昼休み
「じゃあ2人はよく遊ぶんだ?」
優樹菜が弁当を広げながら貴斗と沙良に向かって言う。俺達は4人で机をくっつけ、昼休みを迎えていた。
「まあ遊んであげているというか」
貴斗がそう言い、沙良を横目に見ながら箸を持つ。
「こいつこんなこと言ってるけど、2人だとめっちゃ甘えてくるんだ。きもいよね」
沙良の言葉に食べていたものを吹き出しそうになる貴斗。
「甘えてなんかないわ」
「ほんとか〜?」
「沙良だってめっちゃ距離近かったりするよなあれやめろ!」
「やめて欲しいの?」
貴斗がむ、と言う顔になる。
「甘々ですなぁ」
優樹菜がニマニマしながら2人を見て言う。
「ていうか、そっちだってなんか距離近くない?」
「たしかにたしかに」
急に2人が同調しこっちを見てくる。共通の敵を作りやがった。
「まあ幼馴染だし」
俺が言うと、優樹菜もうんうんと頷く。
「いくら幼馴染って言ったって距離が近すぎるような」
「そうだそうだ」
「まあ家隣だし」
「幼稚園から中学3年までクラス一緒だしね」
「すごい偶然だよな。俺と沙良が中学3年間一緒で高校も一緒になっただけでも奇跡なのに..」
「奇跡?」
ニヤケ顔で貴斗を見る沙良。なんか雰囲気に反してめっちゃイチャつくなこいつら。
貴斗はしまったという顔を隠すように天井を見上げている。
「2人はよく遊ぶわけ?」
沙良が言う。
「よくというか、毎日」
「遊ぶというか一緒にいるだけだけどな」
「ええすご。それは...部屋で?」
「そう。どっちかの部屋」
沙良が驚愕した顔になる。無理もないが、変な誤解を生んでいそうである。
「...した?」
ぶっ込みすぎだろ。俺と優樹菜は顔を見合わせ笑う。
「私達の間には何にもありません」
「その通りです」
「やっぱ男女の友情って成立するんだ」
「するんだなぁ」
「いやでも」
貴斗と沙良が何やら話し始める。多分この2人は成立しない派なんだろうなぁ、と思う。まあ俺たちも結論は出ていないんだが。
4人でそんなことを話している間に、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
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「あんた距離詰めるの早すぎ。嫌われちゃうよ?」
学校が終わり、2人で来たファミレスで優樹菜は言う。
「まじ?」
「うん。私がいる時はストッパーになれるから良いけど。とにかく私がいない時はあんまり誰かと話さないこと」
「うーん..」
「なに不満?」
「独り立ちしたいなぁと」
「無理無理」
そう言い、優樹菜がコップに入っていた烏龍茶を飲み干す。
「そういえば明日は委員会決めって言ってたな。」
「何委員にするの?」
「さぁ..」
「ま、一緒にやってあげる」
「何で上からなんだよ」
「じゃあ、良ければ一緒にやろ?」
急に上目遣いでそんなことを言うものだから、俺は優樹菜から顔を逸らすしかなかった。




