「戦えないと追放された支援職、バフが強すぎて全員依存してきます」

「お前は役立たずだ」
支援魔法しか使えない支援術師（サポーター）のアッシュは、勇者パーティーからそう罵られ追放された。攻撃も回復もできない地味なバフ役は、お荷物でしかなかったのだ。

絶望の中、彼は初めて自分自身にバフをかけてみる。すると、驚愕の事実が判明した。
彼のバフは【他人に使うと効果が著しく劣化する】仕様であり、100％の力は世界の理すら捻じ曲げる超チートスキルだったのだ！

《フィジカルアップ》で超人に。《マインドブースト》で世界のすべてを見通す天才に。
そして、その効果範囲はもはや個人を超え、“世界規模”に及んだ。
彼のバフ一つで、一国の作物が大豊作になり、劣勢だった軍隊が最強の軍団へと変貌する。

アッシュは気づく。この力があれば、経済も戦争もすべてを裏から操れると。
一方、彼を失った勇者パーティーは原因不明の不調で凋落の一途を辿る。やがて真実に気づき土下座で復帰を懇願してくるが――。
「今さら戻ってこい？　悪いけど、君たちの小さな冒険に付き合うほど暇じゃないんだ」

これは、無能と追放された少年が、最強すぎるバフで全世界を掌で転がし、自分を捨てた者たちに壮絶なざまぁを叩きつける逆転成り上がり譚！