表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

8話

朝の電車。


いつもの位置。


悠星は自然に前に立って、りことの間にさりげなくスペースを作る。


もうそれは特別なことじゃなくて、当たり前みたいになっている。



りこはカバンを前に抱えながら、その背中を見る。


(今日もだ)



言葉にしなくても分かる。


自分が“守られてる側の位置”にいること。



電車が揺れる。


少し強めの揺れ。


人の流れが一瞬だけ押し寄せる。



でも、止まる。



悠星の背中で、きちんと受け止められる。



(……大丈夫)



前みたいに慌てない。



悠星は何も言わない。


ただ、少しだけ足の位置を変えて踏ん張る。



りこはその動きを見ている。



(こういうとこなんだよな)



特別なことじゃない。


でも、ちゃんと自分に向いている。



電車が次の駅に近づく。


少し人が減る。


距離がほんの少しだけ開く。



りこは小さく声を出す。


「……ありがと」



悠星は振り向かない。


「別に」



少しだけ間。



その声が、前よりやわらかい気がした。



りこは何も言わない。



でも――



(この人、やっぱり優しい)



その気持ちは、前よりはっきりしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ