

以前生きたままクマに食われる少女の最期の声を聞いた。

あれと同じ目にいやもっとひどい目に遭うのか。

いやだ絶対にいやだ。


 俺は恐怖に駆られるがまま脱兎のごとく逃げ出した。

体の弾力性を完全に生かしスーパーボールの様に熊のいる方向とは真逆の方向へと飛び出した!


 しかしそれが良くなかったのだろう。

飛び出す時に立てた物音に反応したのかクマがおもむろにこちらを向く。

瞬間目が合う。

一瞬驚いたような間の抜けたような顔色をしていたクマは俺を視認するなり目の色を変えこちらに向かって飛んできた!

そう文字通り砲弾の様に、一飛びに空中にいる俺へと向かってきたのだ。

空中にいる俺は避けられるはずもなく、その凶悪な牙に捕らえられてしまった。

俺は体を引き裂かれる痛みに耐えつつ必死で自分の体をちぎり小さくピョンピョンと跳ね距離を取る


 体の五分の一程度が持って行かれただろうか。

まだじんじんと痛むが動きその物には支障はない。

視線はそらさずにジワリジワリと後退していく。

回復はしない。

している暇がないのもそうだが逃げるという一点に於いて、無駄な重量は邪魔でしかない。

今の俺に逃げ遂せる目が有るとすれば彼我の質量の差を活かし森の中での機動力を生かすしかないのだ。

相手は自分の倍以上。

これまでの経験でステータスがいくら上ろうと慣性の法則からは逃れられ無い事は学習済みだ。

森の中に入って木々の合間を小刻みに飛び続ければいずれ奴は俺を見失うはず。

大きなジャンプで距離を取るのでは無くスーパーボールの様に縦横無尽に森を駆け巡り相手の目から逃れる。

これが俺の思いついた「負けない為の方法」だ。

じわじわと距離を取りながら、森の深い方へと歩みを進める。

後20メートル程下がれば木々の生い茂るところへと入り込める。

そう俺が思った時だ。

クマの口元がまるで嘲るかのように歪む。

そんな事はありえないだろうが、その瞬間の俺には間違いなくそう見えた。


「グォォォォォォォォォォォ!!!!」


 地鳴りのような咆哮。

周りの木々さえ揺らす程の轟音。

一帯の鳥が一斉に飛び立つ。

ガサガサと地を走る獣達の足音。

俺も思わず身を竦ませてしまった。

しまったと思い注意を向け直すが、熊は泰然としたままこちらを見つめている。

何だ?

何を考えている。

殺すなら絶好の機会だった筈なのに。


 そしてその一瞬の逡巡と戸惑いが俺の命運を決めた。

横合いから殴りつける様な衝撃。

思わず目を向けるとそこには一頭の狐。

見渡せば周囲には殺意に滾る獣達の目が。

まさかと思い中空に目をやると夥しいほどの鳥たちがこちらを睨んでいた。


パニックになった俺はもうその方法では逃げられないと悟ったはずなのに大きなジャンプでその場を離れる!

その瞬間鳥たちは俺めがけてまるで無数の矢のように滑空してくる。

始めの数羽は避けられたが放物線を描きスピードが落ちるところを狙われ後続の体当たりで地面にたたきつけられた。

地面にたたきつけられた俺めがけ猛スピードで殺到する鳥獣達。

一番早く到達したのは鷹だった。

俺を殺せればよいとばかりに猛スピードで突っ込んできた奴は俺の一部と引き換えに地面に激突して死んだ。

その後続もだ。

二羽三羽と激突する物が増えるたびに辺りに鳥の血肉がまき散らされ俺の体も細切れにされていった。

俺の体が元の半分程になった頃、落ち着きを取り戻したのかバードストライクはようやく鳴りを潜めた。

しかしそれで暴虐が終わったわけではない。

奴らは事も有ろうに俺の体を細かくついばみ始めた。

ある物は爪で体をこそげ落としある物はくちばしでついばんだ。

それだけではない。

巻き添えを食ってはたまらないという打算が働いたのか或いは単に出遅れたのか獣たちも加わり俺の体を貪り始める。

肉食獣は引きちぎるだけまだ性質がいい、草食獣はそのすり鉢状の歯で俺の体を繋がったまますりつぶしくれやがる。

いっそ発狂したくなるような痛みと生きたまま食われる恐怖。

そしてもう助からないという絶望感。

畜生。

チクショウ。

もっと力が有れば。

もっと力が有ればこんな目に合わずに済むのに。

あのクマも、俺の体を貪る獣も跳ね除ける事が出来たのに。

もう体のどこも動かない。

視界がぼやけていく。

グチャグチャという咀嚼音がどんどん遠くなっていく。

寒い。

暗い。

眠い。

 

 そして俺の意識はかつての様に再び冷たく暗い闇へと落ちていった。

次回より第2章。

次回投稿予定は4/2午前八時を予定しています。

お付き合いいただきありがとうございます。

評価ブックマーク感想お待ちしております。

同時連載「中学卒業目前の僕がガイノイドを買うまでの話※旧題ありふれたボーイ・ミーツ・ガール~遥か未来で~」もよろしくお願いします。

ジャンルとしてはSFになります。

本作とは雰囲気も登場キャラクターの数もガラッと変わり、ヒロインもちゃんと出ますので是非合わせてお楽しみいただければと思います。↓URLからジャンプできます

http://ncode.syosetu.com/n8854dc/


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